エネルギッシュ!!
* * * * * * * * * *
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。
無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。
歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。
台湾生まれ、日本育ち。
超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!
友情と初恋。
流浪と決断。
圧倒的物語。
* * * * * * * * * *
第153回直木賞受賞作。
どの方も絶賛の本作に興味があって手に取りました。
最近私の中ではちょっとした台湾ブームなのです。
台湾の高校野球チームのことを描いた映画「KANO」、
吉田修一さんの台湾新幹線をテーマとした「路」。
どちらも素晴らしく魅力的な物語でした。
そんな中で私が気になったのは、台湾に住む人々の対日感情。
台湾を長く統治下においていた日本のことを、
地元の方は良くは思っていないのではないかと。
もちろんそういう向きのあるのですが、
でも、そればかりではない。
そんな経緯も本作に書かれていたので、
ちょっぴり学習もさせていただきました。
1975年、台湾に暮らす17歳・葉秋生の破天荒な青春記。
彼の祖父は中国本土から、蒋介石率いる国民党の一派として
この台湾へ渡ってきたのです。
中国では共産党と闘い、平気で人を殺したという・・・。
そんな祖父が、秋生が17歳の時に何者かに殺害されてしまう。
犯人はわからないまま時が過ぎて、
彼の受験があったり、
兵役やヤクザとの抗争があったり、
甘酸っぱくも切ない恋があったり。
近頃の日本では忘れられた何か湧き上がるようなエネルギッシュな生き様に、
引きこまれてしまいます。
そして終盤、9年の後、
ついに祖父の死の謎が解き明かされる。
最後まで読んで、もしかしてこれは「ミステリ」にカテゴライズされる物語だったのか、
と気づくのですが、まあ、そんなことはどうでもいいことですね。
歴史、特に戦争は、かくも数奇な運命を人に強いる。
力のある物語でした。
「流」 東山彰良 講談社
満足度★★★★★
![]() | 流 |
東山 彰良 | |
講談社 |
* * * * * * * * * *
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。
無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。
歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。
台湾生まれ、日本育ち。
超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!
友情と初恋。
流浪と決断。
圧倒的物語。
* * * * * * * * * *
第153回直木賞受賞作。
どの方も絶賛の本作に興味があって手に取りました。
最近私の中ではちょっとした台湾ブームなのです。
台湾の高校野球チームのことを描いた映画「KANO」、
吉田修一さんの台湾新幹線をテーマとした「路」。
どちらも素晴らしく魅力的な物語でした。
そんな中で私が気になったのは、台湾に住む人々の対日感情。
台湾を長く統治下においていた日本のことを、
地元の方は良くは思っていないのではないかと。
もちろんそういう向きのあるのですが、
でも、そればかりではない。
そんな経緯も本作に書かれていたので、
ちょっぴり学習もさせていただきました。
1975年、台湾に暮らす17歳・葉秋生の破天荒な青春記。
彼の祖父は中国本土から、蒋介石率いる国民党の一派として
この台湾へ渡ってきたのです。
中国では共産党と闘い、平気で人を殺したという・・・。
そんな祖父が、秋生が17歳の時に何者かに殺害されてしまう。
犯人はわからないまま時が過ぎて、
彼の受験があったり、
兵役やヤクザとの抗争があったり、
甘酸っぱくも切ない恋があったり。
近頃の日本では忘れられた何か湧き上がるようなエネルギッシュな生き様に、
引きこまれてしまいます。
そして終盤、9年の後、
ついに祖父の死の謎が解き明かされる。
最後まで読んで、もしかしてこれは「ミステリ」にカテゴライズされる物語だったのか、
と気づくのですが、まあ、そんなことはどうでもいいことですね。
歴史、特に戦争は、かくも数奇な運命を人に強いる。
力のある物語でした。
「流」 東山彰良 講談社
満足度★★★★★