映画と本の『たんぽぽ館』

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「絵のある自伝」安野光雅

2014年06月27日 | 本(エッセイ)
カラーカットも交えてお得!!

絵のある自伝 (文春文庫)
安野 光雅
文藝春秋


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『旅の絵本』『ふしぎなえ』『ABCの本』などが世界中で愛されている画家の、初の自伝。
津和野での少年時代から『街道をゆく』の司馬遼太郎氏のことまで、
昭和を生きた著者の人生が、ユーモア溢れる文章で綴られる。
炭鉱務め、兵役、教員時代など知られざる一面も。
50点以上描き下ろした絵が心温まる追憶に味わいを添える。


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敬愛する安野光雅氏の自伝。
もちろん自身のカラーカットも入っていて、お得な本です。
安野光雅氏、1926年、島根県津和野町生まれ。
1926年というと・・・大正15年。
あ、うちの親と同じです。
戦争のまっただ中に青春時代を送った世代ですね。
氏の少年時代から近年まで、興味の尽きないお話が満載です。
特に、炭鉱務めの経験があるなどとは、
全く知らなかったので、驚きました。
そして兵役についたこと・・・。
でも直接戦地に行ったのではなく、香川県で、
「本土上陸を目指す敵を迎撃するための、上陸用舟艇の秘匿場を作るのが任務」
だったとか。
・・・て、言われてもよくわからない(?)。
ですが、よく話に聞くように
上官から"教育"という名目でぶたれたり叩かれたりした傷が
今も残っているという・・・。
でもこのへんの記述は実に淡々としていて、
特別そのことを恨みに思っているようでも、大げさに訴えようとしているのでもないあたり、
人物ができていますね。


近年の話では、来日したダイアナ妃と握手したことがあるとか、
司馬遼太郎氏との交流とか、これもまた興味がつきません。


私が安野光雅さんを知ったのはやはり「ABCの本」なのですが、
この本のことにも触れられています。
「旅の絵本」をまた引っ張りだして見たくなってしまいました。

「絵のある自伝」安野光雅 文春文庫
満足度★★★★☆


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