日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

炭化水素(アルカン・シクロアルカン)

2007-03-19 | 分子模型図鑑

さて炭化水素である

今回から本格的に有機分子図鑑らしくなる

 

炭化水素とは炭素と水素の化合物

前回出てきたメタンが最も簡単な炭化水素

炭素は手が4本もあるので

炭素同士が手を繋いで大きな分子になりやすいのだ

炭化水素の全体的な特徴としては

水には溶けない

燃えやすい

といったところか

水に溶けないので

生物とは水と油の関係で

生体内で見つかることはほぼない

微生物がメタンを排出するくらいのものだ

人間は炭化水素を天然ガス・石油として産出し

主に燃料として使っている

 

(1)気体の炭化水素

12gas

左は紹介済みのメタン、右は炭素が2個のエタン

これらは液化天然ガス(LNG)の主成分

都市ガスとして使用されている

ちなみに

横においてある1円玉は1オングストロームの尺度だ

この模型を1億分の1にしたのが実際の分子サイズになる

34gas

炭素数が3になるとプロパン

4になるとブタンとよばれる

どちらも気体だが低い圧力で液体になる

液化石油ガス(LPG)と呼ばれる

プロパンは家庭用ガスボンベの主成分

ブタンは100円ライターなどに使われている

 

(2)液体の炭化水素 

511gas

炭素数5のペンタンから炭素数11ウンデカンくらいまでは

液体の炭化水素となる

ガソリンとして頻繁に利用されている

炭素数10~15まではジェット燃料のケロシンとして

917abura

炭素数9~18までは灯油として

14~20は軽油として活用されている

 

(3)固体の炭化水素

30tar
炭素数17を越えるとワセリンのような半固体の油となり

炭素数が増えるに従って

重油→ ろう → タール → アスファルト

といったように徐々に固体になっていく

 

(4)枝分かれしたり 輪になったり

上記では一本に長くのびた炭化水素を紹介したが

炭素の手は4本もあるので

実に様々な繋がり方をするのだった

まず一本に長くのびた(直鎖の)炭素8つの炭化水素

Photo_8

これを「オクタン」という

ところが同じ炭素8個でも

はげしく枝分かれしたものがある

Photo_14

これはイソオクタンである

こんなふうに枝分かれしていると

エンジンで燃やした時に安定して燃焼し

ノッキングが起こりにくいのだそうだ

その性能を表す「オクタン価」というのは

このイソオクタンから来ている

ハイオクは枝分かれした炭化水素を多く含むのだろう

 
また同じ炭素8個の炭化水素でも

端っこ同士が繋がって輪になったものもある

Photo_15

これをシクロオクタンという

「シクロ」は「サークル」と同様に輪という意味だ

03

これは炭素数5で輪になっているので

シクロペンタンだ

 

今回炭化水素は

白と黒ばかりなのでちょっと地味だった

次回も白と黒ばかりだもう少し我慢のほどを・・・

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なんとか水 | トップ | 最後の白鳥 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

分子模型図鑑」カテゴリの最新記事