脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳動脈瘤 その52 脳血管内治療:その22 もう一つのフローダイバーター Surpass

2022年10月25日 | 動脈瘤

皆さんお元気ですか?

今回は日本で3番目に承認されたフローダイバーター、Surpass Streamlineの紹介です。

この機器を実際に使用した症例を提示します(図)

留置直後に動脈瘤内に造影剤が停滞し、かなり良い印象です。

現在はまだ適応が最大径10mm以上の内頚動脈瘤のみではありますが、米国では次世代のSurpass Evolveというバージョンが使用されており、他のフローダーバーターと同様、適応が広くなっています。

今後が楽しみなデバイスです。

 

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その後

2022年09月24日 | その他

朝まで浜松駅で新幹線の車内で待機となりましたが、再開の見通しが立たないためタクシーで横浜に向かっています。

ただ、高速道路も閉鎖されており、一般道も渋滞しているためかなり時間がかかってしまいます。

お待たせしている皆様、申し訳ありません。

到着がお昼前後になってしまう可能性が高いので、代診、変更などご検討ください。

お昼までお時間の許す方は診察いたします。

よろしくお願い致します。

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線状降水帯

2022年09月23日 | 閑話休題

明日の横浜新都市脳神経外科での外来診療のため、台風直撃の前に関東に向かっています。

しかし、愛知県から静岡県に線状降水帯が発生し、新幹線が止まってしまいました。

幸い、新幹線の電気は止まっていないので、来週の学会準備を仕上げています。

こういう環境だと、むしろ一気に仕事が進みますね(笑)。

そして、今日中になんとしても横浜に入るようにします。明日はたくさんの患者さんたちに予約いただいていますので...

しかし、患者さんたちも受診が大変そうです。無理しないでいただきたいです。

これをご覧になっている人たちも気をつけてくださいね!

 

停車中の新幹線車内から(浜松駅)

 

 

 

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脳動脈瘤 その51 脳血管内治療:その21 フローダイバーターと外科手術の比較

2022年09月16日 | 動脈瘤

今回はフローダイバーターと外科手術の比較について紹介します。

日本ではすでに3種類のフローダイバーターが使用可能ですし、治療数も年々増加しています。一方、この新しい治療法が良いのか、従来の外科手術が良いのか、直接比較したデータはありませんでした。

今回紹介する論文は、これら2つの治療法を比較した臨床研究です。患者さんをランダムにそれぞれの治療法に割り付け、治療結果(患者さんの状態)と動脈瘤が治癒したかどうかが比較されています。

全体の症例数は101例でフローダイバーター群に55例、外科手術(バイパス術)群に56例が割り付けられています。その後、この2群の中でマッチングをして40例ずつを選び出して比較がなされています。

その結果、フローダイバーター群の97.5%(40例中39例)で予後良好であったのに対して、バイパス術群では80%(40例中32例)で予後良好でした。この結果から、統計学的に有意にフローダイバーター治療の方が結果が良かったことになります(p = 0.029)。

一方、動脈瘤の完全閉塞率については、治療1年後の時点でバイパス術群では97.5%、フローダイバーター群では 65%と明らかにバイパス術群で良い結果でした(p = 0.001)。

以上から、動脈瘤の完全塞栓率は低いものの、術後の患者さんの状態はフローダイバーター治療の方が良かった、ということになります。

ただし、この論文にはいくつかの問題点があります。その中で最も大きな問題は、ランダムに振り分けたのにも関わらず、2群間に大きな差があったため、そこから40例ずつを抜き出して比較しなければならなかったことです。このためにこの論文はトップジャーナルに掲載されなかったものと考えます。

一方で、この論文から学ぶべきこともあります。バイアスが存在する可能性はあるものの、背景に差のない2群間の比較結果で、フローダイバーター治療の方が治療後の患者さんの状態が良かったことです。フローダイバーター治療後、動脈瘤の完全消失率は年々上昇することが知られており、数年間で差はもっと小さくなることが予想されます。

今後、さらに質の高い研究がなされている可能性がありますが、現時点での比較として最も信頼できる研究を紹介させていただきました。皆様のご参考となれば幸いです。

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脳動脈瘤 その50 脳血管内治療:その20 フローダイバーター FREDの適応

2022年08月16日 | 動脈瘤

だいぶ間があいてしまいました。皆様お元気でしょうか。

今回はFREDの適応について紹介します。

上に示すように、この新しいフローダイバーターは適応が広く、さまざまな動脈瘤に適応可能です。

特に赤文字になった部分は他のフローダイバーターが適応できない部位や形です。

これだけ適応が広いと、多くの患者さんが治療を受けられますね。

 

ただし、「この条件に当てはまる場合にはFREDを使った治療を受けた方が良い」とは言えません。

特に枝分かれのある部位では、その枝の別れ方でフローダイバーター治療と他の治療のどちらが良いか慎重に検討する必要があります。

次回は、フローダイバーター治療と外科的治療を比較した報告を紹介します。

 

 

 

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脳動脈瘤 その49 脳血管内治療:その19 フローダイバーター FRED

2022年07月22日 | 動脈瘤

さて、今回は新しいフローダイバーターFREDについて紹介したいと思います。

FREDはテルモの子会社である米国のMicrovention社が製造し、それをテルモ社が販売しています。

この新しいフローダイバーターには特徴があり、荒いメッシュと細かいメッシュの2種類が組み合わされています。(図参照)

なぜこんな構造になっているのでしょうか?

 

それには理由があります。

荒いメッシュがステント自体を強く開かせる力があり、細かいメッシュが血流を確実に変える、ということなのです。

これによって、術者は容易にFREDを留置できますし、動脈瘤は理論上、より確実に血栓化・縮小することになります。

実際の使用感としてもFREDの留置は容易です。特別なテクニックを用いなくても確実に展開され、血管壁に密着します。

私たちの施設ではすでに100名以上の患者さんにFREDを用いましたが、留置が困難であったケースはごくわずかです。

次回はその治療適応、治療結果について紹介します。

 

 

 

 

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脳動脈瘤 その48 脳血管内治療:その18 フローダイバーター Pipelineの表面加工(Shield technique)

2022年07月13日 | 動脈瘤

さて今回は代表的なフローダイバーターであるPipelineの進歩についてお話ししようと思います。

この機器は初めて日本に導入されたフローダイバーターで、その後、2度のバージョンアップがなされています。

特に最新バージョンではステントの表面に加工がなされており、Shiled加工と呼ばれています。

 

これにより操作性がスムーズとなったばかりか、ステント表面に血栓がつきにくくなっています。

上段3つの画像は表面可能のないPipeline Flexで、下段3つがPipeline Shiledです。

違いがわかりますでしょうか。 下段の方が金属がはっきり見えます。

つまり、金属の表面にポリマー加工がなされたことで、ステントの表面に血液成分が付着しにくくなっているのです。

 

では、この加工によって実際の治療はどうなるのか?

以下の2つが考えられます。

1)フローダイバーター留置中の合併症が減少する

2)留置後の血栓性合併症が減少する

 

1)については実際に留置していて実感します。それまでではマイクロカテーテル内で抵抗があって誘導に強い力が必要なケースがありましたが、そのようなことが減りました。また、展開が難しいケースも減ったように感じます。

2)については少数例の経験が論文として報告されており、血栓性合併症が減少したとされています。

今回のShield加工が実際の臨床でどこまでの効果を示すかについてはまだ未知数です。

しかしこのような加工が進めば、血栓ができにくくなり、いずれは内服薬も早期に減量できるようになるかもしれません。

徐々に進化するPipeline。今後も注目していきたいと思います。

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米国への出張:必要な書類などについて

2022年07月06日 | 閑話休題
出国、帰国時に必要な書類についてまとめたサイトがANAのホームページにありました。
まずはここから確認されるといいと思います。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/coronavirus-travel-information/immigration/departure/#subtitle_02

ただし、結構複雑です。
そこで、まとめてみます。

出国時
1)ワクチン接種証明書
   紙またはアプリ
2)個人誓約書(ダウンロード
3)米国CDCへの情報提供(ダウンロード)(注:英語の書類です。署名するだけですが...)

入国時
1)出国前72時間以内のPCR検査証明書
2)個人誓約書
3)ワクチン接種証明書等の書類
以上を健康居所確認アプリ(MySOS) に入力しておいて青色になって入ればファストトラックを利用できます。
アプリが青色になっていないとファストトラックには進めませんが、書類自体が手元にあればそれを見せれば良いようです。

あと、米国内のConnecting flightに搭乗する際にカウンターでQRコードを求められました。
カウンターにあるパネルの画面で示されるURLにアクセスして提示しましたが、My SOSで質問表、誓約書を入力しても出るようです。

あと先の記事でも記載しましたが、ESTAも以前より時間がかかることがありますのでご注意を!

以上、まとめてみても複雑ですね〜。
国の対応も刻々と変わりますので、実際に渡米される場合にはこの情報と変わっているかもしれません。
ぜひご自身でもしっかりと確認してください。
最近、渡米された人か、こういった書類のサポートをする企業に依頼した方が確実かもしれません。

今回は自分の備忘録もかねてまとめてみました。皆さんのご参考となれば幸いです。
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米国への出張:コロナ関連の手続きについて

2022年06月29日 | 学会/研究会
2年半ぶりに米国の学会に来ています。
まだ海外出張は控えようと考えていましたが、主催の先生方から声がけをいただいたため、思い切って大学に申請したところ、許可が出ました。
まだ出入国には様々な規制があります。
・出国には3度のワクチン接種証明書が必要
・入国(帰国)には滞在国でのPCR検査陰性の証明が必要
となっています。

十分準備したつもりでしたが、出国については一度つまづいてしまいました。
スマホのアプリケーション「接種証明書」を使って海外用の接種証明書を作成したのですが、スキャンで取り込まれたパスポートの文字に間違いがあったのです(1とlです)。空港でそれが発覚したため、予定していた便に乗れず、急遽変更となりました(涙)。
一度、自宅に戻ってマイカードを使って再度スキャンしなおし、慎重に確認。2度目は大丈夫でした。コンピューターを信用しすぎてはダメですね!

あと、この2年半でESTAが切れており、しかも申請後、承認まで12時間程度かかったため肝を冷やしました。現在でも5-10分で承認されることもあるようですが、以前よりも長時間かかるケースが増えているそうです。ESTAのホームページには「72時間以上前に申請すること」としっかり記載されているのでご注意を!

帰国については滞在国の出発時刻72時間以内のPCR陰性を示す必要があります。
また、入国時には「My SOS」というアプリケーションを使うことが推奨されています。

ここにまず、3度目の摂取証明を入れるのですが、なんと「接種証明書」の3回目の接種部分のスクリーンショットでは審査で承認されませんでした。色々試しましたが、全情報を1枚の紙やPDFに印刷ができず(やり方がわからず)対応できませんでした。このため日本で摂取証明書をスキャンしてメールで送ってもらい、それを添付するとOKが出ました。

PCRは「出発時刻から72時間以内」となるタイミングを計算して、現地のPCRクリニック(上図左)で受けてその情報を添付しました。でも航空便が遅れるとダメになってしまう可能性もありますのでしっかり計算しないといけません。

My SOSは最初は画面が赤色ですが、順に摂取証明やPCRの結果を入れ、審査で全て承認されると青色に変わります(上図右)。これで一安心です。

米国入国時にはワクチン接種やPCRの確認はありませんし、街の中ではすでにマスクをしている人はいません。
学会でも普通にプレゼンをされていて、2年半前にタイムスリップしたようで違和感がありましたが、これで感染が爆発しないのなら良いのかもしれません。
日本ではいまだにクラスターが発生したりして大変ですが、米国ではかなり事情が違っています。
日本も早く、通常の生活に戻るといいですね!

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脳動脈瘤 その47 脳血管内治療:その17 フローダイバーター Pipelineの長期治療成績

2022年06月01日 | 動脈瘤
先日は小型脳動脈瘤に対するフローダイバーター Pipelineの長期治療成績を紹介しましたが、通常のサイズ(大型を含む)の長期治療成績について紹介するのを忘れていました!

昨年、800名以上の患者さんのデータが報告されています。
これは世界的に有名なアルゼンチンのPedro Lylyk先生のグループからの報告です。
835名の患者さんにフローダイバーター Pipelineを用いて治療を行った後、5年までのデータが紹介されています。
動脈瘤の完全閉塞率は治療6ヶ月後は68.2%ですが、徐々に上昇し、治療5年目には96.4%に達していることがわかります。
大変興味深い結果です。このような経過になるのであれば、少し残存していても、待てば良い、ということになります。

一方で治療による合併症は5%前後でしたが、当科では治療合併症がもっと低い印象があります。
これは対象とする患者さんや動脈瘤の場所などによって変わってきます。
この調査では内頚動脈だけでなく脳底動脈などさまざまな場所に使用されていましたので、現在の日本の適応に近いデータである可能性があります。

枝のない、サイドウォール型の動脈瘤にはフローダイバーター (Pipeline)が非常に良いようです。
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