勘違い

2013-01-25 | ビジネス一般
海外と取引をする場合、大きくわけて、3つの仕事がある、と、いつも思います。
私はそれを「橋や道」の工事に例えてよく話しをします。

1) 橋や道を作る計画をたて、契約する仕事
大きな絵を描き、仕事の流れやビジネスモデルを取引先と共有し、時には社内の稟議を通し、そして契約を行い、実際にプロジェクトをスタートさせます。

2) 橋や道を作る仕事
1)の意向に沿って、実際に橋や道を作っていく段階です。我々の仕事で言うと、新規で商品を作ったり、時には投資に基づき、工場を作ったり、なにせ実際に仕事をスタートさせ、軌道に乗せるまでのイメージです。

3) メンテナンス
実際に車が流れだしたあとの管理や日々の業務などを滞りなく行う仕事です。 貨物が流れ出し、定期的な発注、生産、貿易実務を含め、実際のオペレーションなどを行なっているイメージです。


それぞれの仕事は分離独立しているわけではなく、お互いに密接に関連しています。兼務する場合もありますね。
ただし、必要なスキルは全く異なります。

皆が皆、とは言いませんが、3)の業務は出来上がった仕事を引き受けることもあり、相手との距離がなかなか近づかず、或いは、やらされてる感をもって仕事をしている方も多々見受けられます。
簡単に言うと、「上手くいかないのは、1)2)のせいだよねー。この場所見つけてきたの自分じゃないし。。」という感じでしょうか。
また、逆に上手くいくと、すべて自分の力のように感じてしまいます。結局、何事も土台がしっかりしていなければならないわけで、1)2)がしっかり組み上げておけば、3)の業務が少々おかしくても、大きな問題にはならなかったりするものです。


最近の傾向として、3)の業務を中国などで担当していた方が、第三国での新しい仕事を、1)2)の立場で任されるケースが増えているようです。


具体的に言うと、中国の工場創世記から一生懸命に現場をやってきた世代は、すでに年齢も上になり、現場から退いています。
そして、その業務を引き継いだ若い世代が主力となり、同じことを別の国でやろう、という感じでしょうか。

気をつけなければならないのは、中国での仕事は、山のような苦労やトラブル、そして何年も時間をかけて出来上がったもの。その出来上がった部分しか知らない世代が、立ち上げの仕事を任されても上手くいくわけがありません。会社もそのあたりをわかって人を派遣したほうがいいのではないかな、と、思ってしまいます。

ただ、派遣する方は、「俺もそうやってやってきたんだから・・」ということなんでしょうけども、損をしても時間をかけてでも立ち上げよう、という時代と、スピード重視+損はできない環境で立ち上げるのはそもそも全く求められるものが違います。

第三者的な立場にいると、こういった光景がとても鮮明に見えてくるものです。。



天皇海山

2013-01-24 | ビジネス業界
当然のことながら、同じ魚であっても漁期や漁場によって価格が異なります。
我々が取引をする際も、漁場や時期、漁法や凍結手段など、このあたりが値段の分け目だったりします。

さて、昨年搬入が増えた「ツボ鯛」ですが、天皇海山 という漁場で漁獲されたものが主流です。
実は以前からこの漁場の名前の由来、気になっていたのですが、今日初めて、

「海山群のそれぞれの山に、日本の天皇の名前が付けられている」という事実を知りました。これって、世界共通でしょうから、実はとっても誇らしいことなんじゃないかと。。

もっとメジャーになって欲しいものです。

代引き

2013-01-23 | 日常雑談
宅急便屋で働く知り合いから聞いた話しです。

担当の配達先で、定期的に、高額な水産物を買っている?お年寄りが居るそうです。
ほぼ毎月、小さい入れ物に入った水産物が届けられ、数万円の代金で引き取っているとか。
もちろん中身はわかりませんので、なにか本当に高額なものが入っているのかもしれませんが、外見からはそうは見えないそうです。
不審に思い、その送り主の住所、会社名をネット検索しても出てこないそうです。

もっとも、代金引換ですので、受け取り拒否もできます。
本来は業務上やってはいけないらしいのですが、「受け取り拒否もできますよ」と、そのお年寄りに声をかけたそうです。ですが、

「断ったつもりなんですけど、歳とってちょっとボケちゃっるから私が間違えたかもしれないし。。」と、お金を払い、その商品を受け取るそうです。

・・・・余計なお世話なのかもしれませんが、きっとこういった話しって、そこらじゅうにあるんでしょう。なんとかならないもんですかね。。。憤りを感じます。

円安

2013-01-22 | ビジネス一般
ようやく最近、円安のデメリットの報道がされてきました。
政権が変わって一ヶ月、アベノミクスの影響で、円安誘導がなされ、あっという間に10円以上、円安となりました。
景気が良くなる、という報道が盛んになされていましたが、果たして本当にそうなんでしょうか。。。

周りを見回すと、ほとんどが輸入品なわけです。特に安価な商品は食品に限らず、中国はじめとした諸外国で生産したもの、または、諸外国の原材料を使用しているので、円安で物が高くならないわけがないですね。

ここ数年、原材料価格の高騰を、円高が支えていました。すなわち、末端は、円高の影響もあり、ドル価ベースで上昇していたコストを円換算で吸収していたわけです。
輸入業者はとっくに為替の恩恵など吐き出し、円高を基準とした価格競争をしていたわけで、この急激な円安でコストは跳ね上がっているわけです。

単純に考えて、一ドルの価値が78円⇒90円 ということは、10%以上の円安。
ということは、(経費もろもろありますが)、10%はコストが上昇します。

では、国産なら問題ないのか・・? 国内生産品だからといってもそうはいきません。
運賃=ガソリン=輸入品、電力=火力=油=輸入、資材も肥料もなにもかも、輸入品ばかり。生産コストは上昇する一方です。

円安⇒輸出産業成長⇒経済回復、というのは、一部の大手メーカーさんの論理であって、決して中小企業はこのロジックで生きているわけではありません。

正直、このあとの景気、とても心配なわけです。。

サンドウィッチ

2013-01-21 | ビジネス業界
先週は韓国出張後、ベトナムからの来客、と、バタバタで過ぎてしまいました。

韓国でいつも泊まるホテルは日系のビジネスホテル。安くて綺麗で、インターネットも快適。その上朝食までついてるのですが、この朝食がいただけません。
なにせ不味い。。

で、大概お客さんと、食堂で韓定食を食べるのですが、ときどき時間が無くて、コンビニで調達するときがあります。(時間が無くても、あの朝食は不味すぎてNG)

今回ふと気づいたのですが・・
日本のコンビニやら惣菜コーナーやらで買ったサンドウィッチのパンが、パサパサなんてことはまずありませんが、海外では結構「長時間冷蔵庫に置いておいたためにおきた品質劣化」商品にめぐり合います。
日本では当たり前となった「フワフワ」のパン。でも、一歩海外にでると、なかなか同じクオリティのものにはめぐり合えません。。

消費期限やら在庫回転やら、我々の知らないところで相当高度なオペレーションをしているのでしょう。
近所のコンビニ見ても、いつも弁当や惣菜を配送してきたトラックが止まっているような気がしてきます。。

エアアジア雑感・・

2013-01-16 | 海外出張
釜山に通いだして、10年程度になるでしょうか。
韓国二番目の都市とはいえ、釜山目当てでの旅行は九州地区ならともかく、関東圏からとなると、なかなか利用は多くなかったのでしょう。以前はJALさんかKEさんを使っておりました。
もちろんインチョンに比較すると割引もほとんどなく、釜山出張の航空券は常に割高に思っておりました。

恥ずかしい話しですが、独立直後、まだ資金も全くない時代に釜山に出張に行かなければならなかったとき、下関までバスで行って、そこからフェリーで釜山に渡ろうか、と、真剣に検討したくらいです。

数年前から韓国のLCC エア釜山が運行を開始しましたので、最近はそれを使っていました。
ただ、エア釜山は運行時間が中途半端、
日本発が午後、ついたら夕方なのでなにも仕事できませんし、帰国便は朝のため、結局二泊で行って、そのうちの中一日しか仕事ができません。

今回のエアアジア、キャンペーンということで、すべて込みで、「往復1万2000円」でした。

釜山行きは、朝8時に成田発ですので、これは少々厳しい方も多いのではないでしょうか。
ただ、現地に着いてもまだ10:30。午後一杯仕事ができますので、なんとも一日が有効に使えます。
LCCですので、ターミナル接続ではなく、すべてバスで移動です。ただ、VNなどは、通常の料金払ってもバスを使うことが多いですから、あまり気になりません。。w

機内で驚いたのは、CAの機内アナウンス。行きのチーフは若い男性でしたが、自己紹介などで、も「私、木村拓哉・・に生まれてきたら人生がきっと違っただろうな・・と思う、○×と申します」なんて感じで一人ずつ紹介していきます。
さらには、「お気に入りの乗務員がおりましたら、お気軽にお声がけください。もし、声がかけづらい場合は、お気に入りの乗務員が通過した際に、これみよがしに頭上のボタンを押してください」という感じ・・そこらじゅうから笑いが漏れておりました。。。ww 朝っぱらから新鮮な気持ちになりましたね。
もっとも、帰り便はいたって普通。ということは、クルーによって自己責任でやっているのかもしれません。

当然機内サービスは有料ですが、サービスが悪い、という印象は全く受けません。やはりクルーが楽しみながらやってる分、こちらも印象がいいんでしょう。
逆に、食事を頼む人がいないので、ワゴンも早く通過しますので、トイレなどで気を使う必要がなく、助かります。
(通路が真ん中にしかない小型の飛行機でワゴンによる食事サービスなどが始まると、その間、トイレに行けなくなります。細かいことですが、これが結構やっかいだったりします)

機内は多少狭いな、という印象でしたが、それでも二時間弱のフライトですので、こちらも全く気になりません。
LCC独特の、「フライト中にゴミの回収」なども行われますが、これも全く違和感なし。

機内持ち込みは7キロまで。ここは結構厳格みたいです。預けたら、プラス1000円程度だったと思います。


帰りは現地を11:05発。
私の仕事であれば、朝市場に出て、そのあと商談して、それから空港に向かえば間に合います。
この業界、特定の商品の検品に釜山に入る方も多いと思いますが、初日の午後に仕事を済ませてしまえば、あとは翌日帰るだけ。成田に着くのが一時ですので、都内オフィスでも三時には到着できます。
私も今日は二時半には事務所に戻ってきて、早速出張の後片付けをしております。

ベトナムでジェットスターに乗るといつもうんざりするのですが、日本ではそんな感じは全くしませんでした。
(ベトナムでLCCを使う方々は、比較的「飛行機経験」の無い方々。ということで、航空会社のサービスではなく、同乗の客にうんざりすることが多い、というのが実際でしょうか。。ww)

機内で水着ショーをやって罰金騒ぎとなった、ベトナムのLCC「ベトジェット」が日本就航する日もそのうち来るかもしれません。。








特恵関税

2013-01-11 | ビジネス業界
特恵関税絡みで大失敗をしてしまいました。

結局特恵が使えない国からの原材料を使用していたため、関税が5%以上も上がってしまうことになり、この円高も重なり完全な逆ざや・・大失敗です。
これも授業料だと思わないといけないのでしょう。

しかし、特恵にしろ円高にしろ、販売に関してはその分の値引きはすでに行われているわけで、これを取り戻す=売価を上げることは簡単ではありません。
いつものことですが、値下げはとにかく早く、値上げはとにかくゆっくり、というのが世の中の常。
これだけ円安に急激に触れると、輸入品はすべて値上がりなはず。
それにも関わらず、円安大歓迎のこの風潮はちょっと怖くなります。

輸入に頼っているもの、すべてコストがあがります。
食品は輸入品だらけですし、コストが下がるものはほとんどありません。
さらに、油代が上がりますので、間接コストもどんどん上がります。
みなさん、大丈夫なのかな?? 身の回りのもの、ほとんど輸入品、或いは、外国が関与しているものだと思うんですよねー。

そこにもってきて、「特恵」が使えないという私の痛恨のミス。。。

乙仲さんから、「コンプライアンス重視でお願いします。。」と一言

もちろんです。。

時化

2013-01-10 | ビジネス業界
異種業界の方から良く、「年末は忙しかったでしょうね」と、言われます。 
私の場合、毎年12月よりも1月のほうが、忙しい、否、慌しいという感じかもしれません。

今週から業務が本格化したわけですが、今年も例年同様、スタートからとにかくバタバタしています。
弊社の取引先、貨物の送り先は皆「旧正月」を祝う国です。その間、仕事が止まりますので、特にその間現地に入る貨物には注意が必要です。
そしてこのところ話題になる中国の考えられない制度改正→書類がその都度煩雑+わけがわからなくなります。
今年はそこに、年末からの寒波の影響が出ています。

寒波→海が時化る→船が予定通り運航しない

というアナログな流れから、貨物が旧正月前に中国に着くか着かないか、とにかく際どいスケジューリングでの対応が続いています。
気づくと、現在進行中の仕事、すべて書類やら時化によるスケジュール変更やらで遅れに遅れ、気づいたら、結構正月スレスレに現地着、という流れが多くなっていました。

本当は思いっきり遅らせてしまいたいのですが、今度はL/Cの期限がどーたらこーたら、で走らざるを得なくなったり。

年明け早々ではありますが、気分は年末なわけです。。w


言葉

2013-01-09 | ビジネス業界
昨日の新聞で、社会人が取りたい資格ランキングなるものを、見ました。
やはり上位は言語系。閉塞する日本(孫正義風に言うと、一億総引きこもり)で、海外に活路を見出そうとする人は少なくありません。
また、将来が見えない中、手に職をつけたい、その最有力候補が言語なようです。
ネイティブである必要は決してありませんが、海外と仕事をする以上、言葉がコミュニケーションの重要なツールであることには間違いありません。

話し変わって・・
実際に私が時々困るのが、会議の際の「共通」の言葉です。

先日もベトナム人数人と打ち合わせをした時、

私 = 日本語 + 英語
ベトナム人A = 英語 + ベトナム語
ベトナム人B = 日本語 + ベトナム語

というパターンがありました。

この場合、三人が同時に理解できる言語がありません。
お互いは直接コミュニケーションがとれるのですが、三者一緒に・・となると、共通の言語が無いわけです。

もっとも、同じ日本語でも、ベースになっている物事の考え方が違うと、話しにならないこともしばしば。ベースの考え方が一致しない中で会議に入ると、まずまとまりません。
こんな時、「おいおい、結局これじゃ言葉が通じてないのと変わらないじゃないか。。」と、思ったりします。

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2013-01-08 | ビジネス業界
私の友人(先輩?)に、外食経営をされている方がいます。(某大手チェーンの喫茶+軽食)
同じ食に携わっていでも、私は輸入の窓口であり、彼は末端で直接お客様に触れ合っている立場であり、視点が全く異なり勉強になることが沢山あります。

その方は池袋にも店を持っているので、今年は西武百貨店の元日開業に合わせ、その外食店もオープンしました。
結果は、
* 昨年の正月(=2-3日の二日間営業) と、今年の三が日の合計(=1-3日営業)で、売り上げはほとんど変わらなかったそうです。
彼が言うには、「正月に百貨店に来よう、と思う人の数自体はあまり変わらず、ただ営業日が多くなった分分散しただけ、効率が凄く悪い・・」とのこと。
こういった分析は、実際に店を経営していないとわからないし、また、数字が見えても「生きた数字」として肌で感じるのは、やはり自分で経営しているからこそのものだな、と、いつも関心します。

丼もののファストフード店舗も持っており、そちらの分析は上記喫茶店とは異なります。
動かない椅子にするのは長居させないため、 食券導入は、アルバイトによる売上金の「ピンはね」を未然に防ぐため(=この額、放っておくと結構な金額になるらしいです)、客単価の一円単位の変動を常に分析し、メニューの変更をこまめに行うこと、などなど、相当地道な作業の積み重ねがあるようです。

昨日の業界紙で、ロイヤルホストがドリンクバーを減らす方向で動き出した、という記事を見ました。ドリンクバー=客単価が下がり、更に、マナーの悪い客が増えるため、ドリンクバーを無くしても売り上げは変わらず、客層が良くなる傾向にある。。ということのようです。
たしかに仕事で利用したり、のんびり食事をしたいときにドリンクバーのあるファミレスは非常に騒がしく敬遠してしまいます。

どの業界でもそうですが、やはり現状の冷静な分析とそのフィードバックというのがオンタイムで行われている会社が生き残っているのだな、と、感じます。