自分と100%意見が一致する人など世の中に存在するわけがありません。ましてや1億3千万人の日本。すべての人が満足するような決定があるわけがありません。
政治家は、大きな視点で、大局的な立場から本来は物事を考えなければならないわけですが、なにせ票集めだけに邁進してきたわけです。結果として票田たる団体、業界ばかり恩恵を受け、それ以外、ましてやまとまりのないサラリーマンなど、本当に相手にされていません。
皆解っていても、言えないことがあります。声がでかいほうが勝つのが現状です。
日本の問題のうち、年金・原発・財政・農業(食料)・橋下徹・その他、という切り口で、書いてあります。 国防が抜けていますが、ちょろっと北方領土問題に触れ、竹島や尖閣には触れていません。立場もあるのでしょう。。w
私も時々感じるけど、言ってはいけないのではないか、と、(これが日本人の悪いところなのでしょうが)事なかれ主義で言えないことが、この本では淡々と問題提起されています。
下記は、筆者の考え自体ではなく、あくまで、「こういった視点もあるよ」という形で紹介されています。
* 年金照合は無駄。合うわけがないのに、予算を相当投入しているのはなぜか。
* 原発周辺は、リスクとの見合いで相当恩恵を受けていたので、その補償を全国民に負担させるのはおかしいのではないか
* 原発エリアで農家が畑を耕したり、売れない食物を地中へ埋めるのは、とんでもない行為。(放射性物質を地中に埋めると、ますます取り除きにくくなるうえ、将来の作物にも影響がでる) また、それをさせたのは情報を流さない、或いは、毅然とした態度をとらない政府の責任
* 兼業農家への補助金は食料自給率などの向上には一切なっていない。補助金目当ての兼業農家が増えているのに票目当てで放置。兼業農家は自給率向上ということを都合勝手に唱え、補助金で潤っている。(公務員の兼業農家が増えている)
* 米作は実は結構簡単らしい。でも、農家はそれを言えない。兼業農家に米作農家が多いのは、簡単で補助金がもらいやすい。そんな農家を増やしても、全く意味が無い。
* 一律の子供手当よりも、子供の数に応じた所得税減税のほうが、「生活力があって多く稼ぐ遺伝子を持った人間が増える」ので、国家戦略としてははるかにいいのではないか。(フランスの例)
などなど。。
こんな議論をテレビで訴えたらどうなりますかね。正しいかどうかではなく、こういった視点もあってしかるべきですし、また、当然事実もあるでしょう。でも、今の日本ではそういったことができません。
私はこうだ、うちはこうだ、という話しをしているのではなく、大局に立った議論、というのはこういう意見も踏まえ、行うべきではないか、と、私も思います。
決して上記のような発言を擁護しているわけではありませんが、こういうことを言うと、即叩かれ、議論すらできなくする風潮が良くないと、常々思うわけです。
問題はすべてテーブルに乗せ、その上で議論をしないと、本当の問題が見えなくなります。
すでに「結論ありき」で、その結論にどのように世論を誘導するか、というのが今の日本。 本当の議論が全くできておらず、人のあげあしを取るようなマスコミの風潮は、日本を衰退させる原動力となっていますね。
筆者はブータンに行って実態を見、やはり理想郷は無い、と思ったそうです。
民主党政権の「ばら撒き」に理想郷を見出し、そして失望している今の日本。高齢化の進行で毎年一兆円の社会福祉費用が増えている日本で、「増税」なしで、どれだけ賄えるのでしょうか?
増税の前にまず出費を抑えろ・・ という議論には、私も疑問です。
会社に例えると、100万円の利益を上げなければならないのに、まずは無駄な文房具を使わないように、裏紙を使い、電気はこまめに消せ、と、そういった議論ばかりして、肝心の稼ぐところを後回しにしているようなものだ、と、思うわけです。出費、足りない「規模」がばかでかいのに、そのあたりの数字の規模すら捉えない議論があまりも多すぎます。
どんな魔法を使っても国民の負担増なしに民主党のマニフェストは実現できない。。政権交代はその現実に国民が気付くための「必要悪」だった、と、締めくくっていました。