造影剤アレルギーについてMasayoshiさんからコメントを頂きました。
冠動脈は専門外ですが、調べた範囲でお返事致します。
造影剤アレルギーについては「最近は造影剤の改良でほとんどなくなっている」との記載も見受けますが、実際以前このサイトで紹介した患者さんやMasayoshiさんのように最新の非イオン性造影剤でもショック状態になる方がおられます。
日本医放会誌によれば、非イオン性血管内投与造影剤による重度副作用の頻度は、2.5万例に1例、死亡例は40万例に1例と報告されており、非常に稀です(しかし当院の説明文書ではきっちりとその確率が記載されています)。
ただ、すでに造影剤アレルギーの既往がある方が再度投与を受けた場合には、アレルギー発作はほぼ必発と考えた方が良いと思います。
インターネット上に造影剤アレルギーに関する記述のあるサイトは多くあります。例えば
http://www.fujita-hu.ac.jp/~sfujii/satuei/satuei06.html には
「ヨード系造影剤の副作用をヨード過敏症といい、経口用の造影剤ではほとんど発生しないが、注射用で発現する確率が高い。軽度のものは、くしゃみ、悪心、蕁麻疹等が現れ、重症な場合は顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ、さらに重篤な時は虚脱、心臓停止を起こす。」とあります。
また
http://intmed.exblog.jp/4390439/ には
造影剤ショック予防対策を行っても、その有用性が少ないことが記載されています。
以上をまとめると、「造影剤アレルギーの予知のためのテストはリスクがあるため最近行われず、しかもアレルギーの予防治療もあまり有効なものがない」ということになります。このため実際の医療現場では、過去の既往についての問診を行うことと、投与後早期に十分な患者さんの観察を行うことが重要とされています。
したがってMasayoshiさんのように過去に造影剤アレルギー症状が明らかにあった方はできるだけ同じ造影剤の投与を避けるのが良いとされており、どこの医療機関も造影剤を使った検査は勧めないと思います。
それでは冠動脈を一生検査できないのか?ということになりますが、そうでもありません。
血管造影に代わる検査法としてCTやMRIを使った方法があります。
これは以前このサイトでも、脳の血管の検査のところで説明しました。
冠動脈でもこれらの検査が可能になってきました。CTでは血管造影と同じ造影剤を使うので、造影剤アレルギーの方には行えませんが、MRIを使ったMRAという検査法は、造影剤を用いず血管の構造をある程度調べることができます。
下記のサイトを参考になさってください。
http://www.jc-angiology.org/journal/meeting/abstract.php?mc=48&p=SY-4&no=6
http://rdsv.medic.mie-u.ac.jp/rad-home/sh-1a.htm
http://tohoku-b.umin.ac.jp/data/17bukaizassi/17_page096.pdf
などです。
ただしMRAは冠動脈造影やCTAよりも画質が劣るのが欠点です。その診断能力に否定的な見解もあります。
www.onh.go.jp/seisaku/circulation/qa305.html
このため少しでも画質が良く(1.5テスラ以上)で、こういった検査の経験の多い施設で相談されてはどうかと考えます。
以上、参考となれば幸いです。
冠動脈は専門外ですが、調べた範囲でお返事致します。
造影剤アレルギーについては「最近は造影剤の改良でほとんどなくなっている」との記載も見受けますが、実際以前このサイトで紹介した患者さんやMasayoshiさんのように最新の非イオン性造影剤でもショック状態になる方がおられます。
日本医放会誌によれば、非イオン性血管内投与造影剤による重度副作用の頻度は、2.5万例に1例、死亡例は40万例に1例と報告されており、非常に稀です(しかし当院の説明文書ではきっちりとその確率が記載されています)。
ただ、すでに造影剤アレルギーの既往がある方が再度投与を受けた場合には、アレルギー発作はほぼ必発と考えた方が良いと思います。
インターネット上に造影剤アレルギーに関する記述のあるサイトは多くあります。例えば
http://www.fujita-hu.ac.jp/~sfujii/satuei/satuei06.html には
「ヨード系造影剤の副作用をヨード過敏症といい、経口用の造影剤ではほとんど発生しないが、注射用で発現する確率が高い。軽度のものは、くしゃみ、悪心、蕁麻疹等が現れ、重症な場合は顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ、さらに重篤な時は虚脱、心臓停止を起こす。」とあります。
また
http://intmed.exblog.jp/4390439/ には
造影剤ショック予防対策を行っても、その有用性が少ないことが記載されています。
以上をまとめると、「造影剤アレルギーの予知のためのテストはリスクがあるため最近行われず、しかもアレルギーの予防治療もあまり有効なものがない」ということになります。このため実際の医療現場では、過去の既往についての問診を行うことと、投与後早期に十分な患者さんの観察を行うことが重要とされています。
したがってMasayoshiさんのように過去に造影剤アレルギー症状が明らかにあった方はできるだけ同じ造影剤の投与を避けるのが良いとされており、どこの医療機関も造影剤を使った検査は勧めないと思います。
それでは冠動脈を一生検査できないのか?ということになりますが、そうでもありません。
血管造影に代わる検査法としてCTやMRIを使った方法があります。
これは以前このサイトでも、脳の血管の検査のところで説明しました。
冠動脈でもこれらの検査が可能になってきました。CTでは血管造影と同じ造影剤を使うので、造影剤アレルギーの方には行えませんが、MRIを使ったMRAという検査法は、造影剤を用いず血管の構造をある程度調べることができます。
下記のサイトを参考になさってください。
http://www.jc-angiology.org/journal/meeting/abstract.php?mc=48&p=SY-4&no=6
http://rdsv.medic.mie-u.ac.jp/rad-home/sh-1a.htm
http://tohoku-b.umin.ac.jp/data/17bukaizassi/17_page096.pdf
などです。
ただしMRAは冠動脈造影やCTAよりも画質が劣るのが欠点です。その診断能力に否定的な見解もあります。
www.onh.go.jp/seisaku/circulation/qa305.html
このため少しでも画質が良く(1.5テスラ以上)で、こういった検査の経験の多い施設で相談されてはどうかと考えます。
以上、参考となれば幸いです。

未破裂脳動脈瘤手術を受けると打ち明け、はまゆう様にお見舞を言って頂いた者です。
11月12日に8時間近い手術により無事に生還致しました。体のどこにも後遺症無く、すっかり元気!と言いたいところですが、まず3個並んだ動脈瘤を開頭クリッピングするはずでしたが、クリッピング出来たのは1個でした。他はコーティング術でした。
さらに、もう1個残っている動脈瘤のコイリングを受けるかどうか悩んでます。
とにかく、お礼を言わなくてはと思い取り急ぎ書き込み致しました。
ありがとうございました。
うれしいお知らせ、本当にどうもありがとうございました!
吉村先生のブログ記事「脳動脈瘤治療」(2009年9月8日)に
長いコメントをお送りしたご縁で、
きぃさんに「お見舞い」の言葉を記させていただきました。
9月30日のことです。
あれからもう2ヶ月以上・・・
吉村先生のブログのお部屋をお訪ねする度に(=頻繁に)、
きぃさんのことを想っておりました。
そして、一昨日付の文字通りの<吉報>・・・
感激して何度も何度も読み直しました。
手術のご成功、本当に本当に良かったですね・・・。
吉村先生の治療法についてのご解説「脳動脈瘤クリッピング術」
「脳動脈瘤コイル塞栓術」についても、改めて勉強させていただきました。
門外漢にもス~ッと染み込むように理解できるご説明!
きぃさんが、たいへんな手術を乗り越えられたことがよくわかりました。
勇気あるご決断で希望の道を拓かれたきぃさんと、
手術を成功に導かれた先生方のお力に、心よりの敬意を表します。
これからも困難なことがなくなったわけではありませんよね。
でも、苦しい病気と向き合っていらしゃる
きぃさんの生きる姿勢に、吉村先生のブログを愛読なさっていらっしゃる
大勢の方々が励まされたにちがいありません。
私も私なりの困難を乗り越えるべく、頑張りたいと願う気持ちで
いっぱいです。
きぃさん、
うれしいお知らせ、本当にどうもありがとうございました。
<吉報>――【吉】村先生のブログが伝えてくださる【報】のこと。
これからも大勢の愛読者の方々とともに、
<吉報>を心待ちにさせていただいています。
造影剤なしのCTとMRIとMRAしか検査していません。意識不明の時はやっても大丈夫だったそうです。くも膜下出血の血管造影検査もしたらしいです。
脳外科にかかったことはなく脳動脈瘤があることは知りませんでした。血圧が200あったけれどやせれば下がると思って内科に行くのをやめました。脳内出血は前頭葉で出血が脳の方には広がらずに反対方向に流れてしまいました。脳の組織が壊れたのはわずか2、3cmでした。手術はクリッピングのほかに脳内血腫の除去もしたそうです。脳内出血が大きければ助かっていないと思います。この病状を聞くのに1年かかりました。
お父さんともう一人の親戚が3時間以上の説明を聞いていたらしいですが生きるか死ぬかで気が動転していてほとんど覚えていないというので私が外来で先生に説明を依頼しました。病院で倒れたことと倒れた日が脳外科の主治医の外来日だったので早く手当てができました。
どうして脳内血腫だけのくも膜下出血があるのでしょうか。