脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

プレタールとアスピリンの比較試験 CSPS2における出血イベント

2012年07月30日 | 脳梗塞
プレタールの方がアスピリンよりも脳梗塞症例における有効率が高かった大きな理由の一つ。それは出血イベントが少ないことです。
上の図に示すように、プレタールはアスピリンに比べ脳出血やくも膜下出血、あるいは入院を要するような出血合併症が少ないのです。
これは治療する医師にとっては非常に大きなことです。自分が投与した薬で患者さんにトラブルが起きるのはとてもつらいことなのです。
またこのデータは我々日本人で得られたものですから、プレタールは我々日本人の脳梗塞に向いている薬であるということが出来ます。
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六本木ヒルズでの勉強会

2012年07月29日 | 学会/研究会
本日は六本木ヒルズで脳卒中の勉強会がありました。
脳卒中内科の先生方の講義とディスカッションを主体とする会でしたが、私には大変勉強になりました。
脳梗塞急性期にスタチンというコレステロールを下げる薬がどのように役に立つかという観点を主体とする勉強会でしたが、スタチンだけでなく、急性期脳梗塞に関する他の知識も深めることが出来ました。

例えば最近、一過性脳虚血発作(TIA)の概念が変わりつつあり、現在その定義が混沌としています。というのも従来TIAは「頭部CTで異常がなく、神経症状が24時間以内に消失するもの」という定義だったのですが、最近MRIが普及し、CTで異常がないように見えてもMRI拡散強調画像では異常が見つかることが増えたためです。
つまり、症状は24時間以内に消失してもMRIでは脳梗塞を認める場合をどう扱うかが問題です。これに関しては内科的にはMRIで脳梗塞を認める場合には、症状がたとえ24時間以内に消えても脳梗塞として扱っていることが多いとの見解を知りました。

医学や医療機器が進歩すると以前はスタンダードとされた定義や概念を変更せざるを得なくなることがあります。進歩について行くためには、常に知識をブラッシュアップする必要があるのです。
医者は一生勉強で大変ですね、と言われますが、自分の専門領域の新たな知識を得るのは私たちにとっては楽しいことでもあるのです。

ところで、上の写真、会場の六本木ヒルズ49階から撮影したものです。懇親会場から撮影したのですが、普段は図書館になっている場所らしいです。図書館からこの景色、すごいですねー!
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京滋救命救急セミナー

2012年07月28日 | 学会/研究会
昨日は京都で「脳を救え! 急性期血管内治療と新たな連携システム」という題名で講演させて頂きました。
救急に関わる医師、看護師、救急救命士の方がご参加でした。ディスカッションも盛り上がり、とても雰囲気の良い会でした。
以前、私たちのところに見学に来て頂いた京都第二赤十字病院の南都昌孝先生が一般演題を発表してくださいましたし、国立循環器病センターでレジデント同級生だった村井 望先生が駆けつけてくれました。
お招き頂いた彦根市民病院 金子隆昭先生をはじめ、関係者の方々に心より御礼申し上げます。
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信濃町脳血管障害セミナー

2012年07月22日 | 学会/研究会
昨日、慶応大学が主催されている信濃町脳血管障害セミナーで講演をさせて頂きました。
脳動脈瘤治療二刀流についての講演で、最近の治療例を含めて私たちの治療の実際を紹介させて頂きました。本会では慶応大学脳神経外科の同門の先生方のご発表もあり、私も大変勉強になりました。
講演後の懇親会では多くの方に声をかけて頂き、とてもうれしく思いました。場所は新宿の野村コンファレンスプラザでしたので、夜景が素晴らしく、感激致しました。
お招き頂いた吉田 一成教授、堀口 崇先生はじめ、関係者の方々に御礼申し上げます。
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高山での講演

2012年07月21日 | 学会/研究会
昨日は飛騨高山で講演をさせて頂きました。
お招き頂いた高山赤十字病院脳神経外科セミナーの竹中勝信先生をはじめ、関係者の方々に御礼申し上げます。
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夏本番!

2012年07月19日 | 閑話休題
いよいよ本格的な夏が始まりましたね!
岐阜、愛知も昨日はすごい暑さでした。
今日も暑くなりそうですよ。
水分摂取をこまめに行って、熱中症にならないよう気をつけましょう!
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懐かしの面々

2012年07月17日 | 人物紹介
先週、以前岐阜大学を担当していたMRさん達に会いました。
ちなみにMRとは、医薬情報担当者(medical representative)の略です。

まず一人は大塚製薬の高橋絵美さんです。高橋さんはこのブログでも紹介したように「Strokeハンドブック」を一緒に作成した方です。このハンドブック、全国のたくさんの医療関係の方に使って頂いているようで、とてもうれしく思っています。
現在、そのStrokeハンドブックの改訂作業中なのですが、何の知らせもなく打ち合わせの部屋に登場されていたので驚きました。というのも、彼女は現在、東京本社勤務なのです。
改訂について、いろいろとアドバイスをもらい、とても参考になりました。やっぱり高橋さんはすごいと思いました。来てくれてありがとう!

もう一人は頚動脈狭窄症に関する研究(ACAP)をサポートしてくれたファイザー製薬の橋本真明君です。彼は現在、東京大学附属病院の担当なのですが、自ら進んで私の東京での講演をサポートしてくれたのです。
彼の発案で行ったACAP研究は、当科の山田清文先生が国際論文として報告し高い評価を頂いていますし、現在のAB-CAS/MR-CASという多施設前向き研究につながっています。
橋本君のきめ細かい対応で、とてもスムーズに講演が出来ました。感謝!

かつて担当してくれた優秀なMRさんたちが東京でバリバリ働いているのを誇らしく思います。
お二人のますますの活躍を期待しています。
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函館

2012年07月15日 | グルメ
函館に来ています。日本病院脳神経外科学会に参加するためです。
ランチョンセミナー後、会場の近くの市場で「海鮮丼ウニのせ」を食べました。ボリューム、味ともに最高でした。
学会は医師だけでなく看護師さんや技師さんの発表が多く、とても活発な会でした。
函館はとても涼しくて、気候も最高でした。
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東北新幹線

2012年07月14日 | 閑話休題
先日宇都宮に講演に出張しました。
東京駅から乗った東北新幹線。
とてもかわいい絵が描いてありました。
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プレタール

2012年07月08日 | 脳梗塞
今回から「プレタール」という薬について説明します。

血液をさらさらにする抗血小板薬として、これまでアスピリンとプラビックスを紹介してきました。
これらは海外で開発された薬ですが、プレタールは大塚製薬が開発し、発売している薬です。
1988年に日本で発売され、その後、アジア各国、アメリカ、イギリス、ドイツなどで販売されています。
脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制という効能・効果で販売されていますが、下肢の動脈硬化(慢性動脈閉塞症)による潰瘍・疼痛・冷感などの症状改善にも使われています。

Made in Japanのこの薬の脳卒中予防効果は科学的にきっちりと確認されています。
それが上のグラフです。
CSPS2という名前のこの試験で、アスピリンよりも高い脳卒中予防効果が証明されたのです。
次回、もう少し詳しく説明します。
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