みなさんこんにちは。お元気でしょうか?
今回は若い人に脳出血などを起こす病気、脳動静脈奇形について紹介します。
脳動静脈奇形とはその名の通り、脳の動脈と静脈が繋がってしまっている病気です。
英語ではAVM (arteriovenous malformation)と言われます。
この病気の特徴は以下の通りです。
- 脳の動脈と静脈が血管のかたまりでつながってしまっている。
- 脳内出血やくも膜下出血を来すことが多い。
- 出血率3〜6 %/年。
- 痙攣発作などで発症することもある。
出血する理由は、簡単に言えば動脈の圧力(心臓から押し出される強い圧力)が血管のかたまりや静脈にかかってしまい、パンパンに膨れた状態になっているので、自然に破れてしまうからです。
出血率については105-年齢で近似されるというデータもあります。つまり15歳の人は生涯で90%、90歳の人は15%ということになります。
このため、「出血する前に治療してしまいたい」という人が出てきます。
どんな治療があるのでしょうか?
- 経過観察
- 手術
- 塞栓術
- 定位放射線治療
- 以上から最適なものを選んだり組み合わせて治療することになります。
そうするとたくさんの選択肢になりますが、私の基本方針は以下の通りです。
出血率が低いもの:①経過観察
治療する場合、
小さいもの:④定位放射線治療、
大きいもの(3センチ以上):③塞栓術で小さくしてから④放射線治療
以上が困難・ハイリスク:外科手術のみ、または③塞栓術と外科手術の組み合わせ
というのが基本的な方針です。
もう少し詳しく知りたい方はぜひYouTubeをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=B1G9G3AXcvg
この情報が皆様のお役に立つことを期待しています。