●炭素
炭素の宇宙での存在度は
第4位 と上位にランクしている
今までの事をまとめると
元素の存在度
1位 水素 93.4%
2位 ヘリウム 6.4%
水素ヘリウムを除いた割合
3位 酸素 53%
4位 炭素 29%
5位 窒素 9%
ここまでで宇宙にある原子の99.98%
生物の体もほとんどがこれらの元素でできている
さて炭素の話
炭素の場合、酸素分子・窒素分子のような
2個つながった炭素分子というものは存在しない
その理由は炭素の手が4本もあるということだ
便宜上「手」というが人間の手とは勿論違う
他の原子と結合できる数という意味である
水素の手は1本
酸素の手は2本
窒素の手は3本である
炭素は手が4本もあるので
炭素同士で手をつないでも
まだまだ他の原子と手を繋げるのだ
その性質のおかげで
炭素を含む化合物は多彩なものとなった
それらを有機物と呼ぶ
私達の体も殆ど全て有機物である
その多彩な分子の姿はこのコーナーで
おいおい紹介していくとして
下の写真は炭素だけでできた物質である
これがダイヤモンドの結晶
4本の手をテトラポッド上に組み合わせて
非常に堅固であることが模型からもわかる
こちらは黒鉛(グラファイト)
炭素が蜂の巣状に組み合っているが
上下のつながりが弱いので柔らかい
その性質を鉛筆に利用されている
どちらも炭素なのだが
扱いの違いには大きな差がある
●水素化合物
水素は前述のようにどこにでもある元素なので
ほとんどの原子と手を繋ぎ
お馴染みの化合物を作っている
その中で単純なものを紹介しよう
(1)水
酸素は手が2本で水素は1本だから
酸素の両手に水素が一つずつ
くっついた姿をしている
母親が二人の子供を連れ歩いているようだ
手のつなぎ方が直角に近いことに注目(実は109°)
このように曲がって付いていることによって
水は極性(電気的な磁石のような性質)を持つ
水の分子同士は引きあうのである
だから水は酸素や窒素などよりずっと軽いのに
液体でいられるのだ
二酸化炭素のように真っ直ぐ手を繋いでいたら
生き物は存在し得なかった
(2)アンモニア
窒素は手が3本だから
その3本の手に1つずつ水素をつないでいる
アンモニアもわずかながら極性があるので
水と相性が良い
極性を持つ物質は水に溶ける
ということを覚えておいてほしい
小学校の時アンモニア水を嗅がされた経験はないだろうか
土星や木星にはアンモニアの氷があるらしい
(3)メタン
炭素は手が4つだから
水素を4個くっつけている
メタンについては次回に述べるが
これも普遍的な物質である
ウシのげっぷに含まれている
土星や木星の氷にも含まれている
これら3つの基本的な化合物を紹介したが
地球の誕生したときにも
勿論水、アンモニア、メタンは
ふんだんにあった筈だ
さいわいなことに地球の重力は
メタンやアンモニアを繋ぎ止めておくほど
大きくはなかったようだ
地球の程よい大きさに感謝しよう
水分子の曲がり具合にも感謝しよう
私たちは偶然によって存在するんだ・・・
次回は炭化水素(メタン一族)
池田晶子が亡くなっていたらしい。今朝新聞の週刊誌の広告で知った。ショック
化学者のなりそこないとして幸せです
このまま簡単な分子から順に
続けていくつもりなので
そのうちあなたに馴染みのある
ビリジアンとかコバルトブルー
などの顔料までも
辿りつきたいと思っております
黒系の顔料は殆ど炭素なんだけどね
池田氏については
哲学を身近なものにした人
というくらいしか知識がないなぁ
ショックだったんだね
でも
人は死なないよ
記憶している人が存在する限り人は死なない
だから
手塚治虫も星新一も美空ひばりも・・・・
まだまだ
生き続けている
いろいろな考え方があるのだろうけど、本になったときは
大概、その結果のようなものが纏められているけれど
彼女はずっと考えつづけているのが印象的だった。
ずっと。わたしたちと同じ歳なのに。
子供の頃は身体を動かすのが苦手だったので
むやみにいろいろ考えていたような気がするけれど
今はもう、そんなことはない。
だけど、たぶん彼女は考えつづけたまま
向うに行ってしまったんだね。
昨年の春、すごく久しぶりにイノグチ先生に満開の石割桜の下で会った。そして筍を食べながらお酒を飲んだ。
今度一緒にいこうね。そして池田晶子の話でもしよう。