人生ここらでジャカルタン

タンザニア、タイ、そしてインドネシアへ。タイ人の妻と進む平凡でクレージーな人生の考察をつづるブログ。

無賃乗車を防ぐ妙案はいかに?ジャカルタの電車

2012年01月29日 08時44分36秒 | 人生ここらでジャカルタン
日本の電車の中古車両がここインドネシアでも使われている。
筆者が開発途上国でこれまでみてきた日本の中古車両は、電車であれ、バスであれ、
誇らしい感情を日本人に与えたものだが、ここジャカルタでは様子が違う。

かつて日本で活躍した電車であることは予備知識として知っているものの、電車が
首都ジャカルタのターミナルに入ってくるを眺めるとき、本当に日本でかつて見た電車と
同じなのだろうかと、疑念がよぎるのだ。

車両の古さや、異なる町並み、背景が作り出す違いもさることながら、最も際立たせているのは、
乗客の様子かも知れない。走行中にもかかわらず開け放たれたドアや窓からは、乗客が溢れ出さん
ばかりにはみ出している。そればかりか屋根の上にまで人が溢れている。

これらの多くが無賃乗車であることが鉄道運営社や政府を悩ませているという。これまでとられた
無賃乗車対策には、走行中に屋根に向けてペンキを投げつけるというものがあった。

市民から批判が相次ぎ断念。無賃乗車者が大勢の支持を得たとしたら驚くべきことだが、一説では、
エアコンが壊れ、扇風機も回らない車内が息苦しく、乗車賃を払う人でも好んで屋根に上るとも聞く。

最近、架線に無数の鉄の玉をぶら下げて、屋根に乗った乗客に当てるという対策が始まった。
ペンキが鉄の玉に代わっただけで、手法は一緒である。ならば、これもうまくいかない可能性が高い。

日本には無賃乗車に悩まされた経験、それをどんな方法で解決したか、ノウハウの蓄積はあるのだろうか。
電車のサービス向上、国民所得の向上、といえば聞こえがよいが優等生の答えといわれるかも知れない。
屋根に乗ったほうが車内にいるよりある意味「快適」なサービスの中、「フリーライダー」になろうとする
行動はむしろ合理的だとも説明できる。

インドネシアの挑戦は続くのである。