脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

University of Washington訪問

2012年01月31日 | 人物紹介
国際脳卒中会議(International Stroke Conference)に参加する途中、シアトルにあるUniversity of Washingtonに来ています。当科の山田清文先生が留学しているVascular Imaging LaboratoryのDr. Yuanを訪問するためです。
Dr. Yuanは頚動脈プラーク診断で世界で最も先駆的な仕事をされている方です。山田先生は現在Postdoctoral fellowとして仕事をしています。
今回はDr. Yuanとそのラボのメンバー、共同研究をしているメンバーと意見を交換することができました。皆さん、大変熱心に最新の頚動脈MRIの研究を行っておられます。
また写真のHatsukami先生は日系の方で、血管外科医です。全身の血管の手術をされますが、最近は頸動脈治療とその臨床研究を中心に行っておられます。
Dr. Yuanは私たちが日本で行っている「頚動脈のMRIプラーク診断による治療選択」に関して強い興味をお持ちであり、その共同研究に関する全体会議を開いていただけました。
今後の発展を期待したいです。
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国循での講演

2012年01月29日 | 学会/研究会
本日は国立循環器病研究センターで講演をしました。第16回脳血管外科治療セミナー最終日のランチョンセミナーです(写真)。
午後には近隣地区との連携セミナーが開催されることになっており、橋本信夫総長はじめ、国循内の先生方の講演が予定されていました。
今回は「急性期脳梗塞に対する脳血管内治療」という題名で、新しく認可されたペナンブラシステムでより良い結果を得る工夫と、我々が取り組んでいる連携システム「Drip, ship, retrieve」について紹介しました。
古巣の国循ですが、当時レジデントだった自分が講演ができるなど夢にも思っておりませんでした。病院の建物は相変わらず威風堂々としており、当時の苦しくも楽しかったレジデント時代を思い出します。現在の自分があるのはここでの3年間の研修のおかげです。ほんの短時間でしたが、当時住んでいた宿舎や懐かしい院内の風景にも出会えました。
拙い講演で恐縮でしたが、お招き頂いた脳血管外科部長の飯原先生をはじめ、関係者の方々に心より御礼申し上げます。
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岐阜市60会

2012年01月28日 | 学会/研究会
脳神経外科の先輩である中谷 圭先生にお招きいただき、講演をさせていただきました。題名は「間違いだらけの脳梗塞治療」。刺激的な題名ですが、脳梗塞治療の分野は急速に発展を遂げているため、従来は正しかった治療法が徐々に古くなり、場合によっては「間違い」にもなってしまうというストーリーです。前半はクイズ形式、後半は最新治療の解説を行いました。雪がちらつく夜でしたが、多くの先生方に集まっていただけました。出席された先生方に心より御礼申し上げます。
さて、中谷先生と奥様の明美先生(写真)は岐阜市内でなかたにクリニックをご開業されています。
http://www.nakatani-clinic.jp/pc/index.html
お二人は私の大学の先輩で、これまで大変お世話になってきました。お二人ともに、とても優しく素晴らしいお人柄であるばかりか、岐阜大学同門一の美男美女夫婦としても有名で、我々の憧れの存在です。
これからもぜひご交流頂きたいです。
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脂質異常症の治療

2012年01月26日 | 脳卒中
脂質異常症で現在内服している薬剤を変更可能かどうかについて質問がありました。
結論から申し上げると、まず可能です。
ただしこのブログでも説明したように、脂質異常症にもいろいろなタイプがあるので、主治医に確認しなければなりませんし、変更後の採血でコレステロール値(LDL, HDL, 中性脂肪)と、副作用(肝機能障害など)の有無を調べる必要があります。
スタチンは動脈硬化抑制作用も強いので、最近は脂質異常症の第一選択の治療薬となっています。
以前から内服されていた薬を変更するのは本人も主治医もためらうことが多いのですが、ずっと継続する薬に関してはこのような情報をもとに積極的に相談すべきと考えます。
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手術見学

2012年01月18日 | 学会/研究会
昨日は私たちの病院での手術見学を含んだスモールミーティングを開催しました。
宇部興産病院の池田典夫先生、阿美古 将先生、聖マリアンナ医大東横病院脳卒中科の高田達郎先生、北海道大学の宮本倫行先生にご参加いただきました。
治療の見学後、宮本先生、高田先生のレクチャーを頂き、皆でディスカッションしました。
我々も勉強になりましたし、治療はすべて良い結果で、ほっと致しました。
わざわざ岐阜まで治療見学にきていただき光栄です。
これからもこういったイベントを行っていきたいと思います。
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手術支援@一宮西病院

2012年01月17日 | 動脈瘤
先週末、緊急の症例の手術支援のため一宮西病院に行ってきました。
普段手術を行われている先生が出張されており、依頼されたのです。
久しぶりに伺った病院は移転し、大変きれいに変わっていました。
治療もとてもうまく行き、ほっとしています。
宮嵜先生、また一緒にやりましょう。
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脂質異常症の薬物治療 その3

2012年01月16日 | 脳卒中
前回、脂質異常症に対する薬についてざっと紹介しました。
さてその中で現在最も注目されているのは「スタチン」です。
スタチンは、悪玉コレステロールを下げる効果が最も高いことが使用率が高い最大の理由ですが、最近は動脈硬化作用が注目されているのです。
どういうことかというと、例えば頚動脈や冠動脈が動脈硬化で狭くなっている人がスタチンを内服すると、徐々に細い部分が太くなってきた(!)という報告が相次いているのです。
数年前、そういった報告が出た時には、正直「本当かな?」とちょっと疑いました。そこで自分自身で確認してみようと思いました。
そこで、頚動脈エコーで細い部分の検査を行っておいて強力なスタチンであるリピトールを飲んでもらう人と飲まない人にランダムに振り分けて、半年間エコーでチェックを行いました。
その結果、わずか半年で頚動脈の動脈硬化が明らかに良くなっていたのです。具体的にはどろどろとした不安定な成分が、安定した成分に変わったのです。
ですからコレステロールの高い方は、まずこのスタチンという薬、特に、その中でも強力とされるリピトール、リバロ、クレストールなどの内服をお勧めしたいと思います。
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くりーむパン

2012年01月08日 | グルメ
明日は会議なので東京駅にいます。
駅構内で行列していたので、何となく並んで買ってしまいました。
この八天堂のくりーむパン、柔らかくて甘すぎず、なかなか良かったです。
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シシカバブー(?)

2012年01月05日 | グルメ
トルコケバブとは何かとMRKさんから質問がありました。

私も実はそれほど知らなかったので調べてみたところ、ケバブのもっとも典型的な調理法は、四角形に切った肉を串に刺して焼いたものだそうです。

トルコではこのほか、スライス肉を大型の串に刺して固まりにし、回転させながら焼けた表面を削ぎ切りするドネルケバブというものがあり、今回紹介したのは、このドネルケバブでした。上の写真に大型の串にささったスライス肉と電熱器が見えます。

このドネルケバブのサンドイッチに使われるパンは、円形で内部が空洞のピタを半分に切って袋状にしたものです。今回私達が食べたのは、キャベツがたくさん入っていて、その上にケバブを乗せてドレッシングをかけたヘルシーなものでした。ドネルサンドと呼ばれているようです。

ちなみに日本で以前から親しまれているシシカバブーというのはインド料理「シークカバブ」のことで、これが訛って「シシカバブー」と言われているようです。いずれにしろケバブというのは「焼き肉」のことのようです。

ケバブは中東諸国を旅行するとかなり頻繁に目にします。日本でもスキー場とかで目にすることがあります。私はほとんどの場合、購入して食べていますが、どの店もクセがなく結構美味しいですよ。一度試してみてください。



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脂質異常症の薬物治療 その2

2012年01月05日 | 脳卒中
前回お話ししたように脂質異常症にも色々なタイプがあります。
このため薬剤もそれぞれのタイプで違ってきますが、基本的にはコレステロールが高いのか、中性脂肪が高いのか、あるいはその両方かにより選ばれます。
一般的に最も有効性の高いものとして、悪玉コレステロールであるLDLを減らす薬があげられます。体中のコレステロールはLDLによって運ばれるので、これを減少させることが重要なのです。スタチン系、陰イオン交換樹脂、プロブコールなどがこのタイプのものです。
薬の種類は大変多いのですが、各薬剤の特徴を簡単にまとめます。

<主にコレステロールを下げる薬>

1. スタチン系(HMG-CoA還元酵素阻害剤)
 薬剤名:リピトール、リバロ、クレストール、メバロチン、ローコール、リポバスなど

 肝臓のコレステロール合成に必要な酵素((HMG-CoA還元酵素)の働きを妨げることで、血中のコレステロールを低下させます。悪玉コレステロールを下げる効果が最も高いため最も多く使われています。リピトールなどには中性脂肪低下作用もあります。善玉コレステロールを上昇させたり、脂質低下作用以外の抗動脈硬化作用も強力です。

 副作用:胃腸障害や筋肉痛(横紋筋融解症)など

2. 陰イオン交換樹脂
 薬剤名:クエストラン、コレバイン

 小腸内で胆汁酸と結合して、その排泄を促す薬剤です。体内の胆汁酸が減少すると、その不足分を補うためコレステロールが活発に消費され、コレステロールが減ることになります。LDL-Cを低下させるとともに、HDL-Cを上昇させる効果があります。
 副作用:腹部膨満感、便秘など

3. プロブコール
 薬剤名:シンレスタール、ロレルコ

 酸化されたLDL(悪玉コレステロール)が血管の内膜に蓄積するため、LDLの酸化を防ぐ抗酸化作用を持つ薬剤です。
 副作用:過敏症、胃腸障害、心電図異常(QT時間延長)など

4. エゼチミブ
薬剤名:ゼチーア

 小腸でのコレステロール吸収を抑制することでLDL(悪玉コレステロール)を下げる薬です。スタチンと併用されることが多く、スタチンとの合剤もあります。
 副作用:胃腸症状など

<主に中性脂肪を下げる薬>

1. フィブラート系
 薬剤名:ベザトールSR、リピディルなど

 細胞内の脂質合成に関わる蛋白の合成を抑制することで、中性脂肪を強力に下げる薬です。総コレステロールを下げる作用もあります。
 副作用:発疹などのアレルギー症状、また肝機能障害など

2. ニコチン酸
薬剤名:ペリシット

 トリグリセライトを下げる薬です。最近はスタチン等に併用されます。他の薬で下がらない成分を若干下げる作用があります。
 副作用:発赤、高血糖、高尿酸血症、痛風、上部消化管症状、肝障害など

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