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脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

湘南徳洲会病院

2025年08月21日 | 病院

先日、湘南徳洲会病院にWEB留置術の指導に行ってきました!

ぜひご覧ください。

https://doctor-yoshimura.blog/%e6%b9%98%e5%8d%97%e5%be%b3%e6%b4%b2%e4%bc%9a%e7%97%85%e9%99%a2%e3%81%ab%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e3%81%ab%e8%a1%8c%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81/

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WEB見学会を開催しました!

2025年08月01日 | トピックス

脳動脈瘤の新しい治療「WEB」の見学会を開催しました。


脳動脈瘤の治療として、これまでは「コイル塞栓術」が主流でしたが、最近では「WEB(ウェブ)」という新しいデバイスが登場し、注目を集めています。

このWEBを使った治療は、コイル塞栓術と比べてより完治しやすく、入り口(ネック)の広い動脈瘤でもステント(金属メッシュの筒)を併用しなくて済むことが多いのです。

これにより、術後の血液サラサラの薬(抗血小板薬)をすぐに中止できるという利点があり、より安全で効果的な選択肢となる可能性があります。


今週は、関西の4つの病院から先生方にお越しいただき、WEB治療見学会を開催しました。実際に2例の治療ともにやや難易度の高いケースでしたが、手技は非常にうまくいき、先生方からは「大変参考になった」と嬉しいコメントをいただきました。
お越しくださった先生方に、心より感謝申し上げます。


• 大阪赤十字病院 脳神経外科 橋本 憲司 先生
• 清恵会病院 脳神経外科 木村 僚太 先生
• 大阪急性期・総合医療センター 脳神経外科 玉置 亮 先生
• 滋賀医科大学 脳神経外科 宮田 悠 先生


今後も、新しい治療法の普及と質の向上に向けて、積極的に情報発信や教育の機会を作っていきたいと思います。

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このブログをご覧になっている皆さんへ

2025年08月01日 | トピックス

このブログをご覧になっている皆さんへ。

10月にGoo ブログが閉鎖するため、新しいサイトを開設しました。

https://doctor-yoshimura.blog/

しばらくは両方に投稿しますが、新たなサイトにリンクする形にしていきます。

引き続き、どうぞよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 

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その13 脳動脈瘤は自然に治ることがありますか?

2025年07月01日 | 動脈瘤

「 脳動脈瘤は自然に治ることがありますか?」

これも外来でよく聞かれる質問です。

先に答えを言うと、

「脳動脈瘤は基本的に自然に治ることはありません」となります。

がっかりされたでしょうか?でも実際にそうなので仕方がありません。

薬を飲んだり、生活習慣を改善しても、脳動脈瘤がなくなると言うことはないのです。

一方で、脳動脈瘤の中に血のかたまりができることがあります。これを「血栓化」といいます。

では自然血栓化はどんな人に多いのでしょうか?

1)大型脳動脈瘤

2)入口(ネック)が狭い

3)動脈硬化や石灰化が進んだ動脈瘤

血栓化を起こすと、動脈瘤は検査で見えなくなります。そして、以前は「血栓化すれば動脈瘤は破裂しなくなる」と思われていました。

しかし実際には、血栓化した後、動脈瘤の中の血栓が溶けて、動脈瘤が破裂することもあることがわかってきました。

私自身もそういった症例を経験したことがあります。

ですから「血栓化」=「安心」とは言えないのです。

血栓化した後も、定期的に検査を受け、状況によっては専門医との相談の上、治療を必要とすることもあることを知っておいてください。

今回は「 脳動脈瘤は自然に治ることがありますか?」という質問にお答えしています。

ぜひ動画をご覧ください!

https://youtu.be/inZlhA001q0?si=K3TGAXfz178qqfOA

 

 

 

 

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その12 脳動脈瘤は遺伝しますか?

2025年06月24日 | 動脈瘤

この質問も外来でとてもよく聞かれます。

結論から言うと…

 

一部の人では遺伝する可能性があります。

特に、家族に脳動脈瘤やくも膜下出血を起こした人が複数いる場合には、動脈瘤ができやすいことがわかっているのです。

では家族に一人だけ脳動脈瘤やくも膜下出血の人がいる場合はどうなのでしょうか?

これについて調べてみたところ、

  1. 家族に一人だけ脳動脈瘤の人がいる場合:

脳動脈瘤の有病率(一親等):通常の2倍(4~7%)

  1. 家族に一人だけくも膜下出血の人がいる場合:

脳動脈瘤の有病率(一親等):通常の3倍(8~11%)

 

ではどうしたらいいのでしょうか?

実は脳動脈瘤ができる原因は遺伝だけではありません。

1) 高血圧

2) 喫煙(たばこ)

3) 大量の飲酒

遺伝的な要素があってもなくても、これらに気をつけることが重要です。

 

あと、脳動脈瘤はできていても、まず自覚症状はありません。

ですので、積極的に検査を受けないと診断できないのです。

MRIはほぼ無害なので、家族に脳動脈瘤やくも膜下出血の人がいる場合にはぜひ一度受けてみることをお勧めします。

今回はこれについて動画で紹介しています。

https://youtu.be/q5XFCLg1c78?si=ucx0AHHQBJ9zV7ox

ぜひご覧くださいね!

 

 

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その11 なぜ脳動脈瘤ができたのでしょうか?頭をぶつけたからですか?

2025年06月12日 | 動脈瘤

「どうして自分に脳動脈瘤ができたのでしょうか?」
「昔、頭を強くぶつけたことがあるから、それが原因でしょうか?」

というご質問をよくいただきます。

まず結論からお伝えすると、頭をぶつけたことが直接の原因で脳動脈瘤ができることは、ほとんどありません。

もちろん、可能性はゼロではありません。重度の頭のけが (重症頭部外傷)が原因となって、解離性脳動脈瘤という特殊なタイプの脳動脈瘤ができることはあります。

ただ、多くは意識を失うような重度の外傷のケースで、しかも受傷後、数時間から数日といった短期間で形成されます。したがって、何年も前の外傷が原因で、そこに動脈瘤ができてくるということは、極めてまれなのです。

では、なぜ脳動脈瘤ができるのでしょうか?


実は、はっきりとした原因が分かっているわけではありませんが、いくつかの「なりやすい条件」が知られています。

  • 脳動脈瘤ができやすくなる要因
  • 加齢:年齢とともに血管の壁が弱くなります。
  • 高血圧:血圧が高いと、血管にかかる圧力が増え、負担になります。
  • 喫煙:タバコは血管を傷つける代表的な要因です。
  • 遺伝的な体質:ご家族に脳動脈瘤のある方がいると、リスクがやや高まります。
  • 女性であること:女性ホルモンの影響も関係すると言われています。

これらの要因が組み合わさって、長い年月をかけて少しずつ血管が弱くなり、徐々にふくらみができてくる──ということなのです。ですから、「何かをしたからできた」、「頭をぶつけたからできた」ということでは決してありません。

でも強く頭をぶつけると、脳に何か起きたのではないかと心配になることはあると思います。不安が強い時には、専門医の先生にかかって必要に応じてMRIを受けてください。

脳動脈瘤が見つかると、「どうして自分にできてしまったのだろう…」、「あれをやめていれば防げたのでは…」と悩んだり、不安が強くなって外出や活動を控えるようになる方もいらっしゃいます。でも、昔、頭を強くぶつけたことなどはまず関係ありません。

多くの脳動脈瘤は症状がなく、検査をしなければ見つからないのが現実です。ですから、見つかったことは“悪いこと”ではなく、“大きな予防のチャンス”と考えてください。

ご心配であればいつでも連絡してきてください。必ず返信します。

https://pro.form-mailer.jp/lp/4be525ad191500

この内容をYouTubeにまとめています。ぜひご覧くださいね。

https://youtu.be/Ou_ekQfMzPM?si=4D23GXwV8myVBm_D

 

 

 

 

 

 

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LINNC Paris 2025に参加してきました!

2025年06月06日 | 学会/研究会

2025年6月2日から4日まで、パリのルーブル美術館地下にあるCarrousel du Louvreで開催された LINNC Paris 2025 に参加してきました!

今回は、光栄なことに 初めてFacultyとしてご招待いただき、当科の 瀬尾恭一先生、阿部宗一郎先生 とともに参加しました。

LINNCは、脳血管内治療のライブセミナーのうち、世界で最も長い歴史を持つ国際学会です。私が長年にわたり尊敬してやまない Jacques Moret先生を中心に、Laurent Spelle先生、Vitor Mendes Pereira先生の3名で運営されています。

私は今回、パネリストおよび少人数グループでの教育セッション(Small Group Teaching)を担当させていただきました。会場では、日本ではまだ導入されていない最新のデバイスを用いた治療や、国際的な最新エビデンスの発表が行われ、まさに世界最先端の現場を体感することができました。

世界中のトップクラスの医師たちが一堂に会し、会場は連日満席。熱気と緊張感に包まれた素晴らしい3日間でした。こうした機会を通じて、日本国内では得がたい新しい知識や視点を多く得ることができたと感じています。

今回は観光ゼロのハードスケジュールでしたが、途中、凱旋門をチラッと見ることができました(笑)。

次回も機会があればぜひ参加したいと思います。

 

Attending LINNC Paris 2025!

From June 2nd to 4th, 2025, I had the great pleasure of attending LINNC Paris 2025, held at the Carrousel du Louvre beneath the Louvre Museum in Paris.

This year, I was truly honored to be invited for the first time as a faculty member, and I joined the conference together with my colleagues, Dr. Kyoichi Seo and Dr. Soichiro Abe, from our department.

LINNC is the world’s longest-standing live seminar dedicated to neuroendovascular therapy, and it remains one of the most prestigious international meetings in the field. The congress is led by three remarkable physicians I deeply admire—Prof. Jacques Moret, Prof. Laurent Spelle, and Prof. Vitor Mendes Pereira.

As a faculty member, I participated as an expert panelist and also took part in small group teaching sessions, engaging directly with attendees. The program featured many cutting-edge devices and techniques not yet available in Japan, as well as the latest international evidence in neurointervention. It was truly inspiring to witness and learn from the forefront of global practice.

The venue was packed every day, full of energy and enthusiasm, as top experts from around the world gathered to share their experiences and knowledge. I gained many new insights and perspectives that would be hard to obtain solely within Japan.

Although it was a very tight schedule with no time for sightseeing, I did manage to catch a brief glimpse of the Arc de Triomphe from a taxi window—so that counts, right? 😄

I sincerely hope to attend again in the future if the opportunity arises.

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その10 サプリや健康食品で脳動脈瘤の発生や破裂は予防できますか?

2025年05月24日 | 動脈瘤

みなさんこんにちは!お元気でしょうか?

ところで、この質問もとてもよくいただきます。テレビやインターネットで「●●が血管にいい!」「これさえ食べれば脳卒中にならない!」といった情報を目にすると、気になりますよね。

では実際のところ、サプリメントや食品で動脈瘤の増大や破裂を予防することはできるのでしょうか?

 

結論から言うと…

「特定のサプリや食品などで脳動脈瘤の発生や破裂を予防できる」という科学的な根拠はありません。

つまり、「○○さえ飲めば動脈瘤ができない、破裂しない」とは言えないのです。

 

🔍 なぜそう言えるのか?医学的な視点から

これまでの研究

  • ビタミン類(ビタミンC、E、Dなど)、ポリフェノール、EPAやDHA(魚油)などが「血管に良い」とされる研究はありますが、それらが脳動脈瘤の発生や破裂を防ぐという直接的な証拠はありません。
  • 食品についても同様です。

💊 そもそも市販サプリは「医薬品」ではない

  • サプリや健康食品は、「病気を治す・防ぐ」目的ではなく、栄養補助が主な役割です。
  • 医学的には、「予防・治療の効果」を保証できるものではありません。

🚫 かえって注意が必要なケースもあります

  • なんらかのサプリメント(ビタミンE、高濃度EPAなど)を定期的に内服することで安心して、喫煙などを続けてしまい、リスクが上がってしまう可能性があります。

動脈瘤の破裂を防ぐために本当に大事なのは?

  • 血圧管理、禁煙、大量の飲酒をさけること、です。
  • これらについては、以前に紹介しましたが、近日中にあらためて紹介しますね。

💬 まとめ

  サプリや健康食品が脳動脈瘤の破裂を直接防ぐ証拠はありません

  • 「○○がいいらしい」という情報に振り回されず、まずは血圧管理と禁煙、そして大量飲酒をさけることが最優先!
  • 何らかのサプリメントなどを取り入れたい場合は、必ず主治医と相談しましょう。

 

 

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中村記念病院での治療指導に行ってきました!

2025年05月21日 | 閑話休題

先日、札幌市の中村記念病院でのフローダイバーター治療の指導に行ってきました!

昨年度、当科で研修した進藤孝一郎先生が執刀するとのことで応援を要請されたのです。

比較的難易度の高いケースでしたが、非常にうまく行き、術後経過も良好とのことです。

患者さんのご経過が良いこと、そして中村記念病院の皆様のますますのご活躍を祈念しています。

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その9 未破裂脳動脈瘤がありますがサウナや入浴は大丈夫?

2025年05月20日 | 動脈瘤

「未破裂脳動脈瘤があります。サウナや入浴は大丈夫ですか?」

この質問はとてもよくいただきます。調べた範囲でお答えします。

基本的には「入浴もサウナもOK」

未破裂の脳動脈瘤があるからといって、サウナや入浴を避けなければならないわけではありません。入浴やサウナが破裂を直接増加させるなどといった明確なデータはありません。

むしろ、実際、医学的にも「毎日入浴する人の方が脳卒中が少ない」とする報告もあります(くも膜下出血は増減無しとされています)。

ただし、以下の点には注意が必要です!

  1. 熱すぎるお湯・サウナは避ける
  • 42℃を超えるお湯や高温のサウナ(90℃以上)では、血圧が急激に変動する可能性があります。
  • お湯は38~40℃程度のぬるめが理想。サウナも短時間にとどめる方が無難です。
  1. 急な温度変化はNG
  • 冬場の寒い脱衣所から熱い浴室、またはサウナ後の冷水浴は、血圧の急上昇を招きやすく、お勧めできません
  • 脱衣所や浴室を温め、寒暖差を少なくする工夫をしましょう。
  1. 長風呂・長時間のサウナも控えめに
  • 長時間の高温環境は、脱水や血圧の変動を起こしやすくなります。
  • 10分以内で切り上げ、こまめに水分をとりましょう。

📚 医学的背景と研究

  • Ukai T et al., Heart 2020;106:732–737(日本の研究)
     → 入浴頻度とくも膜下出血の発症リスクには関連が見られず、毎日の入浴でもリスクの増加は確認されなかった。
  • Li et al., J Clin Hypertens. 2022;24:861–869.
     →くも膜下出血の引き金となる要因の一つに急激な温度変化があり、特に冷水や高温の入浴が血圧を大きく変動させるため、極端な温度の入浴は避けるよう推奨されている。

まとめ:安心してお風呂やサウナを楽しむために

やっていいこと

避けたいこと

38~40℃のぬるめの温度設定

熱すぎるお湯(42°C以上)・高温のサウナ

短時間の入浴・サウナ

長時間の入浴・サウナ

脱衣所の温度を適度に保つ

冬の寒い脱衣所など

毎日の入浴

飲酒後や体調不良時の入浴

未破裂脳動脈瘤があるからといって、入浴やサウナを怖がりすぎる必要はありません。

しかし、血圧の急な変化に注意しながら、無理のない範囲で楽しむことが大切です。

 

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