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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ウォーム・ボディーズ

2014年07月04日 | 映画(あ行)
ゾンビ・ミーツ・ガール



* * * * * * * * * *

ゾンビ映画は普段はまず見ないのですが、
本作はちょっと異色。
何しろ語り手自身がゾンビの少年。



謎のウィルスで人類の大半がゾンビ化。
生き残った人々は高い壁でコロニーを囲い、
その中で武装しつつ細々と暮らしています。
その中では物資にも限りがあるので、
時々外へ出て薬品などを調達しなければなりません。


一方、廃墟の空港で暮らすゾンビたちは、
ほとんど感情もなく会話もないけれど、
ほんの少しの意志疎通ができるものもいる。
そんな一人が、主人公であり語り手でもある“R”。
彼は物資を調達に来た人間たちに遭遇しますが、
その中のある一人の女性ジュリーに一目惚れしてしまいます。
同時に来た人間たちはみなゾンビに食われてしまった(!)のですが、
“R”は彼女を匿うことにします。
はじめはゾンビをただおぞましく恐ろしく思っていたジュリーですが、
“R”の本気の優しさに触れ、次第に惹かれていく。





自分には何もない。
夢も希望も、得意なものも。
そういう少年が少女と出会って変わっていく。
本作は設定はゾンビ映画ですが、
実は「ゾンビボーイ・ミーツ・ガール」ともいうべき、
古典的ラブストーリーなのでした。



そもそもちょうどこの時期、
謎のゾンビウイルスが人の中で死滅していったのでは?と思われるのです。
“R”の心臓がドキリと脈打ち始めるのと、他のゾンビたちの変化はほとんど同時。
新たな人類の歴史が始まる・・・
なかなか興味深い作品。

ウォーム・ボディーズ [DVD]
ニコラス・ホルト,テリーサ・パーマー,ジョン・マルコヴィッチ,ロブ・コードリー,デイヴ・フランコ
KADOKAWA / 角川書店


「ウォーム・ボディーズ」
ホラー度★★☆☆☆
満足度★★★★☆