日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

アルコール(分子模型)

2007-03-25 | 分子模型図鑑

昨日・一昨日と連続で送別会

飲むのと食べるのと喋るのが苦手なので

ずっと烏龍茶を飲んでいた

送別会が

吸うのと歌うのと遊ぶのだったらいいのになあ

でも小学5年の女の子と今度小学校の男の子に

遊んでもらっていたのでそれほど退屈しなかったよ

そんな私だが

大学時代にはエチルアルコールの水割りを

ビーカーで飲んだりもしていたのだ

というわけで今日はアルコールの仲間を御紹介

量が多いよ

覚悟はよろしいか

メタノール(メチルアルコール)

Photo_47

「目散るアルコール」 なんて呼ばれたりする

普通の酒精(エタノール)は体内で代謝されて

アセトアルデヒドから酢酸(酢)になるのだが

メタノールはホルムアルデヒドになって

それを分解する酵素がない

ホルムアルデヒドは有毒で

網膜を攻撃して失明に至るのだ

アルコールランプに入れるのはこのメタノール

間違っても飲まないようにしよう

最も簡単なアルコール

メタンの水素がひとつ水酸基(ヒドロキシル基)に代わっている

水分子にも似て極性を持つので

水にもよく溶ける

 

エタノール(エチルアルコール)

Photo_48

人間に一番身近なアルコール

炭素数が2個のアルコール

あらゆるお酒に入っている

こんな簡単な分子でどうして

泣き上戸とか笑い上戸とか口説き上戸とか

人間の理性を失わせることができるのか

よくわからない

今度調べてみよう

 

イソプロパノール

Photo_49

炭素数三個のアルコール

プロピルアルコールとも言う

水酸基が端っこについていればプロパノール

これは真ん中の炭素についているので

イソプロパノール

なぜこちらを紹介するかというと

愛用しているメガネ拭きの主成分だからだ

これら小さなアルコールは

水酸基と炭化水素部分のおかげで

水にも油にも溶けるので

汚れ落としに最適なのだ

家電製品にもアルコールで拭くようにという

指示がよく記されている

 

イソアミルアルコール

Photo_51

エタノールの水割りを飲んだ話の続きだが

エタノール自体には風味も何もないので

すごくドライなウォッカという感じ

様々な酒の味を作り出しているのは

エタノール以外の成分の働きである

これは清酒に含まれている

イソアミルアルコール

あの日本酒の匂い成分だ

 

マツタケオール

Photo_50

アルコールは匂い成分としても大活躍

これはマツタケの匂いのマツタケオール

 

キュウリオール

Photo_52

キュウリやスイカなどウリ科の野菜に含まれる

匂いの素のアルコール

 

リナロール

Photo_53

だんだん分子が大きくなってきたが

これも匂いのもとになるアルコール

これは花の匂い

Photo_54 

花の匂い分子にアルコールは多く

上の4つもそうだ。まとめて紹介

左上 ネロール

左下 シトロネロール

右上 グラニオール

右下 フェネチルアルコール

どれが何の花に含まれているのかは

よく知らない(バラの花とか)

 

メントール

Photo_55

タバコの場合メンソールの方がポピュラー

ハッカの匂い、シソ科の植物がよく含んでいる

左がL-メントール 右はD-メントール

このように鏡に写したようになっている化合物を

鏡像異性体というのだった

見た目は同じなのに

人間の鼻は優秀な検知装置なので

区別をつけることができる

ハッカ臭のするのはL-メントールのほうだけなのだ

不思議だねえ

 

ビタミンD

Photo_56

前回ビタミンAを紹介した

http://blog.goo.ne.jp/suzukiqqq/d/20070322

実はビタミンDもアルコールの形態をしている

とはいうものの

ここまで炭化水素部分が大きくなるともう水には溶けない

脂溶性ビタミンと呼ばれる仲間だ

ビタミンDは健康な骨を作るために必要となる

体内で作ることができる珍しいビタミンだ

何から作るかというと次項を見よ

 

コレステロール

Photo_57

ネガティブキャンペーンをやられて

すっかり悪者のコレステロールである

分子模型を見るからに「アブラ」っていう感じ

しかし

前述のビタミンDの材料になるだけでなく

副腎皮質ホルモンや性ホルモンの材料となったり

生体膜を形作ったり

生きるために必要な物質である

クジラのような形状をしているね

 

エストロゲン

Photo_58

性ホルモンの例として

女性ホルモン(卵胞ホルモン)エストロゲンの登場

水酸基が2個(二価)のアルコール

コレステロールのクジラからしっぽが取れた形状

女性ホルモンだが、男性にも分泌されている

これが過剰だと女性化乳房と呼ばれる状態になる

男性ホルモンのテストステロンなどもよく似た形状だが

アルコールではないので今日は紹介しない

「ホルモン」の回を待て

それにしても良く似た形状の物質を

我々の体はちゃんと区別して

男にしたり女にしたりしているのだ

不思議なものである 

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