樹庵のお気楽ナビ

チビデビル ルックと
天使キャラ セントの日記です。

「わすれられないおくりもの」

2008年08月10日 | 絵本

<ちょっとあらすじ>

みんなが大好きだった、年取ったアナグマ。
かしこくて、困っている友達はきっと助けてあげるアナグマ。
秋が終わる頃、彼が死んだ。
森の仲間達は冬のあいだ悲しみにくれるばかり。
やがて春になり、集まった仲間達は、アナグマの思い出話をするうちに、
彼がみんなに残したたくさんのおくりものに気がつく。

一昨日の夕刊にこの本の記事が載っていて、それを読んですぐにAmazonで注文。
昨日届き、夜読みました。
そして今朝、不思議な夢を見ました。
場所は行ったこともない金沢医大病院、
母がベッドから転がり落ちておなかが痛いと泣いていました…。

21世紀になって、いくつもの身近な死を見てきました。
2000年7月の母の突然の死、2004年10月のテオちゃんのガンによる死、
2004年12月のクリ君のガン死、そして2008年4月のイヴちゃんの、
今思えばガンだったかもしれない死…。

金沢医大病院は、このあいだ読んだ、多田富雄先生が倒れて入院した病院です。
母はくも膜下出血だったので、
おなかが痛くて泣いていたのはたぶんイヴちゃんだったのでしょう。

「長いトンネルのむこうに行くよ さようなら アナグマより」
という手紙を書いたあとアナグマが見た夢が、私には心に残りました。

おどろいたことにアナグマは走っているのです。
目の前には、どこまでもつづく長いトンネル。
足はしっかりと力強く、もう、つえもいりません。
からだはすばやく動くし、トンネルを行けば行くほどどんどんはやく走れます。
とうとう、ふっと地面から、うきあがったような気がしました。
まるで、からだが、なくなってしまったようなのです。
アナグマは、すっかり自由になったと感じました。

看取った母や犬たちがみんな病気で苦しい最後だった
(母はもしかしたらそうでもないかもしれないですが)ので、
アナグマのようにすっかり自由になれることが死であったならば、
楽になってよかったねと思います。

そしてもうひとつ、印象的だったのは最後のページです。
草原に立って「ありがとう、アナグマさん。」
というモグラの上に広がる空にはピンクの雲が流れています。

母が息を引き取ったのは早朝でした。
朝日が南アルプスから昇って少しした頃、弟の運転するクルマに、
前席に父、後席に母を抱いた私が乗って無言のまま病院を出ました。
誰も何もしゃべらなかった。
私は小柄な母を抱いて外を見ました。
その時の空の雲が忘れられない美しいピンクだったのです。
母は生前、自分の戒名に芳雲という文字を入れて欲しいと
お願いしていたことを後で知りました。
あの時の雲は確かに芳雲でした。

そんなことを考えているうちに、また河合先生の言葉を思い出しました。
このブログでも、カテゴリー本と雑誌の「こころの声を聴く」に書きました。

コップが存在するのではなくて、存在がコップしている。
存在が河合やっている。存在が村上やっているというと非常に近寄るものがある

ああ、そうだねと思いました。

存在が母をやっていた。存在がテオ、クリス、イヴをやっていた。
そしてみんな、また存在に戻っていったんだと。
だけど、戻っていったのは存在なんですよね。

実はこれが今日の大発見!!(…遅過ぎかなぁ、また)
存在なんです。無ではない。存在なんですよね。
だから、存在、あるってことなんですよね。

モグラは、なんだか、そばでアナグマが、聞いていてくれるような気がしました。
そうですね…きっとアナグマに…聞こえたにちがいありませんよね。

なんか今日は朝から嬉しいぞ!!
みんなに見守られている気がするぞ!!

…………

ルック君より一言
今朝も昨日の女の子(はなちゃん)に会ったよ。
はなちゃんは僕の前でリラックスしてのびのびしてくれた。
はなちゃんのお父さんも撫でてくれたよ。
いい子でしょ。

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