秋来にけり耳をたづねて枕の風 桃 青(芭蕉)
『古今集』・秋上、藤原敏行の
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども
風の音にぞ おどろかれぬる
を踏まえ、「耳をたづねて」と擬人的に翻案したところが、談林的な発想。『発句合(ほっくあわせ)』の判詞にも「秋風枕をおどろかす体、耳を尋ぬる詞づかひをかし」とある。
『六百番俳諧発句合』に「立秋」と題し、『江戸広小路』にもある。延宝五年ごろの作。
「枕の風」は、枕元にしのび寄る秋風で、それが聴覚にうったえる点を、「枕を欹(そばだて)てて聴く」(白居易)を心に置いて、「耳をたづねて」といったものである。
季語は「秋来る」で秋。
「秋がやってきた。目にはそれとは見えないが、さっそく、秋風が耳を尋ねて、
枕元にしのび寄ってきた」
塔恍とあり立秋の百花園 季 己
『古今集』・秋上、藤原敏行の
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども
風の音にぞ おどろかれぬる
を踏まえ、「耳をたづねて」と擬人的に翻案したところが、談林的な発想。『発句合(ほっくあわせ)』の判詞にも「秋風枕をおどろかす体、耳を尋ぬる詞づかひをかし」とある。
『六百番俳諧発句合』に「立秋」と題し、『江戸広小路』にもある。延宝五年ごろの作。
「枕の風」は、枕元にしのび寄る秋風で、それが聴覚にうったえる点を、「枕を欹(そばだて)てて聴く」(白居易)を心に置いて、「耳をたづねて」といったものである。
季語は「秋来る」で秋。
「秋がやってきた。目にはそれとは見えないが、さっそく、秋風が耳を尋ねて、
枕元にしのび寄ってきた」
塔恍とあり立秋の百花園 季 己