適材適所。やればできるさ。

* * * * * * * *
1978年、イタリアでバザーリア法という法律が制定され、精神病院が撤廃されました。
患者達を地域に戻し、一般社会で暮らせるようにしたもの。
この作品は、そうしたことを背景に、実話を元にして作られたストーリーです。
労働組合の仕事をしていたネッロは、やることが革新的すぎたため、
もと精神病患者達の協同組合の運営の仕事にまわされてしまいました。
精神病者達のことなど何も解らないネッロです。
彼らは、精神病院を出されたのはいいのですが、結局行き場がないのです。
むろん普通に仕事が見つかるとも思えません。
そんな彼らは、仕事とはいっても切手貼りのような
仕事ともいえないような仕事を、施しのようにさせてもらっているだけで、全く無気力。
これじゃダメだ、きちんと働いて、見合った報酬を受けよう!
ネッロのやる気に、戸惑い気味の彼らでしたが、
会議を開いて、合意の上で仕事を始めます。
まずやってみた仕事は床貼りですが、
中でも美的センスがあり手先の器用な二人が、廃材を利用した寄せ木細工をしてみました。
それが人々に受け入れられ、協同組合の仕事は順調に軌道に乗っていきます。

なによりも、このネッロの患者達とのこだわりのないコミュニケーションがナイスです。
ネッロは彼らを始めから使えない人たちとはせず、
“ちょっと変な奴ら”くらいにとらえて、普通に協同組合を運営しただけなのです。
ノーマライゼーションとはこういうことか・・・。
何だか少し勇気がでます。
また、適材適所の役割配置も重要ですね。
何か得意なことを活かせればいいのですよね。
ひと言も話すことができない男性にもあてがわれた役割には、笑ってしまいます。
また、患者達も、自分たちが何かの役に立っている、そしてきちんと給料がもらえる、
ということが何よりもの治療となっているのです。
社会の中で、自分の居場所があること。
それは通常の人でも必要ですが、障害者も同じこと。
少しずつ彼らが生気を取り戻していく過程も見所です。
しかし、やはり何もかもそう巧くは行きません。
ジージョという青年が、ある女性に恋をしたことから、
思いがけない悲劇が起こるのです・・・。

「やればできるさ!」が彼らの合い言葉。
始めからあきらめてしまっては何もできない。
そういうところは、一般の人にもとても共感が持てます。
けれど、精神病者との関係は、そう一筋縄ではない。
お気楽なばかりではなくて、現実を直視する部分で
この作品は光っています。
でも、多くの人たちの理解と協力で、
改善できることは多くあるというのはよくわかりました。
ちょっぴり考えさせられて、笑って、泣ける、オススメ作です。
「人生、ここにあり!」
2008年/イタリア/111分
監督:ジュリオ・マンフレドニア
出演:クラウディオ・ビジオ、アニータ・カプリオーリ、アンドレア・ボスカ、ジョバンニ・カルカーニョ、ミケーレ・デ・ビルジリオ

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1978年、イタリアでバザーリア法という法律が制定され、精神病院が撤廃されました。
患者達を地域に戻し、一般社会で暮らせるようにしたもの。
この作品は、そうしたことを背景に、実話を元にして作られたストーリーです。
労働組合の仕事をしていたネッロは、やることが革新的すぎたため、
もと精神病患者達の協同組合の運営の仕事にまわされてしまいました。
精神病者達のことなど何も解らないネッロです。
彼らは、精神病院を出されたのはいいのですが、結局行き場がないのです。
むろん普通に仕事が見つかるとも思えません。
そんな彼らは、仕事とはいっても切手貼りのような
仕事ともいえないような仕事を、施しのようにさせてもらっているだけで、全く無気力。
これじゃダメだ、きちんと働いて、見合った報酬を受けよう!
ネッロのやる気に、戸惑い気味の彼らでしたが、
会議を開いて、合意の上で仕事を始めます。
まずやってみた仕事は床貼りですが、
中でも美的センスがあり手先の器用な二人が、廃材を利用した寄せ木細工をしてみました。
それが人々に受け入れられ、協同組合の仕事は順調に軌道に乗っていきます。

なによりも、このネッロの患者達とのこだわりのないコミュニケーションがナイスです。
ネッロは彼らを始めから使えない人たちとはせず、
“ちょっと変な奴ら”くらいにとらえて、普通に協同組合を運営しただけなのです。
ノーマライゼーションとはこういうことか・・・。
何だか少し勇気がでます。
また、適材適所の役割配置も重要ですね。
何か得意なことを活かせればいいのですよね。
ひと言も話すことができない男性にもあてがわれた役割には、笑ってしまいます。
また、患者達も、自分たちが何かの役に立っている、そしてきちんと給料がもらえる、
ということが何よりもの治療となっているのです。
社会の中で、自分の居場所があること。
それは通常の人でも必要ですが、障害者も同じこと。
少しずつ彼らが生気を取り戻していく過程も見所です。
しかし、やはり何もかもそう巧くは行きません。
ジージョという青年が、ある女性に恋をしたことから、
思いがけない悲劇が起こるのです・・・。

「やればできるさ!」が彼らの合い言葉。
始めからあきらめてしまっては何もできない。
そういうところは、一般の人にもとても共感が持てます。
けれど、精神病者との関係は、そう一筋縄ではない。
お気楽なばかりではなくて、現実を直視する部分で
この作品は光っています。
でも、多くの人たちの理解と協力で、
改善できることは多くあるというのはよくわかりました。
ちょっぴり考えさせられて、笑って、泣ける、オススメ作です。
「人生、ここにあり!」
2008年/イタリア/111分
監督:ジュリオ・マンフレドニア
出演:クラウディオ・ビジオ、アニータ・カプリオーリ、アンドレア・ボスカ、ジョバンニ・カルカーニョ、ミケーレ・デ・ビルジリオ