壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

木原和敏個展

2007年12月18日 23時07分47秒 | Weblog
 楽しみにしていた「木原和敏個展」が、銀座の画廊宮坂で、今日から始まった。
 日展無鑑査『ストールの裸婦』(100号)、白日展『思い』(100号)を初め、10号や6号の作品を中心に、12点の力作が展覧されている。(詳しくは、画廊宮坂のHPをぜひ見ていただきたい)
 今年の日展は無鑑査ということで、初めて[裸婦]に挑戦したのではなかろうか。隅から隅まで細やかな神経が行き届き、モデルの女性の内面までがうかがい知れるよう、緻密に描きこまれている。確かに力作、傑作である。
 ただ、個人的好みだが、絨毯の部分で力を抜いて欲しかった。
 生真面目な好青年のうえ、技術も抜群なので、あまりにも緻密に描き過ぎてしまったのではないか。絵に安息を求める者にはかえって、息苦しさや疲れを感じさせてしまうのではなかろうか。脱力感の大切さを、つくづく感じさせられた。
 『思い』は、文句なく名品である。女性の色香が、ほんのりと漂い、心やすらぐ作品だ。
 他の小品も、定評ある女性像で、どれも観る者の心をほんわかと包んでくれる佳品である。どの作品をお求めになっても、決して後悔することはないと思う。
 木原作品の何よりもいいのは、愛のまなざしで対象を凝視し、愛の心で描いていることだ。
 画廊ではなく、小さな美術館に行くつもりで、ぜひ、観に行って欲しい、23日までやっているので……。
 帰りに日本橋三越に寄り、「白日会会員選抜展」を観た。
 6号の木原作品もあった。同じ6号で、白日会会長の作品には、木原作品の18.5倍の価格がついていたのには、ビックリ。
 絵のどこに、この価格の差があるのだろう。
 野の花と、豪華・ゴージャスな花との違いなのだろうか。
 まだまだ勉強不足、もっと勉強しなくては……。
 あさっては、どの展覧会を観に行こうかな?