活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

君を幸せにする会社

2009-06-18 00:23:46 | 映像の海
著者:天野 敦之 日本実業出版社刊 価格:1,365円
初版:2008年9月11日刊行
帯キャッチコピー:「幸せな仕事」と「利益の追求」。
          葛藤の末にクマ太郎が気付いた
          ”働くことの本当の意味”とは?



この本を、僕は未読である。
お暇な方は、このコラムのカテゴリーを見ていただければお分かりの
とおり、今回は”映像の海”である。

では、なぜ映像の海なのか?

答えは簡単。
作者が、本書の内容を元にオリジナル映像を作成したものをご自身で
ようつべにUPされており、Mixiの知り合いの日記でそれを観た
のである。

主人公はクマ太郎。
とあるホテルの二代目オーナー。
頑張って、色々な経営努力をしているにも拘わらず、
ホテルの経営は右肩下がり。
行き詰まりを感じながら、今日も模索を続ける日々。
という設定である。

穏やかな、ピアノソロをバックに。
黒をベースに、白抜きの明朝体で書かれた文字が、
絶妙なタイミングで切り替わっていく。
時折挿入される、柔らかなタッチで描かれたイラストも、心地よい。

その最初の出だしの一分弱で。
僕は、素直に感動した。

「おお。昨日僕が感じたことを同じコトが示されている!」

それはクマ太郎が、どうやってホテルの利益を上げたらいいのか?
との自問への回答を見つけた!と思ったときの台詞。

『利益は お客様を幸せにした対価なんじゃないか?』

昨日、リッツ・カールトンホテルのサービスに対する考え方の
真髄に触れた本についての書評を上梓したために、サービスと
その対価については、どうしても敏感に反応してしまったのだ。

だけど。
その気付きを得たクマ太郎は、意気揚々と自分の従業員に伝えて、
猛反発を食らうのだ。

その理由は簡単。

クマ太郎は、従業員のことを見ていなかったからである。

リッツ・カールトンのポリシーは、従業員こそがもっとも大切な
お客様である、というものである。

気持ちよく働いてもらえていないのに、どうしてその従業員が
お客様に対して喜びをもたらすことが出来ようか?

それを疎かにして、CS(顧客満足)という言葉に振り回されて、
ES(従業員満足)を考えないでいると、クマ太郎のようにしっぺ
返しを食ってしまうこととなる。

クマ太郎にそのことを糾弾する従業員の舌鋒は、かくも鋭い。


『会社の利益になるからお客様の幸せを考えているだけなんじゃ
 ないんですか?

 そんなのお客様を利用しているだけじゃないですか 

 偽善ですよ!』



失意のクマ太郎が、それから先、更に何に気付きを得ていったのか。
それは、皆さん自身の目で確かめてほしい。

ただ。
正直に、言えば。
僕は、クマ太郎の気付きに共感することができなかった。

全く合わない、というのではない。
言っていることは、判るのである。

にも拘わらず、ストンと心に落ちてくれない。
あまりにもその掻痒感がもどかしくて、ついには台詞を全て
書き出して、きちんと読み込んでみた。

でも、やはり…。
落ちてこない。

クマ太郎が、何に思い至ったのかをここに書くことはしない。
関心をもたれた方は、是非以下の画面をクリックして、ご自分の
耳目で確認してみてほしい。

そのクマ太郎の気付きに対して、僕が思ったこと。

それは、僕たちは原始共産圏に暮らしているのではないのだ。
実際に、働くことで生計を立て、糊口を凌いでいかねばならないのだ。

そして、そのためにはお金はどうしても必要なものなのだ。
どれくらい必要なのか?は、難しい命題だけれど。

というものである。


昨日紹介した「リッツ・カールトン 20の秘密(ミスティーク)」
では、そこがリッツの東京総支配人によって明らかにされていた。

それが、昨日も紹介した(T+F)XI=Gである。
ここでもう一度その内容を触れることはすまい。
こちらも、もし関心を持っていただいた方は、リンク先を辿って
いただければ幸いである。

リッツは、求める能力のある人材を見出して採用し、もっとも適所に
配置し、更に手間を惜しまず磨きをかけていく。
これだけのことをされた従業員は、自ずからリッツマンとしての
誇りを胸に接客するようになり、それが引いてはラグジュアリー
ホテルとしてのリッツ・カールトンを培っていく。

そして、お客が満足して支払った費用は、リッツの収入となり、
更に従業員の給料へと還元されるというスパイラルが完成する。

それを実現する根源的なものとして、会社と従業員、それぞれの
持つベクトルが、しっかり合っていなければならない。

それは、会社に費やす時間を考えれば、ある意味結婚相手の選別
よりも、よりシビアに考えねばならないことだとも言えるだろう。


少し、クマ太郎から話が逸れてしまったが…。
ともあれ、クマ太郎は、自ら得た気付きにより、従業員と目線を
合わせて歩んでいくことに成功した。

さて。
あなたは、貴方の会社と目線をちゃんと合わせていますか?

そういった思いを胸に、以下の映像をお楽しみ下さい。

君を幸せにする会社 クマ太郎 感動ムービー



(この稿、了)



君を幸せにする会社
天野 敦之
日本実業出版社

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この本も。
5時になるのを心待ちにして、サザエさんのエンディングとともに
落胆を感じることを禁じえない人々に捧ぐ。
キミが働く理由
福島 正伸
中経出版

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昨日も紹介したけれど、もう一度。
会社と社員の幸福な結婚の一つのスタイルが、そこにはある。
リッツ・カールトン20の秘密―一枚のカード(クレド)に込められた成功法則
井上 富紀子,リコ ドゥブランク
オータパブリケイションズ

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