活発な梅雨前線による西日本豪雨は9日までに、各地で被害が拡大し、死者は計88人に上った。安否不明者は50人以上。中国・四国地方を中心とした被災地では救助や捜索が続いた。気象庁は、引き続き土砂災害や河川氾濫への警戒を呼び掛けた。総務省消防庁によると8日午後時点で20府県の避難所に計3万250人が身を寄せた。
岡山県倉敷市真備町地区では川の堤防が決壊し、地区の約3割が浸水。建物の屋上などに千人以上が一時取り残された。国土交通省はポンプ車で同地区での排水を進めた。市によると、浸水家屋は推計約4600戸、地区一帯からの避難者は3千〜5千人とみられる。
※5日以降の共同通信の各府県まとめでは、死者は広島38人、愛媛21人、岡山13人、京都4人、山口3人、兵庫、福岡、鹿児島各2人、岐阜、滋賀、高知各1人。
住宅地が大規模に冠水した岡山県倉敷市の小田川の決壊は、高梁川との合流地点付近が湾曲して水が流れにくくなっているため、水がたまって、上流側の水位が上昇したことが原因とみられると専門家は指摘している。水害の恐れが高く、河川改修の工事が計画されていた。
岡山大の前野詩朗教授(河川工学)によると、家の2階部分まで浸水した倉敷市真備町は、地区の東側を高梁川、南側を小田川に囲まれている。川の合流地点は湾曲しているうえ、川幅も狭く水が流れにくい。大雨によって水位が上がり、決壊したとみられるという。一度浸水すると排水されにくく、浸水地域の水位が高くなりやすい。倉敷市が作ったハザードマップでも、今回浸水した地区のほとんどを2階の屋根ぐらいまで浸水する5メートル以上と予測していた。
国土交通省の資料によると、合流地点付近では1972年や76年などにも浸水が起きている。前野教授は「今回は過去最大級の被害だ」と話す。国交省によると、洪水を防ぐため、高梁川と小田川の合流地点を、湾曲している部分よりも下流側に付け替えて水を流れやすくする工事が計画されていた。今秋には工事用道路の建設を始める予定だったという。
前野教授は「合流地点を下流に付け替えることで、水位が数メートル下がることが想定されていた。付け替え後であれば洪水は防げたかもしれない」と話した。(後藤一也)************************************************************************************
先週初めから降り続いた豪雨による被害が拡大しています。
やっと今日は西日本は晴れていますが、先週は物凄い勢いの雨でした。
今朝8時現在の死者は88人で、まだ安否不明者が50人超です。
府県別の死者は広島の38人、愛媛の21人、岡山の13人ですが、
2階のベランダから助けを求める多くの人達の姿がテレビで報道された事もあり、
岡山県倉敷市の被災の甚大さに驚きました。
倉敷市と言えば、大原美術館やアイビースクエア、白壁通りを思い出しますが、
水害があったのは市北部の真備町というところで、以前から何度も水害にあっているとか。
その為、今回の堤防決壊があった小田川と高梁川の改修の必要性は十分認識していたようです。
http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/284501_1073034_misc.pdf
この岡山県の河川整備計画は平成22年の民主党政権時ですが、
これが事業仕分けで計画が停止されたのではないのかと思わずにはいられません。
しかし、あれこれ検索してみましたが詳しい事はよくわかりませんでした。
民主党政権での事業仕分けで予算を削減、または中止に追い込まれたのは何なのか、
気になるところです。
その後、記事にもあるように今秋から工事に取り掛かる予定のようですが、
この様なところが全国にあると思いますので、後手後手に回らない様に願います。
※国交省HPには以下の計画が掛かれています。
資料2-2 平成26年度予算に係る河川事業の新規事業採択時評価
天災への備えとして、このような整備改修は計画的に尚且つ迅速に進めてもらいたいです。
また地域住民もハザードマップを活用すべきですし、自治体はわかり易い地図を住民に提供し、
もしもの時の避難ルートの確認をしておくよう周知徹底すべきではないでしょうか。
※下は倉敷市(北部)のハザードマップですが、少々分かり辛いです。
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/secure/100849/01kurashiki_kita.pdf