万年筆とマンドリンとクローゼットのノートと・・・・
* * * * * * * *
うーん、極上の感動作。
大学生、堀井香恵。
文具店のアルバイトとマンドリンのサークル活動に励む普通の女の子。
ある時バイト先の万年筆売り場で、ちょっと気になる男性と会いました。
絵を描いているらしいその人は、以前にも家の近くで見かけたことがある。
またある日、香恵は自室のクローゼットに、前の住人が置き忘れたらしいノートを見つけます。
それは若き小学校教師、真野伊吹の日記。
受け持っているクラス4年2組の子どもたちのことや、
恋人の隆のことがつづられている。。
人の日記など見てはいけないと思いながらつい引き込まれて、
香恵は明るく頑張り屋の伊吹先生の大ファンになってしまいます。
このストーリーのネタは、意外と早くに読者にはわかりますね。
けれど、ニブチンの香恵は最後まで気づかない。
ちょと、もー、いつになったら気づくのよ・・・って、
やきもきしながら読むのが楽しいところです。
そしてまた、石飛さんのニブチンさも相当な物。
しかし、彼は絵のことで頭がいっぱい。
そちらに集中するあまり、女の子の気持ちにまで気が回らないと見えます。
まあ、そういうドンカンなところも彼の魅力のうちなんですけどね。
そういう人には、いきなり愛を告げたりしてはいけない。
少しずつ、自分のラブストーリーを彼に語らなければ・・・。
なるほど、思っているだけでは気持ちは伝わらない。
伝わっているはず、と思ってもやはり伝わらないことの方が多いのですよね。
教育大にいながら教師を目指すことにさほど思い入れを持てなかった香恵が、
次第に教師の魅力に惹かれていきます。
それは楽しいことばかりではなく、
多忙さや不登校の子の対応など、大変さもよくわかった上で。
作中、万年筆についての記述がとても多いのです。
香恵もお父さんから大学の入学祝いにもらった愛用の万年筆を持っている。
石飛さんとの出会いも万年筆。
いやあ、万年筆なんて、何十年も持ったことがないですね。
そもそもこんな具合で、キーボードで文を書くことがほとんどですもん。
でも、この本を読んだら、万年筆が欲しくなってしまいました。
本当にいい物を。
今度、文具店に行ったら、じっくり見てしまいそうです。
でも、やっぱり買わないだろうなあ。
使うことないですよね。
美しい字でラブレターでもかければいいですけど。
・・・出す相手もないし。
さて話はもどりまして、この本のおもしろさは、最後の急展開。
その優しさと悲しさ切なさ。
泣けます。
バスの中では読まない方がいいですね。
このストーリーは著者の亡くなったお姉さまが残したものを元にしているとのこと。
教師をされていたそうで、
文集や子供たちからの手紙、連絡帳などから伊吹先生のイメージができあがったとのことです。
みんなの様子がとても活き活きとして、
こんなクラスなら私も楽しく学校に通えただろうなあ・・・。
しかし、ここに登場する「お嬢様」が、
まさに少女漫画に登場するようなベタな「お嬢様」なのがちょっと・・・。
まあ、ご愛敬ということにしましょう。
満足度★★★★★
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うーん、極上の感動作。
大学生、堀井香恵。
文具店のアルバイトとマンドリンのサークル活動に励む普通の女の子。
ある時バイト先の万年筆売り場で、ちょっと気になる男性と会いました。
絵を描いているらしいその人は、以前にも家の近くで見かけたことがある。
またある日、香恵は自室のクローゼットに、前の住人が置き忘れたらしいノートを見つけます。
それは若き小学校教師、真野伊吹の日記。
受け持っているクラス4年2組の子どもたちのことや、
恋人の隆のことがつづられている。。
人の日記など見てはいけないと思いながらつい引き込まれて、
香恵は明るく頑張り屋の伊吹先生の大ファンになってしまいます。
このストーリーのネタは、意外と早くに読者にはわかりますね。
けれど、ニブチンの香恵は最後まで気づかない。
ちょと、もー、いつになったら気づくのよ・・・って、
やきもきしながら読むのが楽しいところです。
そしてまた、石飛さんのニブチンさも相当な物。
しかし、彼は絵のことで頭がいっぱい。
そちらに集中するあまり、女の子の気持ちにまで気が回らないと見えます。
まあ、そういうドンカンなところも彼の魅力のうちなんですけどね。
そういう人には、いきなり愛を告げたりしてはいけない。
少しずつ、自分のラブストーリーを彼に語らなければ・・・。
なるほど、思っているだけでは気持ちは伝わらない。
伝わっているはず、と思ってもやはり伝わらないことの方が多いのですよね。
教育大にいながら教師を目指すことにさほど思い入れを持てなかった香恵が、
次第に教師の魅力に惹かれていきます。
それは楽しいことばかりではなく、
多忙さや不登校の子の対応など、大変さもよくわかった上で。
作中、万年筆についての記述がとても多いのです。
香恵もお父さんから大学の入学祝いにもらった愛用の万年筆を持っている。
石飛さんとの出会いも万年筆。
いやあ、万年筆なんて、何十年も持ったことがないですね。
そもそもこんな具合で、キーボードで文を書くことがほとんどですもん。
でも、この本を読んだら、万年筆が欲しくなってしまいました。
本当にいい物を。
今度、文具店に行ったら、じっくり見てしまいそうです。
でも、やっぱり買わないだろうなあ。
使うことないですよね。
美しい字でラブレターでもかければいいですけど。
・・・出す相手もないし。
さて話はもどりまして、この本のおもしろさは、最後の急展開。
その優しさと悲しさ切なさ。
泣けます。
バスの中では読まない方がいいですね。
このストーリーは著者の亡くなったお姉さまが残したものを元にしているとのこと。
教師をされていたそうで、
文集や子供たちからの手紙、連絡帳などから伊吹先生のイメージができあがったとのことです。
みんなの様子がとても活き活きとして、
こんなクラスなら私も楽しく学校に通えただろうなあ・・・。
しかし、ここに登場する「お嬢様」が、
まさに少女漫画に登場するようなベタな「お嬢様」なのがちょっと・・・。
まあ、ご愛敬ということにしましょう。
満足度★★★★★