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加齢に伴う移動能力(歩行能力)の年齢変化 

2009-11-16 00:41:59 | 身体の動き・動かし方
        
 高齢者の通常歩行時の歩行速度、歩幅は加齢とともに低下する。歩行速度は加齢とともに低下を示すが、特に60歳ないし65歳から急激に低下する。歩幅も歩行速度と同様な低下傾向がみられる。
一方、最大速度時の変化は、歩行率が加齢とともに直線的に低下傾向を示すのに対して、歩幅は60歳以後に急激な変化を示す。ただこれも他の運動機能と同様に非常に個人差が大きく、運動習慣が大きく関与している。

 高齢者の歩行の特徴として、速度の低下、歩幅および歩行率(時間当たりのステップ数)の低下、体幹の前傾姿勢、左右および前後動揺の増加、各関節の運動範囲の減少、筋活動時間の延長、相対値の増加などを上げることができる。そして歩行時の骨盤の回転が減少し、各関節の動く範囲も減少し、左右の足が同時に着地している時間が長くなるという特徴がある。


加齢に伴う歩行スピードの低下は、大腰筋と大腿部伸筋群の筋量の低下に起因することを意味している。また、歩幅の短縮には筋力(最大伸展トルク)の低下に起因している。このように、60歳以後に急激に起こる歩行速度の低下は、歩幅が小さくなることに起因している。

 一般に屈筋群(ハムストリング)の方が伸筋群(大腿四頭筋)よりも加齢に伴う筋力の低下が遅い。そのために高齢者特有の膝の曲がった立位姿勢がとられることになる。股、膝、足関節の各関節の動きは、一般に加齢によって減少傾向を示し、体幹の左右移動(頭の外側変位)は増加を示す。

 また加齢とともに、動作そのものが遅くなる傾向を示す。始めの一歩ではないが、合図によって歩き始めようとするとき、動作が起こるまでの遅れ時間が生じる。これは加齢による全身反応時間、視覚反応時間、聴覚反応時間の延長などの現象としても捕らえることができるが、運動プログラムの組み立てに時間がかかってしまうことによるものと考えられる。
 特に認知機能障害が進むと急激に遅延時間が伸びることが知られている。

                     放送大学   「運動と健康」抜粋 



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