人生ここらでジャカルタン

タンザニア、タイ、そしてインドネシアへ。タイ人の妻と進む平凡でクレージーな人生の考察をつづるブログ。

「ダーウィンの悪夢」を見た!ビクトリア湖

2007年05月18日 14時30分51秒 | 人生ここらで一休み
在タンザニア時から話題となっていた映画「ダーウィンの悪夢」を
帰国後にやっと見ることができた。

ビクトリア湖に持ち込まれた外来種「ナイルパーチ」が地元住民に
与える影響を生々しく描くドキュメンタリータッチの力作だ。

この映画、ネットで検索すると様々な意見が飛び交っており、興味深い。
あらすじについては他のブログなどもあわせて参照してもらいたいが、
ナイルパーチの加工業で現地の雇用が確保され、ヨーロッパを中心に空輸
される国際貿易の情景が描かれる。しかしヨーロッパから運ばれてくる
ものは銃器であるという貧困国を貧困国たらしめるシステムを浮き彫りに
するのである。

空輸に携わるヨーロッパ人も、それを知りながら働かざるをえないのは、
自分も家族を養うための一人のサラリーマンであるからだ。やりきれない
心の葛藤が描き出される。

そして、それがスクリーンに映し出される人々だけでなく、自分も関わる
世界規模の大きなシステムとして組み込まれてしまっているのだと知らされる。

それはこんな一文だ。
「これらのナイルパーチが輸出される国は主にヨーロッパと日本だ。」

「ヨーロッパの子供たちにはクリスマスに南アフリカのぶどうが贈られ、
アフリカの子供たちには銃器が贈られる。」
こんなセリフも重く残る。