日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

トランス脂肪酸(分子模型)

2007-06-20 | 分子模型図鑑

マーガリンの原材料を見ると
 
原材料  食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩、粉乳、乳化剤、香料、着色料(カロテン)、(原材料の一部に大豆を含む)、大豆菜種コーン油
 
のように多種の材料名が並んでいる。
対して

バターの原材料は
 
原材料  生乳、食塩
 
実にシンプルだ

それはバターが古くから人間の生活によりそってきた証拠でもある

 
マーガリンは人造バターとして

歓迎されて登場した

植物性油脂を使っているので健康によい

というイメージを持たれていた

コマーシャルでも

健康イメージでガンガン売ってきた

近年ではマーガリンによる

健康被害の可能性が謳われている

マーガリンの原材料は

バターと違って植物油であり

植物油には不飽和脂肪酸が多いので液状である
 
液状のままでは人工バターとしては都合が悪いので

「食用精製加工油脂」という加工した油を使う

どういうものかというと

不飽和脂肪酸の二重結合に水素を付加させて

不飽和脂肪酸の例

Photo_218

飽和脂肪酸を作って固体にし

バターに似せるのだ

飽和脂肪酸の例

Photo_219

この時点で実はもう

自然な植物油じゃなくなっている訳だが

さらに落とし穴があった
 
水素が付加しきらなかった分子の二重結合が

加工の際に回転してトランス構造になってしまうのだ

自然界の油はほとんどがシス構造の曲がった脂肪酸だ

 
cis-リノール酸

Photo_220

それがマーガリンの場合

加工段階で自然界にほとんどない

トランス脂肪酸が含まれてしまう

trans-リノール酸

Photo_221

このトランス脂肪酸

動脈硬化・心筋梗塞のリスクを高めることが分かってきて

欧米では規制が始まっている

日本では今のところ無規制だが

ネットを中心に火がつき始めているところだ
 
 

そしてマーガリンの受難は

トランス脂肪酸だけでは終わらないのだった・・・つづく

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