いろいろ防獣柵を作ってきたけど、とくにシカの食害がひどいのでいよいよ金網でやることにした。さいわい、冬の防寒策で竹をかなり利用していて、大小あわせて百本以上は保有してあった。柵を横でつなぐアイテムとなる。支柱は130cmの長さで先端がとがった鉄棒である。これも買い足して30本近く確保する。シカ対策としてふつうなら2mくらいの高さが必要だ。隣家の耕作放棄地との境界は狭いうえにわが農園とガーデンの外縁には幅2mほどの伐根していない茶木が残してある。したがって、シカは助走出来ないので130cmくらいの長さの支柱は飛び越えにくいと判断したわけだ。
茶の木の隙間からシカやイノシシが浸入するので、いろいろ隙間に障害物を置いてきたがなかなかそんなカモフラージュは一時的なものであるのは確かだった。ここに、軽い金網をセットすれば予定の敷地の半分は防御できることになる。まずはその周辺を草刈り機で雑草を駆除し、はみ出た茶の木を剪定する。これだけで二日はかかってしまった。何事も準備作業に半分の手間がかかるのが農作業だ。
支柱と竹を結束してからいよいよ金網の設置となる。細い金網は外国製のようだった。網がナイロン製だと噛み切られることがあったので金網は安心だが、やや細いのが気になる。そんなことをブツブツ言いながら金網をアルミ伸縮針金で止めていく。これだけで二日間を要した。
金網ひと巻きが20mだったが、あと5mくらいでこの片側の面が終了するはずだった。さっそく、次の金網を注文してひとまず終了とする。金網をセットする時間は多くはないが、茶の木の剪定とその処理にむしろ時間がかかった。これでしばらくシカの出足はやや遠くなりそうな予感がする。最近は隣の集落にシカが出没するようになったことで、防獣柵がどんどん増えていった。今までほとんど食害がなかったような国道に面したリスクの高い集落がターゲットにもなった。拠点だった山側のわが家から豊穣な畑へシカも開拓しはじめたことに、時代の変化を感じないわけにはいかない。