春夏秋冬の区別無く、佐伯剛氏のブログはいつ読んでも最悪だが、この芸術の秋に、そう言って済ませておくにも限度がある。公開された佐伯氏の「大竹伸朗論」は最悪だ。そこで佐伯氏は「芸術家は脱獄王である」という大竹伸朗の確信を、まったく理解していない。脱獄王は牢獄が無ければ存在し得ない。つまり「自由は不自由の中にしかない」という矛盾を佐伯氏は解っていないのだ。この当然の矛盾をきちんと押さえておかないと、あたりまえだが何をやってもアートにはならない。「頭でっかち」の芸術家を嫌う佐伯氏は、大竹伸朗というアーティストを自分と同じ「体でっかち」の人間だと思い込んでいるようだが、とんでもない。大竹伸朗という脱獄王は、最悪王の佐伯氏と違って、「体」とともに「頭」もキチンと使っているのである。そこを勘違いしてはならない。