明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー (2011)】

2011年05月08日 | 映画




引っ越しに伴いライダー仲間のオッサンが近くにいなくなってしまったため、観に行くのを躊躇していたのだが、ほどなく別のオッサンをつかまえることができたので終幕間際にてやっと観賞できた。


まず最初に言っておこう。ライダーファンならこれは観ておくべき作品だ。


確かに「おいおいまた『電王』担ぎかよ」と思うかもしれない。「『ディケイド』以降、ライダー勢揃いのお祭りも見飽きたよ」と思ってるかもしれない。『レッツゴー仮面ライダー』というそら寒いネーミングセンスも劇場への二の足を踏ませてしまう要因かもしれない。


そんなあなたにぜひ伝えたい。

「ライダーファンならこれは絶対に観ておくべき作品だ。」

大事なことなので二度言いました。


以前『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』でも書いたが、平成ライダーは大人の観賞にも耐えうる必要があるためにそれなりに複雑なプロットを盛り込まざるを得ない。それが悪は悪、正義は正義という純粋なヒーローものとしての体裁を崩してしまう事に少なからずの批判があることは確かである。それを10年かけてもう一度「ストレートな正義」へとリノベーションさせたものが昨年の『仮面ライダーW(ダブル)』であった。この作品で平成ライダーは新しいステージへと進んだという確かな手応えを得た人は多いと思う。(ディケイドではないのが残念w)

そして今回は仮面ライダー40周年記念作品なのである。そのリノベーションの波は平成ライダーに留まらず、昭和も含めた『仮面ライダー』という日本の誇る文化的遺産全体に及び、さらにそれを新しい高みへと登らせる足がかりとして必要十分な内容の作品を生み出した。



今回は過去のお祭り作品の時のように昭和ライダーが単なるオマケ扱いではない。主役は1号、2号と言っても過言ではなく、仮面ライダーというものの根幹に関わる話となっている。

ショッカーの怪人として生まれた仮面ライダー1号2号がそのまま悪として生きる世界と、ショッカーを裏切り正義の味方として闘う姿が別々の世界線の中で描かれる。現代における日本の平和と荒廃を仮面ライダーというヒーローが生まれるか否かを分岐点にその延長線上に置き、デンライナーによる時間操作と絡めることで上手にタイムパラドックスストーリーを紡ぎあげていく。結果、時間軸の歪み(アンクのせいw)の修正に失敗し、ヒーロー達は絶体絶命のピンチに陥ってしまうのだが、その突破口となるのは「仮面ライダーは正義の味方だから」という少年の想いなのである。うーん、いいぞ、ささきいさお、熱い、熱いぞ!

ピンチを脱したあとは完全にお祭り映画と化す。次から次へとライダー達が現れ、それぞれに見得を切りながらオレもオレもだとてんこ盛りで闘う。なんとキカイダーやズバットまで現れ日本のヒーローここにありと石森キャラが勢揃い。そんな中、オーズである映司くんはあいかわらずその横で皆さんに頭を下げたりしているw。40年間で育んできた仮面ライダーの多彩さを魅せられ、誇らしくもあり嬉しくもある。

また『W』のみ特別に多めのシーンがあったのもファンとして相当嬉しい。あのコンビがひさびさに「サイクロンジョーカー」を披露してくれたのには感涙ものだ。

合わせて敵側の幹部や総統達も勢揃いでこれまた楽しい。ボクが子供の頃にトラウマ的に怖かったジェネラルシャドウが敵方のメインに据えられているのもなかなかのサービス。

しかも今回は1号&2号&Vスりゃー(宮内洋 風に)のみでなく、敵側も可能な限りオリジナルキャストにてアテレコされており、記念映画として堂々の風格である。エンドロールのキャストを眺めているだけでひと盛り上がりできる。


まあ話の辻褄合わせが大味なのは特に気にならないでしょう。ここまで作りこんでサービスモリモリであれば、誰もが楽しめどの年代であっても興奮できる。親と子供どちらにも正義のバトンは引き継がれていくこと間違いなしである。


経済恐慌やら天変地異やら不安で心の軸を失っている私たちに、この映画は確実に元気を与えてくれるに違いない。ぜひ東北の子供たちにも見せてあげたいと思う。


「そうだ僕たちには仮面ライダーがいる」


本作は改めてそんな純真な気持ちにさせてくれる映画だ。

40周年おめでとう。そして東映さんありがとう。ボクはまだまだついてきますよ!!


P.S.
石丸謙二郎さん、美味しすぎですよww


■『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』予告編(Youtube)

評価:★★★★★


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