ボクは小学生の頃、なぜか薬師丸ひろ子さんがとてつもなく好きだった。往年の映画はほとんど観に行ったし、鶴見辰吾にも松田優作にも真田広之にも嫉妬したものだ。本気で目高組に入って組長の役に立ちたいとも思っていた。そういやラジオ音源の歌をカセットに入れて擦り切れるほど聞いた。「さよならは別れの言葉じゃなくて…」「あんなに激しい潮騒が…」ああ心がキュンとなる。今考えるとなぜあんなに好きだったのか思い出せない。そしていつからそうでもなくなったのかも思い出せない。しかし生涯ボクが映画を趣味として観るようになった礎のひとつは間違いなく薬師丸映画だ。
そんな彼女ももう45歳らしい。たまにTVドラマなどで見る彼女は目の下のクマが目立ち歳相応というよりかは少しオーバー気味に見えちょっと切ない感じ。彼女がボクの目に魅力的に映っていたのは『きらきらひかる』ぐらいまで・・・か。年代的にも例の元ダンナさまの件でご苦労されたのだろうか。
で、本作はまだ一般試写前の来年1月公開なのだがたまたま先に観賞する機会をいただいた。過去の思い出に浸るボクとしては今の彼女と対面することにはあまり乗り気ではなかったし、コメディタッチの映画のようだったのでそのへんもイタいかもと心配もした。しかし観始めてみると、ああなんとこの人は魅力的な人かとちょっと驚いた。自分が歳をとって趣味趣向が変わったというのもあるだろう。年上のヨメと結婚したというのも大きいかもしれない。しかしこの映画の彼女は本当にかわいい、他の形容詞は思いつかないほどだ。役柄設定もたぶん同じと思われるその"45歳"が出せるまさにその瞬間の魅力があった。元有名写真家のダメ夫に、愛想を尽かさず明るく愛情を注ぎ続ける様がとても愛らしいのだ。あそうか、たぶんこれ男目線の映画かもしれない。釣った魚にエサをやんないのに自分へは愛情を注いで欲しい、そんな男の身勝手な願望を見事に映像化している。だからといって女性ウケしない映画では決してない。人それぞれの恋人関係、夫婦関係で見え方は大きく変わってくると思うが、宣伝コピーにある「女性は共感、男性は反省」、これがこの映画の全てを物語っていると思われ。そして行定監督も彼女のこと好きなのだなぁというのがよく伝わってくる。
相手役のトヨエツさんも歳を経てきてとてもいい味。今回はアタマも金髪にして嫁を省みないクリエーター系ダメ夫を楽しそうに演じてまっせ。彼の演技あっての薬師丸さんのかわゆさありです。濱田岳くんも最近は役の立ち位置が決まってきてハマりっす。スゴくいい。
厳戒令がしかれているのでストーリーについては触れない。コメディタッチでさらりと描く夫婦愛の映画。でもちょっと大きめのヒネリあり。重大な事実が判明してからの終盤がエピソード盛り込み過ぎで冗長だなぁと思うところはあるが、とにかく「自分の大切な人が近くにいてくれる事の幸せ」を感じさせてくれる。もとは舞台劇らしいし最近の邦画が得意とするところ。胸がジンワリ、目頭もジンワリ。
なんだか誉め過ぎだけど、少年期の甘酸っぱい記憶の上に新たな魅力を上乗せしてくれた映画。30年ぶりに薬師丸ふぁん再燃w
評価:★★★★☆
オカマの石橋蓮司さん、最高w
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