カルボン酸の続き
ベンゼン環にカルボキシル基の付いた化合物だ
安息香酸
最も簡単な芳香族カルボン酸
安息香はエゴノキ科の植物から取れる樹脂だ
匂い成分はバニリンだからヴァニラの香りだが
安息香酸のエステル(カルボン酸とアルコールの化合物)
を多く含む
抗菌作用があり
保存料として使用された
フタル酸の仲間
カルボキシル基が2個付いている
付く位置によって3種の異性体がある
左から
フタル酸
イソフタル酸
テレフタル酸
・・・だから
o-(オルト)フタル酸、m-(メタ)フタル酸p-(パラ)フタル酸
でいいじゃないかと何度言えば・・・(略)
テレフタル酸は両側でエステルを作れることを利用して
ポリエステル繊維
ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料となる
メリト酸
冗談のような化合物だ
ベンゼンの6角形の全てがカルボキシル基
生体ではなく鉱物の中から発見されている
黒鉛酸の名を持つ
大して重要な化合物ではないが
面白い形をしているので
図鑑としては載せておきたい
無水メリト酸
上のメリト酸から水分子が3つ逃げ出していったもの
コレも形状が面白い
さらに赤(酸素)と黒(炭素)だけというのがスパルタン
そんなのは一酸化炭素&二酸化炭素
ぐらいしか思いつかない
サリチル酸
フェノールにカルボキシル基がついたもの
あるいは
安息香酸にヒドロキシル基がついたもの
薬学的に重要な化合物なので
サリチル酸については項を改めて紹介する
没食子酸
没食子は染料などに使われたタンニン
ブナ科植物の若芽にある種の蜂が産卵した時
その刺激により生じた虫コブを乾燥させたもの
この形は以前見た記憶があると思う
ポリフェノールで紹介した
http://blog.goo.ne.jp/suzukiqqq/d/20070511
タンニンの基本骨格なのだ
桂皮酸
これも多くの植物に含まれる
このベンゼン環が酸化してヒドロキシ基がつくと
コーヒーのポリフェノールであるコーヒー酸に変わる
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