1月は正月や成人式の関係で、比較的着物に触れる機会が多い時期ですね。
その着物といえば、京都の西陣を思い浮かべますが、この「西陣」という地名は行政区画や住居表示では存在しない地名なのです。
今から500年以上も前の室町時代に発生した応仁の乱で、西軍の陣地になったことから「西陣」の地名が生まれました。御所の隣の今出川通りの西側が西陣の地です。有名な西陣織とは現在でも実際に職人さんがこの地でつくっているものをさします。
これに対して東軍の陣地跡「東陣」というのはあまり聞きませんが、御所北方の上御霊神社付近にありました。実は西陣にも東陣にも応仁の乱の後、疎開していた織物産業の職人たちが戻ってきて商売を始めたのですが、東陣は西陣との営業争いに敗れてその地名が定着しなかったようです。このように定着せずに消えてしまった地名は意外と多いのではないでしょうか。
例えば、東京に銀座はあるけれど、金座は?等と、疑問に思って関心を持ってみるのも良いでしょうね。いつの日か外国の方から尋ねられるかもしれない日本の歴史の一部でもあるのです。
(yos&Nas)