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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「ペコロスの母に会いに行く」を見る・読む

2013-12-12 17:46:00 | アート・文化
 認知症の母との悲しくも心温まる漫画ということで注目していたが、娘が「とってもいいよ」と言うのでいっしょに映画を見に行く。
 主演は赤木春恵だが、89歳の高齢主演女優ということでギネス認定された。

 その息子役は長崎出身の岩松了、そのまわりを竹中直人、温水洋一など芸達者な脇役で固めている。
 監督は山田洋次の弟子の「森崎東」。
 期待通り監督は認知症の切なさを笑いで拓いていく。

                    
 いくつかの書店で原作漫画(岡野雄一・西日本新聞社・2012.7)を探したが見つからず、ネットで入手する。
酒乱で幻聴・幻覚の夫の暴力や赤貧の暮らしの深刻さにもかかわらず、「ウチがボケたけん、父ちゃん(十数年前に死亡)が現れたとなら、ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」とつぶやく母。

     
 岡野さんの作画のぬくもりは同時に地獄を達観した温かさが全編を貫いている。

 このような温かさは、暴れる父の悲しさを知ったこと、母の中に生きている父を知ったこと、夫からの苦痛にもかかわらず人生を肯定的に生きている母、みずからも父子家庭となった疵、こうした地獄から優しさが生まれる。

 ちなみに、「ペコロス」とはミニタマネギのことで、岡野さんの愛称ということだ。
 切なくもうららかな人生はこのペコロスのような小宇宙のなかにすべてが詰まっているのかもしれない。
 

 
 
 
 
コメント
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