映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

地下鉄(メトロ)に乗って

2018年09月09日 | 映画(ま行)

ワケありタイムトラベル

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営業マンの長谷部真次(堤真一)は、
仕事帰りの地下鉄の駅で、父が倒れたとの連絡を受けます。
気難しく威圧的な父とは絶縁していて、長く顔を合わせることもありませんでした。
そんな彼の前を、若くして亡くなった兄・昭一に似た人影がよぎります。
思わず彼を追って地上へ出ると、そこは兄が亡くなった昭和39年の東京。
その後、真次は戦後まもない東京や終戦直後の満州にも行き、
若き日の、真次の知らなかった父と出会うことに・・・。


地下鉄の階段を登り外へ出ると、別の時空。
なるほど、こういうタイムトンネルもありか。
でもその後、特に地下鉄構内でなくても真次はタイムトラベルを経験するようになるのですけどね。
なんの予備知識もなく見ていて、これはもしかすると浅田次郎さんが原作?と思ったのですが、
やはりそうでした。
・・・なんとなく、わかりますよね。


真次の父、小沼佐吉(大沢たかお)というのが、実にユニークな人物なのですよ。
確かに息子からみれば、よそに女がいて母を泣かし、威張り散らして独善的。
しかしまた、戦後裸一貫から大企業の社長にまで上り詰めた人物で、
はたから見れば魅力的であることも確かなのです。
真次は何度かのタイムトラベルで父の別の側面を知るようになる・・・。


そして話はそれだけではなく、
なぜか真次の愛人・みち子(岡本綾)までもがともにタイムトラベルをするようになるのです。
父に愛人がいることをなじりながら、自分も妻子がありつつよそに女がいるなんて・・・、
なんなのこれ・・・と、若干私はムカつきましたけれど。
でも実はこの事自体が非常に大きなテーマへとつながることだったのです・・・。
ストーリーとしてはとても面白い。
でもあんまり好きではないかな・・・? 
全ては結局男の論理のような気がする。

地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション [DVD]
堤真一,岡本綾,常盤貴子,大沢たかお
ジェネオン エンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「地下鉄(メトロ)に乗って」
2006年/日本/121分
監督:篠原哲雄
原作;浅田次郎
出演;堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、吉行和子
ストーリーの展開度★★★★☆
満足度★★★☆☆