食品衛生 べからず集

2012-09-28 | 
イカリ消毒
食品衛生べからず集―食品工場必携
JIPMソリューション


漫画チックな挿絵と、10行程度の説明書き、一ページ一トピック の、非常に読みやすく、解り易い本です。
難しい内容は一つもなく、すべて基本的な内容ですが、大事なことばかり。さらには、海外よりも日本の工場のほうが怪しいよな・・と思ってしまう内容ばかりです。

基本的なことでは、
* 作業場内で飲食や喫煙するべからず
* 帽子やマスクに触れるべからず
* 汚染された手で食品を扱うべからず
など、あたりまえなことを、簡単な図と一緒に紹介しています。
また、責任者のために
* ウソを記録するべからず
* 鉛筆で記録するべからず
* 従業者をただ叱責するべからず
* ルール違反を見逃すべからず (場内のルールは社長や来客であっても・・)
などなど。。

出張へ行く際に、30分程度で基本事項を確認するためにはもってこいの本です。
海外の工員用にその言語で作ったらいいのにな・・と、思いました。


違い 3

2012-09-27 | ビジネス業界
ベトナムで委託加工が本格的にスタートして、まだ10年も経っていないかと思います。
元々前浜の「生鮮」原料、或いは、養殖の「生鮮」原料を使用しての加工が中心ですので、「冷凍原料」を「大量」に保管して加工をするための設備が絶対的に不足しています。

中国との比較で言えば、中国に原料を持ち込んでも、半年、場合によっては一年以上原料を倉庫に入れておいても、「保管料」を請求されることはないようです。
ところがベトナムは、工場自身が持っている倉庫のキャパが小さいため、外部倉庫に貨物を入れなければなりません。となると、その分の経費がもちろんかかるわけですね。

簡単な比較です
ベトナムで委託加工をやる場合、原料持込から一ヶ月はフリーで、二ヶ月目から実費を請求されたとします。

500t の原料  中国では保管料 ゼロ
ベトナムでは、二ヶ月目から、一日1t1ドル(がよく聞く相場です)とられます。
つまり、一ヶ月で、1万5千ドル、100万円以上の保管料請求が来ることになるわけです。キロに換算しても、一ヶ月2.5円、半年で、15円かかります。
歩留まりが50%の製品に換算すると、30円コストが上がる計算となります。

いろいろと調べてみましたが、
* 入庫二ヶ月目から実費
* 一日1tあたり、 0.8 - 1.2ドルの保管料
というのが、だいたいの目安となるようです。

質問

2012-09-26 | ビジネス一般
年寄り臭い話しですみません。。

年齢に関わらず、質問の仕方が下手な人が多いな・・と思います。
先週も何件か、おいおい、と、思わず言ってしまうような質問が来ました。
これは日本に限ったことではありません。

たとえば、今、ベトナムで委託加工をしている商品について、ベトナムから、とあるEU向け書類の依頼がありました。
韓国産原料、ベトナム加工、で、日本送りの商品で、ヨーロッパなど一切関与していないはずなのですが。。。
確かに色々な書類を要求されることが多い今日この頃、それにしても日本向けの貨物を生産しているのに、何だろうか・・? と、

「何に使う書類なのか、いつまでに必要なのか?」質問してみました。

担当者もわからない・・とのこと
で、その依頼元へ問い合わせてもらうと。。

「ベトナムからEU向けの輸出許可もついでにとれたらとっておこうと思うので、そのための書類」

とのことで、私の現状の業務には全く関係もないし、また、急ぎでもないことが判明したわけです。

またあるときは、日本のお客様から、ベトナムで生産し、日本に輸入し供給した商品について、何ヶ月も経ってからの外装異常についての問い合わせ。
問い合わせをしてきた方も、ただ、異常があったと伝えてくるだけで、写真もロットも、どのくらいの割合かも、全く調べないでの問い合わせ。(最終的には他社の製品を間違えて聞いてきていたようです。)

全く趣旨のわからないもの、聞いてくる方々も、ただの伝言で、それも何人も介してきますので、ときどき内容がどう考えてもおかしなものがでてきます。
どこかでだれかが「目的」「趣旨」を考えてくれればいいのですが、そのあたりがほとんどされていないで、欲しいものだけ投げかけてくるケースがあまりにも多く本当に困ります。

私自身も気をつけよう、と、都度思うわけです。。


マグロ船 3

2012-09-25 | 過去の仕事(マグロ船)
シンガポールを出港し向かった先は、「アフリカ沖」。たしか、20日以上かかったような記憶があります。
この船は新しい船でしたので、その間に漁具作りを日々洋上で行っていきました。
船の乗り組み員もどういうわけか、寄せ集めた感じで、同じ船に乗っていた。。という顔見知りがほとんどいない状態。皆、互いの経歴を探りながら、様子見をしている感じがいたしました。
そしてその間に、やはりグループのようなものができてくるわけですね。私はダントツの若手。誰からも「小僧」扱いをされるわけで、結局それがいろんな方々の人間関係のもつれに巻き込まれ、かなりめちゃくちゃな扱いを受けることになったわけです。
今思えば便宜地籍船の走り。まだまだ日本の船から飛び出して冒険しよう、という船員さんは特殊な部類だったのかもしれません。

私の同室はスリランカ人。私の次に若手でしたが、日本の船の経験もあり、エンジニアとしての腕はなかなかのものだったようです。唯一のスリランカ人と小僧の私は船内での微妙な立場は一緒。このスリランカ人が居なかったらどうなってたんだろう、と、後から振り返ると、本当にいろいろ助けてもらった恩人ですね。

マグロ船ってどういうところ? と、聞かれることがしばしばあります。

たった50m程度の船に見知らぬ男同士が20名で共同生活。寝る時間も無く、仕事はきつく、娯楽などなく、そんな空間で半年間も他の世界から隔絶されていたらどうなると思う? と、逆に質問します。ましてや今のようにネットが発達している時代ではありません。ようやくGPSが普及し始めたばかり。インマルサット(衛生電話)がついていましたが、「もしもし」、と、話しをしただけで3000円を越える料金でしたので、簡単に使えるわけもなく、本当に「孤立」した世界なわけです。

陸からはるか離れた洋上、どんな奇跡が起こっても、陸上へたどり着くのはまず不可能。その点では、まだ監獄のほうが希望も自由もあるのでは? と、何度も思ったわけです。

漁具作りをしている頃はまだまだ気持ちにも余裕があり、景色を楽しむ(といっても水平線しか見えませんが)余裕もありました。

・・・船は一路アフリカを目指して南下していきます。




ノルサバ

2012-09-24 | ビジネス業界
脂の乗ったノルウェーサバの買い付けが本格的になっているようです。
私はこの商材を主体的に扱ったことがありません。
一度だけ買い付けでオランダに行ったことがります。 ビギナーズラックというのでしょうか。。この商材のことをほとんど知らずに扱ったので、本当に必要な分を上手く買うことができ、あとで業界全体のことを知って驚いた記憶があります。

サバの買い付けのプレイヤーの皆様は、短期間で億単位、否、10億を越える買い付けを行うことも珍しくないようです。最近この商材にも間接的に関わるようになり、色々業界のことがわかってきました。 それこそ私が仕事を始めたことにはまだ生まれてなかったような若者が億単位の買い付けを短期間に行っていたりして、凄いな・・と、素直に関心してしまいます。

そのノルウェーサバも、今年の暴落アイテムのひとつ。市場にはまだまだ行き先の決まらないヒネ物在庫が有る中で、買い付けに突入したようです。
昔のように相場師が「鼻」をきかせて買い付けをする時代ではなくなりましたが、それでもある程度の読みは必要でしょう。
現地のオークション価格がネットやら新聞やらで日本にも即届いてきます。市場は一円でも安く買おうと構えているわけです。
商社の活動も昔と異なり、皆に監視されながら買い付けを行っているように見えなくもありません。。ww
情報が命の海外での原料買い付けも、これだけ有益無益な情報が錯綜すると、収集だけではなく、情報の取捨選択、更には、自らがいかに有益情報の発信源となるかも大事だったりします。


はじめの一歩を踏み出そう

2012-09-21 | 
はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術
マイケルEガーバー
世界文化社


起業のバイブル、と、言われている本です。

起業関係の本は分厚いものから薄いもの、昔も今も、精神論から具体的なものまで、とにかくたくさんあります。私も起業前は色々と読んでみたものです。
この本は数ある起業関連の本の中でも、非常に深い部分を、完結に、ピザ屋を起業した女性の物語風にまとめています。

すべての起業家には、3人の人格が隠れている
① 起業家ー変化を好む理想主義者
② マネージャーー管理が得意な現実主義者
③ 職人ー手に職を持った個人主義者

だいたいにおいて新しい会社は、上記の③、すべての諸語とをこなす、職人的経営者が中心にスタートします。(幼年期)
そして、だんだん仕事量が限界を超え始めてきます。

その後、従業員を雇い、企業家①と、マネージャーの人格が大事になってきます。(青年期)
結果として迎える「成長の壁」
ここで多くの企業がコントロールを失い、事業を縮小し、幼年期へ戻るか、父さんするか、はたまた次のステージにあがるか、というサバイバルレースに突入します。

そこで生き残るためには、商品よりもなによりも起業家の視点① が大事になってくる、具体的には。。。

という感じです。
私自身に当てはめても、結局この流れで会社が動いている感じが致します。

「持ちきれないお手玉を見事に捌いてるのが、職人的な起業家」であり、結局いつまでたっても芸術的にお手玉を回し続けるしかないのか・・という表現は、まさに言い得てるな、と、思うわけで、それをどのように打破するかが私自身にも沸き起こってきた課題だったりするわけです。

会社勤めの方も是非、読んでみてください。簡単に読める内容です。

違い 2

2012-09-20 | ビジネス業界
ベトナム工場と中国工場の違いについて

まず、一番最初にお話しするのが、温度のことですね。
ベトナムは一年中暑い国です。外気は下手すると、40度にもなります。
室内温度も高いのがあたりまえなわけです。

よくこの話しをすると、
中国だって夏場は気温が高い・・
とおっしゃる方がいらっしゃいます。

お答えするのは、
「ベトナム人は、 寒い気温を知らない・・」
ということです。
頭ではわかっていても、実際にそういう体験をしたことがなければ、いかに低い温度が大事か、ということを身を持って知る機会が無いわけです。もちろん、温度を下げるということの重要性が、頭でわかっても、気持ちでは理解できないでしょう。

物理的に温度が下がるか否か、というのはまた別の問題です。
特にベトナムの工場は、前浜など、地の原料を使っての製品作りをしてきたところばかり。冷凍貨物を持ち込み、温度の管理をし、そして、製品を作って輸出する・・のと、前浜の原料を「氷」を使って冷やしこみ、加工をしていくのとは、根本的に流れが異なります。
お気づきの方も多いはずですが、ベトナムでは氷をとにかく使おうとします。
氷を使って商品を冷やしておけばよい、というのは、前浜原料の加工に由来するものではないでしょうか。
氷を使う→その水は衛生的に問題ないだろうか?
    →部屋中湿気が充満して、べたべたする
    →溶けた水がそこらじゅうに溜まり、汚染の元となる

などなど、氷を使って管理していくと、問題も当然増えるわけです。





アナログ

2012-09-19 | 海外業務
つい先日あったトラブルです。

海外からサレンダーのスタンプの押してあるB/Lがメールされてきました。
ところが日本で貨物を引き取ろうとしたところ、未だB/Lは回収されていない、ということで、貨物のデリバリーを拒否されてしまいました。
即相手に電話し、船会社へ連絡、その後、船会社社内のミス、ということが判明し、無事貨物は引き取りできました。

以前ときどき同じようなトラブルに遭いましたが、その際は、船会社ではなく、ブッキングエージェントなどを経由しているケースが多かったです。
結局、どの国のどこの会社の誰が誰とどういう話しをしているか、まで、こちらで調べていかないと、船会社は機械的な対応しかしてくれませんので、貨物が引き取れないわけです。

数社間のメールのコピーやら担当者の名前などを調べ、ようやく、船会社社内の連絡の問題だとわかったこともあります。

これだけ色々とIT化されても、入力するのは人間。トラブルは人間が作るものですから、最終的にはアナログに調べていくしかないわけです。
最近では、ネット上で貨物の進捗について検索できるシステムが増えてきました。
船会社も大手さんになると、B/L番号やコンテナ番号でトラッキングできます。

ただ、更新は人がアナログで行っている場合が多いようで、実際の貨物の流れを反映していないこともしばしば。まだまだ最終的にはアナログで仕事を補完していく必要があります。

マグロ船 2

2012-09-18 | 過去の仕事(マグロ船)
昔のシンガポールは岸壁が少なかったため、沖で錨泊、岸とは、通船を使って行き来していました。

私が乗り込んだのはシンガポールから。船は台湾で建造され、最低限の艤装だけしてシンガポールへ回航。そこで、最終的の仕込みを行いました。
たぶん、シンガポールのほうが、機械資材類の通関手続きが楽(税金も含めて)だったからではないか、と、思います。

資材なんかも、こういった通船で沖へ運ばれてきて、それを人海戦術で積み込みました。
油や水も一緒。船がやってきて、沖で積み込みます。

我々乗り組み員は、船舶代理店が手配した通船の時刻に合わせで上陸、帰船するわけです。
ですが、2-3時間に一回の通船の時間に都合よくあわせるのも仕事があると大変です。したがって、洋上を流している通船の「タクシー」のようなものを拾って上陸します。
船から周りを見て、走っている通船を見つけると、タオルやらハンカチやらを回して合図します。
そうすると、船が寄ってきて、岸までの距離と、乗客数に合わせて値段を言われるわけです。
たしか、高いときは、日本円で3-4000円とられた気がします。もっとも、岸壁までは、小一時間かかりました。。

シンガポール出港後は、一路アフリカ沖へ。

このとき初めてマグロ船の船員さんたちと合流したのですが、これから先アフリカ沖、半年は海の上だというのに、スーツを仕立ててくる人が何人も居たのには驚きました。。ww
通船が到着する「クリフォードピア」周辺には、インド系住人が経営する洋服の仕立て屋がたくさんありましたので、客引きに遭って作ってしまったのでしょう。
皆、楽しそうにスーツを見せ合ってた姿を思い出します。。




影響

2012-09-17 | 国内業務
悪い悪い、と言っていても何も変わらないのですが。。

アメリカの量的緩和によって、より一層の円高進行が現実味を帯びてきました。
量が増えれば価値は下がるのは当然ですから、相対的にドルの価値が下がるのは当然のこと。

さて円高で海外からの輸入品が安くなるのは歓迎なのですが、日本の消費の落ち込みは相当なものではないでしょうか。正直、このところ業界ではいい話しを全く聞かず、重苦しい雰囲気が業界全体に蔓延しているような気がしてなりません。

チリ銀やサバ、のみならず、北方魚は全般的に弱含み。漁が少ないという秋鮭も価格は伸びず、サンマも昨年の在庫があり、南方ではホキが暴落、マグロも弱含み相場とか。。。
(あっ、イクラ類は史上最高値を更新しているみたいですが。。)

原因は一体どこにあるのでしょうか。マクロ的な視点でいえば、間違いなく世界的な人口増加→消費の伸び→資源減 かと思うのですが、目先の日本市場は(食品に関しては)ジャブジャブに物が余っている感じが致します。

EUの影響で中国加工→EUへのものの流れが激減、その影響で今まで買い気が旺盛だった中国が凹み、物があまり、いくところがない魚が日本に流れている・・そんな説明も聞きます。間違ってはいないでしょう。
震災後、食料品に危機感を感じた各社が在庫を多め多めに持ったため、マーケットとリンクしない状態となった・・ これも事実でしょう。(特に鶏肉関係は在庫が多いと聞きます)

台湾の取引先は、「やっぱり日本は金持ちだね。これだけ食料が余ってるのに、まだ買い付けにでるんだから。。」と、皮肉を言われる状態です。ww

世界全体が相互に密に関係しあうこの時代、一つの市場が世界全体に波及し、その影響についてはなかなか読めない時代となっているわけです。
こうしてみると、最終的に困ったときには日本・・ということなのかもしれません。
話題の中国大陸の工場では、EU向けが無くなった分、対日生産を増やしてバランスをとろうとしていると聞きます。

大都市のみならず、地方の営業倉庫も満庫の状態が続いているようです。
明日から輸入品を完全にストップしても、暫くは生活には影響は出ないでしょう。
この在庫状況が改善されない限り、重苦しい市場の空気は改善されないような気がします。