旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

20150529~  礼文町⑰  宇遠内の聖地

2015-06-08 06:08:02 | Weblog



天気が回復したので、宇遠内(ウエンナイ)への林道をトレッキングした。

宇遠内には車道が通じていなくて、民家が数件しかないが、そのうちの一軒が売店、食堂を兼ねた
休憩所を営んでおり、星観荘宿泊者の間では「聖地」と呼ばれ尊ばれているという。

「のぼり」が上がっていなければ、やってるかやってないか図りかねるような店構えである。


   

ところが店内に入ると、愛想のいい女将さんが迎え入れてくれ、「いつまででも?」のんびりくつろぐことが
できる。



   

ラッキーなことに、今年初めて水揚げされたという「タコ(ミズダコ?)の刺身」がメニューにあって、
これを注文した。ツブ貝の煮付けがサービスで付いて 300円。これがメチャメチャうまかった!

左は星観荘でつくってもらったお弁当 450円。おもわぬ豪勢なお昼になった。星観荘の宿泊者面々とも
ここで合流、会話が弾み、楽しいひとときを過ごすことができた。

林道沿いにたくさん花が咲いていたのでコンデジで撮影散歩。



   

キンポウゲ科の仲間? キジムシロ?


   

???

   

???(よく見かける花なのだが…)


   

チングルマに似た、たぶんバラ科の花。


   

スズラン。


           

ノビネチドリ。


普通高山でしか見ることができない植物が低地に雑草のごとく咲いているので、比較的気軽に
お花見散策できるのが、礼文島の最大の魅力だ。



この夜は三つの出来事が重なり、私の心を悲しくさせた。

まず、星観荘での楽しい語らいのあと、またひとりに戻ったこと。これは最初からおり込み済みの
懸念ではあったが、このタイミングでたまった洗濯物を処理する都合上外せない宿泊であった。もちろん、
人気のある宿へ一度泊まっておきたかった気持ちもあった。反動が怖いので、一元さんをいいことに
ダンマリを決め込んで、あまり同泊者と密に接しないよう努める手もあったのだが、オーナーや
常連らしい連泊者らが気軽に話しかけてくれるし、元来性格的にもそうはできないタイプであるので
それなりに馴染み、結果その後のさみしさが増してしまった。

次は、毎年この時期礼文&利尻に長期滞在する知人とここで合流できるのを楽しみにしていたのに、
病気にかかり、すべての予定をキャンセルしてしまって会えなかったこと。又聞きで症状の程度はよくわからないが、
ぜひ回復し旅人に復帰してほしいと願う。遅かれ早かれ、誰もが旅を終えなければならないのはわかっていても、
無駄なあがきをするのだ。人生の旅もおそらく同じなのだろう。

そして、滞在中に知り合った車中泊仲間・堺市のYさん(59歳)が、夕方の最終便で急きょ島を離れたこと。
何度か顔を合わせるうちに話すようになり、どうも同じような境遇で旅をしていることがわかり、
SMSで連絡を取り合うようになった。狭い島だし、その後も食堂や温泉などでしばしばご一緒して、
情報を交換した。交換したといっても、得るほうはいつも私で、ここ10年以上礼文に通い続けている彼は
とにかく花好きで、どこで何が咲いているかなど、彼からの教示がなかったら、別記のフタナミソウなどにも
絶対出会えなかったであろう。レブンコザクラに始まり、アツモリソウ、キンバイ、ウスユキソウ、
そしてフタナミソウと、めぼしい花をほぼ見尽くしたのと、往復切符の期限が迫っていて、その期間内は
すべて天気が悪そうなので離島を早めたのだろう。

ひとりきりで旅を続けているようでも、実際にはいろんな方々の手助けがあって旅が成り立っている。
宿に泊まらない車中泊中心の旅は、人と接する機会が少ないはずなのに、それでも類が友を呼ぶように
不思議にひとりでなく、気づけば誰かと行動を共にしたりしている。もしかしたらその場限りの付き合いであっても、
目的を同じくして濃密に過ごした仲間が一瞬にして居なくなったことで、私はひどく動揺した。


今夜弾みをつけながらボンネットをたたきつける雨の調べは、いつもにも増して冷たく重く響き渡り、
とてもせつなくやるせなくなる。





   


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