かねてから新幹線の車内販売のお姉さんの綺麗さはその新幹線のグレードに比例すると主張しているわたくしですが、ただいま宇都宮をスルーするような速い新幹線に乗っております。一番早いやつ。確かにきれい。医大生•たきいです。
小学生の頃、我が親父が神妙そうにこう言った。
「蕎麦屋のカレーはうまい」
蕎麦屋とは、一般的に蕎麦を提供するところだ。うどんも付随して来がちだが、一流の蕎麦屋だったらそれも邪道かもしれない。蕎麦屋は蕎麦なのである。ところがどっこい、あえてのカレーというわけだ。王道を頼まないところに通を感じる。なんだかかっこいい。
子供のときはあまり蕎麦が好きではなかった。勝手な推測だが、蕎麦がうまいと思い始めるのは酒がうまいと思い始めてからではないか。こどもはどちらかというとうどん派が多い気がする。もう自分は残念ながら子供には見えない容貌に変わってしまったので今ではむしろそばの方が好きなくらいなのだが。だから蕎麦屋に連れて行かれてもそこまで嬉しくないというのが小学生のわたくしであった。
父親がそんなことをいうものだから、蕎麦屋のカレーを食べたいと思った。そもそもそばにそこまで興味がなかったのだから当然である。出汁がきいてうまいとかいう。出汁なんていう高尚な概念を自分も分かる日がきたのかとワクワクしたものだ。
ところが、連れて行かれたお店には蕎麦のメニューはなかった。がっかり。楽しみにしていたのに。幻のものとして、あの日から蕎麦屋のカレーは神格化されたのである。
10数年後。蕎麦嫌いは克服していて好物の一つに変わった。思いつきでバイト前に蕎麦屋を見つけて入ってみるかと思った。ちょっと肌寒いし暖かいものでも食べるかと思ったのだが、カレー南蛮そばが目に入った。カレー。あのときのワクワクを思い出した。これだ。遂に出逢ってしまったかもしれない、幻の蕎麦屋のカレーに。迷わず注文した。
しかしである。ライスとともに提供される純粋なカレーではなかったから悪かったのかもしれないが、味とみた目はどうも業務用レトルトカレーのそれである。じっくり煮込んでやや黒みがかったうまそうなルーを想像していたものだから萎え萎えである。安そうな真っ赤っかのそれだったのだ。
蕎麦屋のカレー。これがうまいと噂され始めたのは、蕎麦屋なのにカレーを頼んでみたら、存外美味かったというのがもしかすると真相なのかもしれない。しかし、神格化されたあのカレーはどこかにあるはずだ。その幻の蕎麦屋カレーを求めて、今日もまた蕎麦屋を探す。
(6年生の先輩に切符の計算させてあー眠いーと言わせてしまった人(笑))
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