脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

シロスタゾールの効果

2010年03月06日 | 脳梗塞
脳梗塞の予防薬として現在、日本では4種類の薬が使用可能です。
その中で日本国内で開発された薬が「シロスタゾール」です。
この薬は比較的新しいため、既存の薬との比較試験が義務づけられていました。
今回のISCでその結果が公表されました。

ISCの最後のセッションで発表されたそのデータはセンセーショナルで、これまでの脳梗塞予防のスタンダードであったアスピリンと比べ、シロスタゾールの方が脳卒中発症抑制効果が強いこと、しかも重篤な副作用である出血性イベントもシロスタゾールの方が少ないことが示されました。
英語圏からの発表が多いこの学会において、日本からのこのデータはかなりのインパクトを与えたものと思われます。

それにしても出血性イベントが少ないことは臨床経験で気づいてはいましたが、脳卒中抑制効果まで高いとは...
正直驚きました。
この薬は内服すると脈が速くなったり、頭痛が起きたりすることがあるのですが、それであっても「効果と安全性」が高いのであれば、患者さんに頑張ってもらう理由があるということが分かりました。

日本からの素晴らしい発表に胸が空くような思いでした。
メディアでもこの発表が取り上げられていますよ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ebm/csps2/kekka/201003/514337.html
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もう一つの衝撃:Enterprise | トップ | 胸郭出口症候群:治療について »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (E.T)
2010-03-06 13:12:49
CSPS2の結果は大変な驚きでしたが、それと同時に、
シロスタゾールのことを信じてこれまでやってきてよかった、という安堵感がありました。

3年半の間、吉村先生のところで学ばせていた多くのことを生かして、
少しでも多くの方のお役に立てる仕事がしたいと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

脳梗塞」カテゴリの最新記事