明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【プロメテウス(2012)】

2012年08月23日 | 映画


【ネタバレあり】

予告で「人類の起源」と煽りまくられた結果『2001年宇宙の旅』レベルのものを期待しながら鑑賞。結果、猛烈な「オモテタノトチガウ」「コレジャナイ」感とともに帰宅の途につく。そもそも某映画のビギンズものであることを隠す必要もないし、おバカなクルーがフェイスハガー(隠してないしw)の劣化版にやられた時点で、鑑賞前からすでに今年一番の座を準備して挑んだことに激しく赤面。本当にこれがリドリー・スコットの作りたかったものなのか。。。


さて、まずは率直な思いの丈をつぶやいてみましたが、それでも近年の凡作リメイクや凡作ビギンズに比べれば相当面白かったと思われます。映像美や造形美にはさすがはリドリー・スコットと目を見張るものがありますし、某映画へのオマージュ(ってか同じ監督だしな)も見ているだけで嬉しくなっちゃうこと請け合い。さらに大好きなセロン様の美しさのご相伴に預かれたのはそれだけで足を運んだかいがあったと言うものです。

「“あの方"とは?」「なぜデヴィッドはあのような行動をしたのか?」など、随所に散りばめられ残された謎も多く、鑑賞後に脳内補完して遊ぶにも十分です。スターウォーズで言えばまだエピソードIらしく続編は作られるようですので、このへんの謎は次回に期待するとして、一点だけ面白く脳内補完した謎について書いておきます。

多くの方が驚ろかれたように、本作の最大の謎である「人類の起源」については、開始冒頭5分でほぼネタバレしてしまいます。その後どうもお話としては「何故エンジニアは人類を滅ぼそうとしたのか」にスイッチし、最終的には某映画(一作目)エピローグのリプリーよろしく「私はエリザベス。。。プロメテウス号最後の。。」と彼女はその謎を探りに新たな旅に出るという作りとなっています。

この「エンジニアが人類を滅ぼす理由」については大きく分けて2つ考えられると思います。壁画を見る限りはエンジニアが人類を作ってから何千年もの間は人類に知恵を授け、我々の来た星はココさと伝えたりするなど非常に友好的に描かれているのがわかります。これが何かを機に「人類イラナイ」に変わるのですが、考えられる一つは「(1)もう用無しである(飽きた、も含む)」そしてもう一つは「(2)人類は危険種である」といったところです。そこに作品中一つおもしろいポイントがありました。首チョンパになっていたエンジニアの年代を調べた時に「死後2000年程度」と言っています。本作の舞台は2093年なので、2000年程度前に何が起こったかと考えると、そうイエスの誕生です。そこから(1)(2)の理由を鑑みると。。

【理由(1) 人類は用無しになった】
人類を作ったのは、エンジニアのコピーである人類が神へと成長する(イエスの誕生)過程を観察するため。神が誕生した時点でその目標は達成した。エンジニア達も自らの起源を探るための一つのシミュレーションを行なっていた。

【理由(2) 人類は危険種である】
人類は神となったイエスを処刑した。神というすばらしいプレゼントをぶっ殺してしまう人類は大変危険であり、このまま成長させても無駄という判断。
この場合イエスは理由(1)のように自然発生したものでもよいし、エンジニアが与えたもの、もしくは地球に時々来ていたエンジニア自身であったということでも良いかもしれません。最後の説が「どうしてそんなに私達を憎むの!?」というエリザベスの叫びにはシックリくる気もします。

まああんな危険な生物兵器を使わないと滅ぼせないような人類でもないでしょ、とも思わんでもないし、残念ながら宗教的意味を深読みできるような知見もないのが残念ですが、本作ではエリザベスが結構敬虔そうなクリスチャンであることが描かれていたり、進化論を覆す系の発言もあり、人類とは!?というか神とは!?というところがそのへんとイロイロ合わせ技にして進んでいくことは間違いないでしょう。このへんが次回以降どのように展開/解明されていくのかが非常に楽しみになってきました。


さて私的には美しきセロン様を堪能できたことが一番の収穫なのですが、実は彼女はウェイランドの娘の記憶を植え付けられたアンドロイドで次回作にも出演してくれたりすることを期待してます。あのパーフェクトボディーは造りもんでしょw。ボクも10分後にお部屋に行きますっ!



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4 コメント

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Unknown (k)
2012-09-08 14:43:43
そして、惑星についたのはクリスマスだったということ。キリストの誕生と死が関係してるのは間違いないでしょう。
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Re: Unknown (takakuss)
2012-09-08 22:39:27
kさん、コメントありがとうございます。

クリスマスでしたか。気づきませんでした。やっぱ間違いなさそうですね。ただそっち方面に話が進んでいったときに、無宗教で無知識な日本人(σ(´∀`*)アタシ)が置いてけぼりなストーリーになっていかないといいなぁと思っています。
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Unknown (momorex)
2012-09-13 08:19:20
おはようございます。
私も先日、観に行って来ました。

観終った後、「この巨人。何度もやっているな」と感じました。
実験とか何とかよりも、作っては壊す。作っては壊す。
takakussさんが(1)(2)で書いておられる理由を読ませて頂き、一人納得しておりました。

映画館で臨場感あふれる映像と音に囲まれていると、どうも私の場合、細かいところを見落としがちになるようです。脳内補完病もひどくなりがちで...。
次はじっくり部屋で観て、もう一度よく観察したいと思わせる作品でした。
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Re: Unknown (takakuss)
2012-09-13 19:30:06
momorexさん、コメントありがとうございます。

そうそう、奴ら(エンジニア)って、いかにも何度もやってるな感があるんですよね。作っては壊す。
それは
「オレのステキな遺伝子ばらまきてぇ」かもしれないし
「作れるんだから作ってみた」かもしれない。
そこに意味があるのかどうかはわからないです。で、自分の作ったもの、いらなくなったら捨てますよね。それだけのことなのでしょう。
今後どういうふうに展開していくのか楽しみです。

ボクも映画館では細かいところはあんま観てませんよ~。特にこういう映画は3DとかIMAXとかで見ちゃいますからよけい。
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