山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

庚申信仰は夜遊びが本音だった

2017-12-31 21:03:13 | 石仏・石造物

 川崎高津区の急坂の途中で発見した「庚申塔」は、六手合掌型のもっとも標準的な石造だった。

 邪鬼を踏みつけている憤怒相の「青面金剛像」は、庚申講の本尊だ。

 持ち物は、左手に輪宝・弓、右手に三叉戟(サンサゲキ)・矢、といういつものパターンだ。

 上部に太陽と月なのだが、雲でわかりにくい。下部には三猿というのも標準パターン。

 

                                      

 病気のもととなる虫封じのために庚申の日に徹夜するという信仰だが、レクレーションの機会が少なかった江戸の庶民にとっては、徹夜して食事や団欒を楽しむチャンスにしたようだ。

 むかし里山の入り口にあっただろう急坂の途中にあるこの石造は、農業の神であったリ、道祖神を兼ねたりしていたに違いない。

 今ではひしめく住宅地となった変わりようを青面金剛明王は、どんな思いで眺めているのだろうか。

 

  2017年がまもなく終演する。世界の憲兵だったアメリカはトランプ大統領の登場でますますの威信の低下。対米従属の日本は相変わらずだが希望への道筋を探しあぐねている。オイラも心身とも老化がはなはなしくなってきたうえに、次兄も天国からついに呼び出された。

 疲弊した地域や人間を改革してきた二宮尊徳の報徳思想は生きる希望を具現化し、その後の事業家や庶民の生きる方向を指し示した。そしていま、それに続く理念はどんなものがあるのだろうか。とりあえずオイラは土の生成力に学びながら歩むことにする。

 

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生き物の自動車エンブレム

2017-12-30 19:33:51 | 自動車・エンブレム

 年末のやや高級感のある街をプラプラ歩いてみる。 すると、お目当ての自動車エンブレムに出会えた。

 初めて発見したアメリカの「ダッジ」(DODGE)だった。

 1914年ダッチブラザーズが創立したが、1928年クライスラーに買収されるがエンブレムは残る。

 ボディがアメリカらしく逞しくいかつい。

 

                        

 フランスの「プジョー」(PEUGEOT)もプジョー兄弟が1847年設立した鋼材屋による。

 ライオンマークは、ライオンの歯のように刃が切れ味よく、体躯が刃のしなやかさ、走力が切断速度など、のこぎり由来の伝統を引き継いでいる。

 

                                           

 トヨタの高級車「ハリアー」にも時々出会う。名前の由来は、タカ科の「チュウヒ」(宙飛)の英名「HARRIER」からだというが、鷹のチュウヒを見たことがあるだろうか。 

 12000歩ほどを歩いたがこうした探し物をしながらだったので意外に疲れを感じないのがよいよい。 

 

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「五色の雲」に迎えられる

2017-12-29 20:03:41 | 風景

  昨日、紺碧の空の下、国道を車で気持ちよく走っていたところ、突然、「五色の雲」=「彩雲・瑞雲」に迎えられた。

  もう少しやることが残っているのに、まさかこのまま天国に招待されるというのだろうか。

 

    

 小さな雲全体が彩雲・瑞雲の見事な五色カラーになったのに、車を走らせていたのでシャッターを押すチャンスを逃してしまった。

 角度によって色が鮮明に見える場所があるのだ。

 この彩雲に出会うといいことの(吉兆)前兆だと古来から言われている。

 

                   (千日堂webから)

  仏教では「瑞相」と言って、仏が説法する直前に起きる前触れとか、めでたい出来事の前兆とか言われている。

 娘らと久しぶりに出会えたのが「めでたい」できごとだったのかもしれない。

 瑞雲の仏教美術の来迎図や寺院の壁や柱で見られる彩雲のデザインはときどき見ることがあるが、本物の彩雲を見る機会はなかなか少ない。

 上を向いて歩こう。きっと、いいことがある。

 

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敵を作る文明ではなく和をなす文明へ

2017-12-28 00:45:36 | 読書

 現静岡県知事・川勝平太『資本主義は海洋アジアから』(日本経済新聞出版社、2012.4)を一気に読み終える。

 辺境の島国に位置する東西の日本とイギリスが世界を席巻していった過程と相違をわかりやすく解説してくれているのがいい。大英帝国イギリスの繁栄は産業革命をステップに富国強兵による世界進出だった。

 

                     

 それに比べ日本は、鉄炮を頂点とする世界トップクラスの軍事力を持ちながら軍縮を決断した江戸の平和路線が対照的だという。明治以降の日本はイギリスと同じ富国強兵による西洋化に邁進して多大な犠牲のうえに敗戦を迎える。

  両国とも小さな島国でありながらも世界に冠たる影響力を与えるに至った。

 

          

 川勝氏は古代文明の基盤は「陸」からだったが、近代文明は「海」からだと切り込む。近世の「大航海時代」を契機に、世界史はオランダ・ポルトガル・スペイン・イギリスの経済力・軍事力は世界の中軸となった。

 

 

 イスラム文明に後れを取っていたヨーロッパは十字軍に象徴される「脱亜」によってイスラム支配の地中海を奪還し、ヨーロッパとしてのアイデンティティを獲得したとする。

 

           

 続けて、1985年の「プラザ合意」は、日本の経済が世界を凌駕するほどの力を発揮した象徴とし、その波及はアジアの経済発展に移行していったという。

 「NIEs → ASEAN → 中国 」と連鎖・発展していったように、大陸アジアから「海洋アジア」の流れがこれからの世界を牽引していくと指摘する。

 

           

 そのなかで、東西文明の両者を受容し消化してきた日本の使命は、敵を作る文明ではなく和をなす文明を発信するべき立ち位置にあるのだと強調する。 

 日本と海洋との関係の叙述は踏み込みが不足しているが、「海洋」という視点から世界史的な文明比較をしながら展開していく川勝氏のテンポは小気味いい。つまらない些事や政界のいじめに翻弄されていて、川勝氏本来の意図が静岡県に反映されているようには見えないが、どうだろうか。         

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将軍様が初めてやってきた!?

2017-12-27 14:25:13 | 風景

 朝起きて雨戸を開けたら真っ白な風景が飛び込んできた。今年初めての冬将軍だった。

 日本海側・北海道の豪雪・吹雪は半端ではないが、静岡の予報では最初雪マークはなかったのに。そういえば、昨日の夕方はみぞれがちらほら降っていたっけ。

 

               

 冬将軍が来ることで本格的な冬の覚悟を命じられる。

 場所によって将軍様は過酷な災害を強いることもある。自然への畏敬を大切にし都市化が万能であることを過信しなければ、うららかな春を用意してくれる。

 

 夕方、春野山の村で実施する「山の楽市」の第1回目の打合せを12人で行う。昨年は頓挫してしまったイベントだが、今回は実行委員体制を明確にした取り組みとなった。心配していたところだったのでやっと本格的な始動にホッとする。

 ジビエ施設を設置してまもないのでそれを目玉にした取り組みが期待される。実施日は4月1日(日)に決まる。内側にこもりがちだった事業がやっと地域に開花する。従来より若い顔ぶれが加わっているのが決め手だ。

 萎えそうな中山間地を静かに揺るがすという、このこめられた思いをしっかり受け止めてくれる輪を広げていきたいものだ。将軍様の残した厳しい足跡は新たな春の蠢動を用意してくれそうだ。

        

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脱炭素革命に遅れるなよ!

2017-12-26 19:29:06 | 意見・所感

 パリ協定実施のための「COP23」の裏側で世界の大企業の幹部が集まって脱炭素の商談をしていたことは知られていない。(COP23とは、「気候変動枠組み条約第23回締約国会議」の略,今年11月にドイツで開催。2015年パリで開催されたCOP21で採択されたのがパリ協定。)

 石油王のロックフェラー財団もすでに6兆円弱を投資していた化石燃料から撤退を表明し再生エネルギーへシフトすることを表明していた。

 日馬富士の暴行事件には詳細な情報を連日しつこく報道しているのに、今後の日本のエネルギーの行末を決定づける再生エネルギーの展開と動向にはマスコミの大半が目をつぶっている。

              

 トランプ大統領はパリ協定から撤退したが、アメリカのマイクロソフト・コカコーラ・ウォルマートなどの巨大企業が参加している。日本からはリコー・イオン・戸田建設・富士通・積水大和ハウスなどの中堅企業12社が参加しているだけで大手の大企業は参加していない。

 

        

 環境対策では世界の先進にいる日本なのに、原発の再稼働や石炭の火力発電には前向きだが再生エネルギーには消極的だ。地熱発電や洋上風力発電ではトップを占めている日本だが投資がなかなか行われない。むしろ外国からは前向きな反応があるのに臍をかむ。

 

     

 日本の電力会社は既得権益ばかり執着して阻害する側になるばかりか、高額な「再エネ発電促進賦課金」だけはしっかり徴収している。

 外国の投資家からは、「日本は高度な技術力があるのに<変わる勇気>がない。このままでは世界から取り残される」と危惧されている。アメリカの流通大手のDHLは、電気自動車のトラックを自家生産しなけりゃ間に合わないと外注ではなく自社生産に踏み切った。

 

         

 中部電力は、有名俳優を動員して連日CMに力を入れ、さりげなく原発の安全性をもPRする。原発推進には世論誘導に予算を投入するのが鉄則だからでもある。

 それに比べ世界の投資家や金融機関は脱化石燃料にシフトし始め、ガソリン車撤廃・エコ文明を表明した中国へ熱い視線を向けている。太陽光発電の生産も中国がトップとなった。

 自然との共生を大切にしてきた日本にとって世界や地球への貢献は必然であるはずだ。「新しい産業革命」と言われるこの分野にもかかわらず、目先の利益や権益に汲々としている日本の官民のほころびはすでに次々事件化してきている。

 先進諸国では日本だけが取り残された。ビジネスチャンスはもう失ってしまったのか。政府の「人づくり革命」もなんと底の浅いものか、やはり、松下村塾から出直さなけりゃならないのだろうか。

 

 

   

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白菜をススキで防寒する

2017-12-25 18:23:57 | 農作業・野菜

 先日白菜を収穫してみたら結構、霜でやられていることがわかった。

 さっそく草刈機を出してススキを刈ることにしたが切れ味がよくないので刃を取り換えることにする。ついでに、忘れがちなグリースを注入したり油をさしたり、メンテナンスを行う。

 

 切れ味のよくなった草刈機でススキをバンバン切って、たっぷりススキを漉き込んだのでこれなら霜被害はないだろうとはいうものの、ビニールではなく防虫網のままなので一抹の不安はある。

 ビニールで被覆すると烈風のときの被害がすごいのでススキや竹のマルチのほうを選んでしまう。なにしろ、鉄のトンネル支柱が曲がったり折れたりするくらいの烈風は半端じゃないからだ。

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江戸深川の漁師町はマンション群となったが

2017-12-24 22:22:51 | 風景

 海岸と川に囲まれた江戸深川猿江の漁師町の今は、マンション群と大通りに分断されてしまっている。そんななかに、東京ドーム3個分の都立公園がしっかり残っていた。

 

      

 秋の深まりは少し歩けば都会の日常ではありえなくなったが、そこは枯葉を踏む快感と音感を体験できる場となった。

 都会では枯葉は近隣のトラブルの原因ともなってしまい、したがって枯葉が散らばることを恐れて貴重な広葉樹を伐採せざるを得ない都会になってしまった。「寛容」を削除してしまった近隣関係は、ここだけは安心できる空間を確保できる。

 

                 

 都会は資本と文化の集中に心を奪われてしまっているが、下町情緒の残っていたここ一帯は工業地帯にもなっていたため東京大空襲の目標にもなり、終戦直後は死体の山がこの公園を満杯にしたようだ。戦後はその事実さえも落葉と共に風化してしまっているように思えてならない。

 

     

 江戸時代は筑波山が見えたというが、今ではスカイツリーがひょいと現れたり目の前に突然大きな石組が行く手を遮る。そんな非日常性が新たな次をステップする飛躍台になる可能性がある。

                 

           

 公園のあちこちに絵本のパネルが置いてあった。全部をまわる時間がなくて残念だったが、まだ未発表の絵本作家の物語だそうだ。

 まだ有名でない作家を応援するそんな配慮がうれしい。猿江恩賜公園を担う歴史に小さいながらホッとできる空間づくりがあることが希望である。

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貯木場だった池は渡り鳥のオアシス

2017-12-23 15:36:56 | 生き物

 穏やかな陽だまりが心を安定させる。先週たまたま降りた駅の近くに都立猿江恩賜公園があった。公園が道路で南北に分断されているのが残念だが中央の池は渡来する冬鳥の絶好のオアシスだった。

 

               

           

 遠くから見ると石が並んでいるように見えたものが陽だまりを共有するオナガカモであるのが今ならでの風物詩でもある。

 冬鳥の90%近くが「オナガカモ」だった。オスの尾羽がピンと長いのが特徴だ。

 

 

  

 くちばしと足が赤い飴色の「ユリカモメ」が数羽混じっていた。

 そういえば、新橋から豊洲の臨海部をはしる無人自動運転の車両がユリカモメ線だ。モノレールのような快適な臨海空間を満喫できる人気の路線だ。

 

          

 公園は広くて一周する時間がなかったが、ここの場所の元は江戸幕府の貯木場でそれが皇室の管轄になり、その後昭和天皇の成婚記念で東京市に下賜され、昭和7年(1932)開園されていく。

 園内には巨大な石組が配置され勇壮な作庭家の心意気が感じられるが、それを生かす鑑賞法が求められる。

 

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もぐもぐ冬のモグラ塚

2017-12-22 21:11:11 | 風景

 畑のあちこちに「モグラ塚」が目につく。

 へたすると、30近くの塊ができている。やはり冬は寒いのでいつもより深く掘るようである。冬でも勤勉に生きるモグさんたちだ。

 胃の中に12時間以上食物がないとモグラは餓死すると言われているから、かなりの大食漢だ。一匹で300mほどのトンネルを掘るというから、畑はトウキョウ並みの地下トンネルが建設されているといえよう。

 つまりそれだけミミズが捧げられているわけで、ミミズは文句も言わずなんとも素晴らしい。大関松三郎の詩「虫けら」を畑で石碑の建立をしたいくらいだ。

 

 

            

 ここ数日は突風は収まり穏やかな日々が心を温める。立ち寄った道の駅の川はいつもよりかなり水量がなく流れるどころか水たまり状態に見える。

 畑の野菜もからから天気に絶え絶えだ。へたに水をやると凍ってしまう。外水道は凍っていて使えない日が続いている。

 わが民家の風呂場は換気が効きすぎるので、車で福祉センターの風呂に入りに行く。利用者がいつも少ないので赤字を心配しながら湯船につかる。その近辺のどこを見ても活気がない。

 人間の活力を劣化させていくシステムが都会も地方も吹きすさんでいる。

 オイラも体のあちこちの劣化がはなはだしいので、つい気合いを入れて動き出すことになる。「よいしょッと」ね。あしたも「よいしょ」の掛け声とともに生きることにする。

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