日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【映画】The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry(ハロルド・フライのまさかの旅立ち)

2024-06-19 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 夫婦仲の冷え切った初老の男が、元同僚で末期がんの女性を励ますため、自宅から800km離れたホスピスまで歩いて訪ねることを突発的に思いつき出発。道中でマスコミに報じられ大勢の支援者が現れたり妻が中止の説得に姿を見せたり、さまざまな出来事があるが、最後にはスタートと同じ一人に戻り目的を果たすロードムービー。

 新聞の論評にもあったが、真っ先に思い出すのは「フォレスト・ガンプ」。だが主人公の年齢や物語の背景を見ると、さらに前の「ストレイト・ストーリー」の方が似ているように思える。ただし上記2作がアメリカが舞台であったのに対し、本作はイギリスが舞台となっている。

 歩く苦難だけが描かれているのではなく、主人公の過去の悔いが全編を通じて重くのしかかってくる。けっして美談ではない、本人にとっては贖罪の旅と言うことが観客に伝えられ、晴れやかな気持ちで観続けられるわけではない。それでも主人公がゴールに辿り着き、不仲だった妻とも和解でき(?)、十分ハッピーエンドと言えるのだろう。主人公が神を信じないと言うのが皮肉的で興味深かった。

 2024年6月7日 川崎・チネチッタにて

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【本】前川啓治編集 「フットパスでひらく観光の新たな展開:あるく・まじわる・地域を創造する」(ミネルヴァ書房)

2024-06-19 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 英国で定着している「フットパス」は、日本ではぴったり一致するものがない。散歩道、遊歩道、散策路、ウォーキングコース、トレイルルート、自然歩道…どれも微妙に違うと思う。

 本書は学術書であり、フットパスの歴史や法的根拠や解釈について詳しい。知りたかったのは日本で同様の展開が行えるか、あるいは日本でどういう形態のルートが相当するのか、多少の言及はあるがやはり明確な定義はされていなかった。

 さらに、日本で同じように「広く国民が歩きを楽しめる道の整備展開」についても知りたかったのだが、北海道や町田市の展開例はあったが物足りなく感じた。それでも自宅から近い町田市で取り組みがされているという有益な情報を得られたのは良かった。自分のイメージするフットパスや、自治体で整備している従来のウォーキングコースとどう違うのか、歩きに出掛けてみたい。

 最終章の地域再生としての古民家等整備の章は本書の趣旨からは外れており、ページ埋めの感が強かった。

 2024年6月6日 自宅にて読了

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