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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

グリーン・カード

2010年03月22日 | 映画(か行)
夫婦であることの証明

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グリーン・カード [DVD]

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グリーン・カードはアメリカの永住権のための許可証ですね。
フランス人ジョージはアメリカ人と結婚することで、このカードを得ようと考えました。
一方園芸家のブロンティは、ある温室付きアパートが気に入ってしまい、
是非そこに住みたいと思うものの、
独身者は入居できないということで困っていたのです。
そういう関係を取り持つ人がいて、
全く見ず知らずの二人は紙切れだけの偽装結婚をすることになりました。


しかし、入国管理局は甘くない。
この結婚を偽装結婚ではないかと怪しみ、
二人は面接調査を受けることになってしまいます。
夫婦であることを証明するために、やむなく二人は同居してお互いの身上を教えあうことに。
そうしているうちに次第に2人の心が寄り添って・・・
という、まあ、先が読めてしまうストーリーではありますが、
なかなか楽しいロマンチックな作品です。
しかし、面接試験がパスするのかどうかは別物ということで、
是非ご覧になって確かめてくださいね。


私たちはアメリカ人もフランス人も
同じ欧米人としてひとくくりに考えてしまうところがありますが、
これはたぶん当人たちに言わせればとんでもないことなのでしょう。
この作品中にも、フランスとアメリカの文化の違いがそこここに現れていたような気がします。
アメリカ人が見れば、そうそう・・・と頷いてしまうところがあるのでしょうね。
ブロンティは、ニューヨーカーの中でも特に自然愛好家。
食べ物もフランス料理のようにこってりしたものは苦手なそうで・・・。
せっかくジョージが本場のフランス料理を披露しても、手をつけなかったりするんですよ。
もったいない。
ブロンティのカレシなどは菜食主義で肉も魚も食べない。
これはアメリカ映画でありながら、
若干昨今のそうした極端な趣向を皮肉っている部分もありそうです。


さて、夫婦であることの証明。
これって実際むずかしいですよね。
偽装結婚を見破るために2人を別々に面接する、
というのは何か他の映画でも見たことがありますので、
実際に行われていることなのでしょう。
実際にはどんな質問をするのでしょうね?

本当の夫婦でも、お互い知らないことってあると思うのですよ。
それぞれの生年月日や生い立ちくらいは
いくら何でも知らないでは済まされないでしょうけれど。
奥さんの使っている化粧品のメーカーまで答えられる夫がどれだけいるでしょう? 
気持ちでは一日も離れられないほど愛し合っていても、偽装夫婦なのか。
結婚していて南極と北極ほどに心が離れて冷え切っていても、本物の夫婦?
う~む。難しい。
宗教的には神の前で愛を誓えば本物の夫婦。
法律的には婚姻届けさえ出せば夫婦。
同棲と結婚の違いも含めて、とても微妙なものですねー。

1990年/アメリカ/107分
監督・脚本:ピーター・ウィアー
出演:ジェラール・ド・パルデュー、アンディ・マクダウェル、ベベ・ニューワース