明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【2012】 ディザスター・エンターテイメント!

2009年11月21日 | 映画
【そこそこネタバレ注意】

エメリッヒのお祭り映画、さっそく初日に観てきました。
エメリッヒといえばボクは『スターゲート』が好きなのだが、世間では『インディペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』と大災害(ディザスター)映画監督として有名。


え、ストーリーが薄い?親子愛?人類愛?神の救い?そんなヤボなものエメリッヒ御大に求めちゃいけねぇよ。これ以上のディザスタームービー誰が撮れるっていうんですかっ!この映画これで完璧よ!!一気に2時間30分見ちまったい。

ボク2012年ってアセンションが来るのだと思っていました。そうそうフォトンベルトの通過とかなんとかで皆の意識レベルが上がって三次元からより高次元の存在へと人類が進化するってアレ。でもエメリッヒにとってはただのディザスター映画のネタでしかないw。とにかく今回はできることみんな詰め込んでみましたよ~って感じ。

始まって冒頭、大災害へのいい加減な理屈づけに笑う。マヤの予言と惑星直列、太陽フレアによるニュートリノ大量拡散、地質の液状化に大陸移動説。ああなんか『ザ・コア』を観た時みたいなワクワク感w。ちゃんとした科学考証なんてさらさらする気もないらしいw そのへんのいい加減さは前作『紀元前一万年』ママだ。

で、そんな前置きもそこそこに今回は早々と大災害発生。サンフランシスコは数分で全滅。主人公たちは逃げる逃げる。リムジン → セスナ → キャンピングカー → 貨物旅客機 …… と様々な乗り物で襲い掛かる自然の猛威から大脱出。そのご都合主義と紙一重ぶりに相当笑える。まあ『ダイ・ハード』を見ているようなつもりで見ればよい。一番のご都合主義は中国についたとき。これはぜひその目で確かめて欲しい。その理由にお口あんぐりだw

そこここに添え物として挿入される人間ドラマにも注目。美しい親子愛。友情。人類愛。でもその裏に隠された真意は何か?主人公も含め結局みんな家族だけが大事、政治家も金持ちも自分だけが大事でエゴ丸出しだ。大統領偉い?だってアレ結局職務放棄でしょ。それに残り15分でそんな演説打ってんじゃないよ。君達既に3年も前から全人類への罪を犯してるんだから、その覚悟を背負い通して何をしても絶対に生き残れよ。そんなセンチメンタリズムという名のエゴに酔うな。そんなことしてもどうせ助かるのG8のエリートと金持ちだけだし。え、あの人死んじゃうの?あの人生き残るんだ。。。結局自然の猛威の前にはいい人だろうが悪い人だろうが関係ない。金のあるもの、才能のあるもの、そして運のあるものが残るのだ。これぞすばらしきメッセージ。非情だw

さらに注目すべきは「弱いアメリカ」を宣言したこと。異変の発見はインド人。金持ち代表として出てくるのはアラブの富豪と元ボクサーのロシア人実業家。アレのチケットは10億"ユーロ"。で大統領は職務放棄しホワイトハウスはアメリカの力の象徴である空母ジョン・F・ケネディとともに波に飲まれる。世界の秩序アメリカ様の出る幕はもうないのですよ。そして最後はアレが中国製ってんだから超笑った。そうだよ秘密裏にあんなもんを膨大な人海戦術で短期間で作れるのなんて絶対中国しかないw。願わくば日本の出番がほとんどなかったのでニュートリノの検出はスーパーカミオカンデの手柄にして欲しかった。

まさに本作はディザスタームービーを撮り続けた監督だけがたどり着ける極致、今までの集大成。すばらしき人間賛歌なぞはそこにはない。徹頭徹尾 "自然の脅威を誰もが見たことがない娯楽映像に仕立て上げる事" に一切のブレはない。ぜひこれを"ディザスター・エンターテイメント"と呼ぼぶこととしよう。批評とか分析とか野暮なことはせずあたま空っぽで見るべし!しかも必ず劇場で。必ず1800円の価値あり。(ボクはポイント溜まってたのででタダでみました(^_^;;)


評価:★★★★★


ソニー・ピクチャーズなだけにそこここでVAIOノートが目立ちすぎw


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

↑ブログランキング参加中です。
このブログがお気に召していただけましたらポチッとご協力お願いします。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿