活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用の再開について

2009-11-20 00:00:01 | Webの海
平成21年11月19日
宇宙航空研究開発機構(JAXA) プレスリリースより
(※ 画像は、JAXAより)


こうなってくると。
もう彼の名前は、「はやぶさ」から「火の鳥」に変えた方が
よいのかもしれない(笑)。

本日行われたJAXAの記者会見、ならびにプレスリリースにて、
「はやぶさ」の現状がレポートされた。

その詳細は、上記のプレスリリースや、松浦晋也氏のHPをご参照
いただくとして。

ここでは、簡単に概略を説明しよう。

1) イオンスラスタAは、イオン発生装置(ロケット噴出口の
   ようなところですね)は駄目だが、横についているイオン
   中和器は生きている。

2) イオンスラスタBは、その真逆。

3) ということで、イオンスラスタAとBを合わせ業で、
   推力を作り出そう。


図示すると、下記のようになる。






これぞ正しく、

「一人一人では単なる火だが、2つ合わせれば炎となる。」

の、「トップをねらえ!」の世界を地で行く話しじゃ無いか!



或いは。
地球到着寸前。デスラー砲に攻撃されたときに、真田さんが
こっそり発明しておいた空間磁力メッキが役に立ったよ!
としれっといって、砲(というか、エネルギービーム)を
跳ね返した世界の体現か!?

(※ 画像は、CR宇宙戦艦ヤマトより)

これまで空間磁力メッキは、ご都合主義の権化だと笑っていたが、
もうそんなことは言えなくなったなあ。

だって、スラスタAとBを合わせ業で使用する回路が入っていた
なんて!


今回の、記者会見で。

「こういう事態を想定して、回路を積んでいたのか?」

との質問に、

「そうだ。」

と、ただ短く応えた國中均教授(イオンエンジン担当)。

実に格好いいではないか!



因みに。
現時点での、「はやぶさ」のイオンスラスタの現状を整理
してみた。



こう見ると、残るバックアップは不調が確認されているイオン
スラスタCのみといってもいい状況であり、決して安閑と来年
6月を待てる状況で無いことは間違いない。

ただ…。
今回のような奥義の炸裂を目の当たりにすると。

この先どのようなピンチに陥っても、又もや何らかの新機能が
出てきて復活!ということもあるやもしれないが、しかし。

それも、正直心臓に宜しくない(笑)。


「はやぶさ」よ。

君の努力も、苦労も。

皆、ちゃんと見ているから。

だから。

今はただ。

「ただいまっ」

そう叫んで、地球にバトンを投げてくれるその日を信じて。

待っているよ。

本当だよ。


(思わぬ展開に、心底感動しつつ、この稿、了)


(付記)

しかし、イオンエンジンの構造って難しいなあ。

てっきり。
キセノンガスを放電室で-イオンと化して放出。
イオン加速系で加速して射出した後は、射出したガスが
また戻ってこないように+イオンを吹きかけることで中和する。
という構造かと思っていたのだけれど。
(「効率よく宇宙を飛びまわる推進システム」
   ~大型イオンエンジンの開発     JAXA HPより


Mixiで識者に伺うと、そんな簡単なものでは無いらしい。

う~ん。
♪一から勉強、や~りな~お~し!ジャン!


(付記2)
今回のJAXAの記者会見。
詳細版を松浦氏がUPしていただく前に、速報版として大塚氏が
呟いてくれていた

この情報をMixiで知り、かなりリアルタイムに近い感じで
彼の状況を知ることが出来た。
twitterには、こうした使い方も有るんだなぁと実感。
早速、氏をフォローさせていただくことに。
世の中、便利になったものだ。





既に、何度か本書は紹介したのだけれど・・・。
今回ほど、このタイトルが相応しいと思ったときはなかったので。
はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)
吉田 武
幻冬舎

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