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脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

Frei先生が兵庫医大に来てくれました!

2025年05月15日 | 閑話休題

長年の友人、Donald Frei先生が兵庫医大に来てくれました!

先生はアメリカの脳血管内治療のトップランナーで、特に吸引カテーテルを使った血栓回収の名人。なんと成功率は99%、年間350例以上の実績…私たちとはレベルが違います。

今回は、その手技のコツを惜しみなくプレゼンしてもらい、目からウロコの連続でした。やっぱり彼の本物の技術には説得力があります。

2011年からの大切な友人なので、こうして再会できたのが本当に嬉しかったです。

しかも、ちょうど訪問時は、インドネシア、マレーシア、ウルグアイからもドクターが見学に来てくれていて(写真)、まるで国際学会みたいな雰囲気でした(笑)

Don、来てくれてありがとう!次は僕たちがデンバーに行きます!

 

My long-time friend, Dr. Donald Frei, came to Hyogo Medical University to give a lecture!

He is a leading expert in neuroendovascular treatment in the United States, especially known for aspiration thrombectomy. His success rate is an amazing 99%, and he treats more than 350 cases every year. His skills are truly outstanding.

During his visit, he kindly shared many tips and techniques. It was very educational and inspiring for all of us.

I’ve been friends with Don since 2011, so I was really happy to see him again.

At the same time, we also had visitors from Indonesia (2 doctors), Malaysia (1 doctor), and Uruguay (2 doctors), so it felt like we were at an international conference!

Don, thank you so much for coming. Next time, we would love to visit you in Denver!

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その6 脳動脈瘤があると運動は制限されるの?

2025年05月14日 | 動脈瘤

脳動脈瘤が未破裂で見つかった場合、「運動していいですか?」「登山していいですか?」などといったご質問は少なくありません。

最新の研究とガイドラインに基づいて、運動の可否や注意点を紹介します。


✅ 基本的な考え方

  • 未破裂脳動脈瘤があっても、基本的に運動を制限する必要はありません。

  • 実際、ヨーロッパ脳卒中機構(ESO)のガイドラインでも、
    👉 「日常生活および運動に制限を加えるべきではない」
     と明確に記載されています(Sussman et al., European Stroke Journal, 2022)。


🔍 医学的な根拠とポイント

  • 軽度〜中等度の有酸素運動(ウォーキングや軽いサイクリング)は、血管の健康維持に役立ち「脳動脈瘤の破裂を減らす」とされてます。

  • ただし、一時的に血圧が大きく上がるような運動(激しい筋トレ・いきみを伴う動作)は、慎重に行うべきとされています。

  • 高血圧・喫煙・家族歴がある方では、運動内容について医師に相談を。


📚 主な参考文献・ガイドライン

  1. Sussman ES et al.
    European Stroke Journal, 2022. DOI: 10.1177/23969873221099736
    「日常生活や運動の制限は推奨されない」と明記。脳動脈瘤患者にもQOLを保つ活動が推奨されている。

  2. Wiebers DO et al., NEJM, 2003(ISUIA研究)
    → 軽い運動や日常動作が破裂リスクを高めるという根拠は乏しいと報告。

  3. Hoh BL et al., Neurosurgery, 2009
    → 重いものを持ち上げるなど、一時的に血圧が急上昇する動作はリスク要因になり得る。


🏃‍♀️ 実際に注意したいポイント

  • おすすめされる運動

    • 散歩・ウォーキング

    • 軽い自転車こぎ

    • ストレッチ・ヨガ

    • 水中ウォーキング

  • ⚠️ 注意が必要な運動

    • 息を止める筋トレ(スクワット・デッドリフトなどの高負荷)

    • 高地での激しい運動(登山など)

    • 急激な血圧上昇を伴う運動全般


✅ まとめ

  • 未破裂脳動脈瘤があっても、運動は原則「制限なし」が現在のヨーロッパの指針です。

  • ただし、安全な運動の種類を知っておくことも大切。

  • 動脈瘤の破裂リスクは個人差が大きいので、主治医や脳神経外科専門医に一度相談しましょう

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脳動脈瘤に関する質問編 その5 「脳動脈瘤とめまいは関係ありますか?」

2025年05月12日 | 動脈瘤

めまいと脳動脈瘤には関係があるの?

「最近めまいがあるので脳動脈瘤ができていないでしょうか?」と受診される方がいます。一方で、検査で脳動脈瘤が見つかったことをお伝えすると、「そういえば最近、めまいがひどいですが、脳動脈瘤が原因ですか?」とよく質問を受けます。

このようなことから本日はめまいと脳動脈瘤との関係について説明します。

そもそも「めまい」とは?

  • めまいは、頭がぐるぐる回る、ふわふわする、立ちくらみがするなど、さまざまな感覚を含みます。
  • 多くは内耳の異常(良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)や、自律神経、低血圧などが原因です。
  • しかし、まれに脳の異常が原因となるめまいもあります。

脳動脈瘤が原因で「めまい」が起こることはある?

  • 脳動脈瘤が直接的にめまいを引き起こすことは、非常にまれです。
  • ただし、以下のような状況では、まめいの原因が脳動脈瘤である可能性があります:
  1. 動脈瘤が脳幹や内耳に近い場所にある場合

→ 脳幹(延髄や橋)や前庭神経に圧迫が生じると、回転性のめまいを感じることがあります。
参考論文:Oishi M, et al. Neurosurgery, 2004:後下小脳動脈瘤が前庭神経を圧迫し、難治性めまいを引き起こした症例を報告。

  1. 動脈瘤の本格的な破裂前の軽度の出血症状

→破裂の前に軽度の出血(警告出血)が起き、頭痛やめまい、吐き気を伴うことがあります。
参考論文:Schievink WI, et al. N Engl J Med, 1997:くも膜下出血の20〜30%で、破裂前に軽い神経症状(めまいや頭痛など)を認めたと報告されている。

一般的にはどう考えるべきか?

  • めまいだけで脳動脈瘤を疑う必要はありません。
  • しかし、次のような症状がある場合は注意が必要です:
    • めまいに激しい頭痛を伴う
    • 意識がぼんやりする、ろれつが回らない
    • 手足のしびれや麻痺、ふらつきがある
    • めまいが突然発症して長時間続く

 参考論文:Edlow JA et al., JAMA, 2008:危険なめまいの鑑別として、脳卒中やくも膜下出血の除外が重要であると強調。

まとめ

  • めまいの大半は良性であり、脳動脈瘤との関連はほとんどありません。
  • しかし、
    • 後小脳動脈瘤など特定の場所にできた動脈瘤では、めまいの原因になることがある。
    • 破裂前の前兆としてのめまいは重要なサインになることも。
  • 「いつもと違うめまい」「頭痛や神経症状を伴うめまい」などがある場合は、早めに脳神経外科を受診することが大切です。

いかがでしたでしょうか?この情報が皆さんのお役に立てば幸いです。

 

 

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脳動脈瘤に関する質問編 その4 「脳動脈瘤は自然に治ることがありますか?」

2025年05月09日 | 動脈瘤

脳動脈瘤とは、脳の血管の一部がこぶのようにふくらんだ状態のことを指します。これが破裂すると「くも膜下出血」という、命にかかわる重大な状態になることがあります。

では、脳動脈瘤は「自然に治る」ことがあるのでしょうか?

1. 基本的なポイント

  • 脳動脈瘤は基本的には自然に治ることはありません

  • つまり、薬や生活習慣で「元通りの血管に戻る」ことは、通常は期待できません。

  • ただし、ごくまれに自然に血栓(血のかたまり)ができて、動脈瘤の中の血流が止まることがあります。

  • この状態を「自然血栓化(しぜんけっせんか)」と呼びます。

🔍 自然血栓化とは?

  • 血流のよどみや瘤の形によって、瘤の中に血栓が形成されることがあります。

  • その結果、動脈瘤が縮小したように見える、あるいは画像上で「見えなくなる」こともあります。

  • これは主に以下のような瘤に起こりやすいとされています:

    • 10mm以上の大型動脈瘤

    • 血流の入り口が狭いタイプ

    • 動脈硬化や石灰化が進んだ瘤

 参考論文:

  • Hoh BL et al., Neurosurgery, 2001:後交通動脈瘤が自然血栓化で画像上消失。

  • Takeuchi S et al., Surg Neurol Int, 2014:自然消失後、再出血を起こした症例を報告。

⭐️自然に縮小・消失しても安心できない理由

一見いいことのように思える自然血栓化ですが、実はそれで「治った」と考えるのは危険です。

 血栓化=安全とは限らない

  • 血栓が形成されることで、動脈瘤内の血流が不安定になり、圧力が特定の場所に集中する可能性があります。

  • 時間がたつと、血栓が溶けて再び血流が再開することがあります。

  • また、血栓の周辺で炎症が起きたり、壁が弱くなったりして、破裂リスクが高まることもあるのです。

 参考論文:

  • Mizutani T et al., Stroke, 1995:完全血栓化後でも、壁の炎症や壊死によって破裂が起こる可能性を報告。

  • Kim DJ et al., J Neurosurg, 2009:MRIで完全閉塞と診断された巨大動脈瘤が、その後破裂。

実際の報告:

  • 完全に血栓化して、MRIなどで瘤が見えなくなったが、 その後にくも膜下出血を起こしたというケースも存在します。

  • つまり、「画像で見えない」=「存在しない・破裂しない」とは限らないのです。


 まとめ

  • 脳動脈瘤は原則として自然に治癒することはない

  • ごくまれに自然血栓化によって縮小・閉塞することがある。

  • しかし、

    • 血栓化した後でも破裂することがある。

    • 再び血流が通ることがある。

    • 壁の炎症や変性が進行している可能性がある。

  • 「検査で見えなくなった=安心」と考えず、定期的なフォローが必要

  • 特に、大型瘤や症状のある瘤では、専門医と相談して治療のタイミングを見極めることが重要

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脳動脈瘤に関する質問編 その3 「脳動脈瘤は遺伝しますか?」

2025年05月08日 | その他

私の外来でよく聞かれる質問の一つが、脳動脈瘤と遺伝に関することです。

これについてお答えしたいと思います。

Q1: 脳動脈瘤は遺伝しますか?

A1:はい、一部の人では遺伝する可能性があります。特に、家族(親・兄弟姉妹・子ども)にくも膜下出血や脳動脈瘤を持つ人が複数いる場合は、動脈瘤ができやすいことが研究でわかっています。このような家族をもつ場合、「家族性脳動脈瘤」と呼ばれます。

参考:Broderick JP, et al. NEJM. 1994

(同一家系内に複数の脳動脈瘤患者のいる家族では、有病率が3〜4倍以上になる)

 

Q2:家族に1人だけ脳動脈瘤の人がいても注意したほうがいいのでしょうか?

A2.家族に1人だけ脳動脈瘤(またはくも膜下出血)を起こした人がいる場合、その家族(特に一親等:親・兄弟・子ども)の脳動脈瘤のリスクは、一般の人よりも2倍程度高いことが報告されています。

1:家族に1人だけ未破裂脳動脈瘤患者がいる場合

  • 未破裂脳動脈瘤の有病率(一親等):約 4~7%(一般の1.5~3倍)
  • 参考: Wermer SF, et al., Lancet Neurology, 2007
    (未破裂脳動脈瘤患者の家族におけるスクリーニング研究)

2:家族に1人だけくも膜下出血患者がいる場合

  • 未破裂脳動脈瘤の有病率(一親等):約 8~11%(一般の約2〜3倍)
  • 参考:Bor AS, et al., Stroke, 2008

(一般集団とくも膜下出血患者の一親等を比較した研究)。

 

以上を考えると、家族に未破裂脳動脈瘤やくも膜下出血を起こした人がいる場合には、一度はMRIなどで検査しておく方が良いかもしれません

ただし、これはあくまで統計的な平均リスクであり、実際には他の要因(高血圧、喫煙、年齢など)と組み合わさるかどうかでリスクが上下します。

 

Q3:遺伝以外の原因もあるのでしょうか?

A3: はい。脳動脈瘤ができる原因には、遺伝だけでなく生活習慣も大きく関係します。特にリスクを高めるのは次のような要因です:

  • 高血圧(血管に負担がかかりやすくなる)
  • 喫煙(たばこ)(血管の壁がもろくなる)
  • 過度の飲酒(血圧上昇や動脈硬化を引き起こす)

また、加齢(特に40代以降)でも動脈の壁が弱くなり、瘤ができやすくなります。動脈瘤を含め、血管の病気にならないようにするには、日ごろの生活習慣がとても大切です。

 

Q4. 自分に脳動脈瘤があるどうかを知るにはどうしたらいいのでしょうか?

A4.
MRIを受ければ、脳動脈瘤の有無を確認することができます

特に以下のような方は、一度検査を受けておくと安心です:

  • 家族にくも膜下出血や脳動脈瘤を持つ人が複数いる
  • 健康診断で高血圧などの異常が指摘された
  • 喫煙歴がある

MRI検査は体への負担も少なく、外来で受けられます。ただし、1.5から3テスラの高画質MRIで検査を受けるようにしてください。これは画質が悪いと見逃されてしまう可能性があるためです。

早期の診断は予防治療の大きなチャンスになります。一方踏み出して、積極的な予防に取り組みましょう!

 

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脳動脈瘤に関する質問編 その2 「頭をぶつけたから脳動脈瘤ができたのしょうか?」

2025年05月07日 | 動脈瘤

【Q】なぜ私は脳動脈瘤ができたのでしょうか?頭を何年か前にぶつけたからでしょうか?

【A】「どうして自分に脳動脈瘤ができたんだろう…」
そんな疑問や不安を抱かれる方はとても多いです。そして、「昔、頭を強くぶつけたことがあるから、それが原因でしょうか?」というご質問もよくいただきます。

まず結論からお伝えすると、過去に頭をぶつけたことが直接の原因で脳動脈瘤ができることは、ほとんどありません。

重度の頭部外傷が原因となって、特殊なタイプの脳動脈瘤(解離性脳動脈瘤という)ができることはありますが、多くは受傷後に意識障害を伴うような重度の場合に認めることが多く、しかも受傷後、数時間から数日といった短期間で形成されます。したがって、何年も前の頭部打撲が原因で、動脈瘤ができてくるということは、極めてまれなのです。

では、なぜ脳動脈瘤ができるのでしょうか?
実は、はっきりとした原因が分かっているわけではありませんが、いくつかの「なりやすい条件」が知られています。

  • 脳動脈瘤ができやすくなる要因
  • 加齢:年齢とともに血管の壁が弱くなります。
  • 高血圧:血圧が高いと、血管にかかる圧力が増え、負担になります。
  • 喫煙:タバコは血管を傷つける代表的な要因です。
  • 遺伝的な体質:ご家族に脳動脈瘤のある方がいると、リスクがやや高まります。
  • 女性であること:女性ホルモンの影響も関係すると言われています。

これらの要因が組み合わさって、長い年月をかけて少しずつ血管が弱くなり、徐々にふくらみができてくる──それが脳動脈瘤です。ですので、「何か悪いことをしたからできた」「ぶつけたからできた」ということでは決してありません。

★必要以上に心配しないで、前向きに考えましょう!

動脈瘤が見つかると、「どうして自分に…」「あれをやめていれば防げたのでは…」と悩んだり、不安が強くなって外出や活動を控えるようになる方もいらっしゃいます。でも、多くの脳動脈瘤は症状がなく、検査をしなければ見つからないのが現実です。ですから、見つかったことは“悪いこと”ではなく、“大きな予防のチャンス”と考えてください。

これからどう過ごしていくか、何に気をつけていけばいいかを、私たちと一緒に考えていくことが、何より大切です。ご心配であればいつでも連絡してきてください。

 

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脳動脈瘤に関する質問編 その1 「脳動脈瘤って何ですか?がんなのでしょうか?」

2025年05月06日 | 動脈瘤

ここで私が外来でよく受ける質問とその答えを紹介します。

脳ドックなどで脳動脈瘤と診断され、私の外来に来られた際によく受ける質問に以下のようなものがあります。

【Q】脳動脈瘤って何ですか?私は「がん」なのでしょうか?脳の出血ですか?

 

【A】「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」と聞いてもどんな病気かご存知の方は少ないと思います。なんだか難しい名前ですし、イメージが湧きにくいかもしれません。このため、「私ってがんなの?」「もう出血しているの?」というご質問をよくいただきます。

まず最初にお伝えしたいのは、脳動脈瘤は“がん”ではありません
がんというのは、体の中の細胞が異常に増えてかたまりになり、一部の細胞が体の他の場所に転移して広がっていく病気です。一方、脳動脈瘤は、脳の動脈の一部が弱くなり、そこが“風船のようにぷくっと膨らんだ状態”のことを言います。細胞が異常に増えたち、転移するわけではないので、がんとはまったく別のものです

また、「出血しているのですか?」という質問もよくあるのですが、MRIで偶然見つかったような動脈瘤は破れていないので出血はしていません。破裂していないものは「未破裂脳動脈瘤」と呼ばれ、多くの方は症状がなく、MRIなどを受けないと見つからないのです。

ただし、動脈瘤(血管のふくらみ)が破裂すると「くも膜下出血」という、命にかかわる重大な出血が起きます。これは突然の激しい頭痛や意識障害で倒れてしまう、といった症状で発症することが多く、緊急手術が必要になります。

つまり、脳動脈瘤とは、“破裂するかもしれない風船のようなふくらみ”が、脳の血管にできている状態と考えてください。

でもご安心ください。脳動脈瘤の破裂率はおおよそ年間1%前後ととても低いのです。サイズや場所によってこの数値は変わりますが、緊急処置が必要なことはほぼないのです。
ではどうすればいいのでしょうか?

ふくらみの大きさ、場所、形、患者さんの年齢やふくらみが大きくなってきているかどうかなどを総合的に見て、「このまま様子を見る」か「予防的に治療を行うか」を判断していきます。動脈瘤が大きい、患者さんが若い、動脈瘤が増大している、という場合には比較的治療を勧められることが多くなります。逆に、動脈瘤が小さい、高齢、動脈瘤のサイズが変化していない、という場合には定期検査を勧められることが多いです。

このように、脳動脈瘤があると聞くと驚かれるかもしれませんし、「治療が必要」と言われた場合でも、今は医学の進歩によって、破裂を防ぐための安全な治療法が確立されています

不安なことがあれば、遠慮せず、主治医にたずねてみてください。私も無料相談をしていますので、下記のページで「無料相談」をクリックしていただけば相談に乗ります。一人で悩まず、一緒に考えていきましょう!

 

http://www.e-oishasan.net/site/yoshimura/index.php

 

 

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You tube 第27弾 脳動静脈奇形について

2025年04月18日 | 報道・出版関係

みなさんこんにちは。お元気でしょうか?

今回は若い人に脳出血などを起こす病気、脳動静脈奇形について紹介します。

脳動静脈奇形とはその名の通り、脳の動脈と静脈が繋がってしまっている病気です。

英語ではAVM (arteriovenous malformation)と言われます。

この病気の特徴は以下の通りです。

  • 脳の動脈と静脈が血管のかたまりでつながってしまっている。
  • 脳内出血やくも膜下出血を来すことが多い。
  • 出血率3〜6 %/年。
  • 痙攣発作などで発症することもある。

出血する理由は、簡単に言えば動脈の圧力(心臓から押し出される強い圧力)が血管のかたまりや静脈にかかってしまい、パンパンに膨れた状態になっているので、自然に破れてしまうからです。

出血率については105-年齢で近似されるというデータもあります。つまり15歳の人は生涯で90%、90歳の人は15%ということになります。

このため、「出血する前に治療してしまいたい」という人が出てきます。

どんな治療があるのでしょうか?

  • 経過観察
  • 手術
  • 塞栓術
  • 定位放射線治療
  • 以上から最適なものを選んだり組み合わせて治療することになります。

そうするとたくさんの選択肢になりますが、私の基本方針は以下の通りです。

 

出血率が低いもの:①経過観察

治療する場合、

小さいもの:④定位放射線治療、

大きいもの(3センチ以上):③塞栓術で小さくしてから④放射線治療

以上が困難・ハイリスク:外科手術のみ、または③塞栓術と外科手術の組み合わせ

というのが基本的な方針です。

 

もう少し詳しく知りたい方はぜひYouTubeをご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=B1G9G3AXcvg

この情報が皆様のお役に立つことを期待しています。

 

 

 

 

 

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横浜新都市脳神経外科病院での手術支援

2025年04月11日 | 病院

先日、横浜新都市脳神経外科病院に手術支援に行ってきました。

森本将史先生のフローダイバーター治療、さすがでした。

この病院には私自身が当時、メディアに出て多くの患者さんが関東から来られ、治療後に関西まで来て頂くのに大きなご負担がかかるため、森本先生に相談したことがきっかけでご縁が始まりました。

すでに足掛け10年、お世話になってきましたが、その間、たくさんの患者さんを診療させていただきました。森本先生、脳外科の先生方、放射線技師さん、ナース、そしてクラークさんなど、院内の皆さんに心から感謝しています。

この病院は救急患者さんや手術数が多く、国内有数の有名施設になっていますが、これは森本院長をはじめ、スタッフの皆さんのご努力あってこそのことです。本当に素晴らしいと思います。今後も多くの患者さんを救うために頑張ってください。私も今後もお世話になると思いますのでよろしくお願い致します。

末筆となりましたが、皆さんのご健康とご発展を心からお祈りしています。

 

 

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脳血管内治療 スタート&スタンダード改訂!

2025年04月07日 | 報道・出版関係

脳血管内治療 スタート&スタンダードを改訂しました!

この本は脳血管内治療の入門書として大変好評をいただきましたが、この度出版から7年ぶりに大改訂しました。

7年間の進歩としては、さまざまな医療機器が変わっていること、例えば新しいフローダイバーターやWEBなどが加わっていますし、手首からのアプローチ(橈骨動脈アプローチ)も急速に普及してきています。

また今回はトレーニング編というパートを作り、若手の先生がモデルやシミュレーター、あるいは実際の治療器具を使ってどのように練習すれば良いのかについても解説しました。

本書が脳血管内治療の安全性向上に役立つことを執筆者、編集者一同、期待しています!

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