映画と本の『たんぽぽ館』

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ハイジ アルプスの物語

2018年09月22日 | 映画(は行)

いじらしいハイジの思いに涙・・・

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ストーリーについてはもう言うまでもない物語なのですが、つい見てしまいますね。
でも考えてみると私の知っている「ハイジ」は、アニメであって、
原作は読んだことがないような・・・。
多分、子供向けのダイジェスト版を読んだだけだと思います。
だから、本作も原作に忠実かどうかはわかりません。
でも問題のラストについては本作のオリジナルのようです。
原作では、ペーターがクララにやきもちを焼いて、車椅子を崖から落としてしまう、
それに驚いて思わずクララが立ち上がる、というものでした。
本作でもペーターが車椅子を崖から落としてしまうところは同じなのですが、
そこではクララは立ち上がりません。
ではどうして・・・、というところは、
やはり見てのお楽しみということにしておきましょう。

街のお屋敷ですっかり心を病んでしまったハイジが、
山に戻ってきたときのなんとも嬉しそうなこと。
そしてわざわざペーターのおばあさんのために白パンを持ってきたことなど、
そこのシーンには思わず涙してしまいました。

パンにとろりと溶けたチーズを載せて食べるシーンがあったのがご愛嬌。

ハイジが学校に行くようになって、将来なにになりたいかという教師の問に
「作家」と答えるシーンがあります。
他の村の子供達はみな親の仕事を継ぐようなことしか思いつかないので、
あまりにも突飛な彼女の答えを笑うのです。

けれど、クララのおばあさまはそのことをしっかりと受け止めてくれます。
もともと、ハイジが字を覚えようと思うきっかけもこの方の導きでした。
いいですよねえ、このように大らかで思慮深い方・・・。
物語にもぐんと深みが出ます。
何度見てもいい物語だなあ・・・。



ハイジ アルプスの物語 [DVD]
アヌーク・シュテフェン,ブルーノ・ガンツ,イザベル・オットマン,クイリン・アグリッピ,カタリーナ・シュットラー
Happinet



<WOWOW視聴にて>
「ハイジ アルプスの物語」
2015年/スイス・ドイツ/111分
監督:アラン・グスポーナー
出演:アヌーク・シュテフェン、ブルーノ・ガンツ、イザベル・オットマン、クィリン・アグリッピ、カタリーナ・シュドラー
山の風景の美しさ★★★★★
ハイジの健気さ★★★★★
満足度★★★★☆