山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

南方熊楠を見直す!

2011-07-12 20:00:28 | 歴史・文化財
 前々から気になっていた明治の怪人文士、南方熊楠(ミナカタクマグス)の伝記を読み終えた。 当時の粘菌研究では世界ではトップレベルだが、国内ではあまり注目されず、むしろ世俗的なしがらみに振り回された波乱万丈の一生でもあった。
 著者の神坂(コウサカ)次郎は、読み難い熊楠の手記や足跡を訪ね、丹念に事実を積み上げていき彼の活力にせまっていった。
 水木しげるはマンガをとおして熊楠の庶民的な人間性に肉薄している。

 熊楠は、神社合祀に反対し、その神社林を保護する運動の先頭に立った。今日で言えば、自然保護運動の魁だ。
 粘菌をとおして世界のあり方を見抜いた環境哲学の開拓者だった。
 孫文との交流・友情はその一端だ。
 博物的な知識の広さといい、十数カ国語を駆使するスケールといい、学者然としないピュアな反骨精神といい、どれもがドラマチックだ。
NHKに勇気があれば大河ドラマの主人公になるべき人物だ。連ドラで岡本太郎をとりあげるくらいなら、熊楠はもっとドラマチックだ。

 原発を契機とした今日の日本が、あらためて新しいライフスタイルを構築すべきときに、熊楠の生き方は現代に新鮮に飛翔していると思う。
 
 
コメント
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