ドイツプライムカップ2度目の決勝進出。1度目はゲルゼンキルヘンに惜しくも敗れて初優勝はお預けとなったが、2度目の今回はSCベルリンが相手ということもあり、何としてでも勝ちたい。マンシャフト発足から8年、そろそろ国内で初のタイトルを獲りたいところだ。
エストデーラスタジアムでもマンシャフトスタジアムでもなく、バイエルンスタジアムで雨の中、試合は行われた。
9分、マンシャフトはポドルスキーがエリア内まで切り込んでシュートを放つも、SCベルリンGKシュマイゼンに抑えられる。17分にも大きくボールが出されてフライスに渡るが、これはオフサイド。
21分、SCベルリンのFKはクリズペラがヘッドでクリアする。
23分、SCベルリンは右からのクロスにフリーになっていたビョルン・ベックがスライディングボレー。これを決められて先制される。
42分、マンシャフトは大きく左に出すも、ヤン・バーデがゴールラインに出してしまい、チャンスを潰してしまう。前半は0-1と1点ビハインドで後半へ。
後半からヤン・バーデに替わってユングニッケルが入る。48分、マンシャフトは左から大きくパスを出してポドルスキーに渡るが、これもオフサイド。
51分にはSCベルリンが右へボールを出して、エリアにボールを入れるも、レンジングがキャッチ。68分に光プレイからモリツ・フォルツがエリア内まで切り込んでシュートを決めた。同点に追い付いたマンシャフトは更に攻撃を仕掛ける。77分、右からクロスを上げようとするが、SCベルリンの選手が懸命のブロックで防ぐ。79分にも同じように防がれた。更にマンシャフトは右クロスからバウアーがダイレクトで左に流し、フライスのクロスからユングニッケルがシュートもシュマイゼンが体を張って防ぐ。その後の猛攻もシュマイゼンを前にゴールを割れない。逆にアディショナルタイムにワルサーがファウルを誘ってFKでピンチもカットしてフライスからポドルスキーにパスが渡ったところで後半が終了した。
94分、SCベルリンは右からミドルシュート。これをレンジングが弾いてCKとなる。ショートコーナーからエリアにボールを入れられるが、レンジングが前に出てキャッチ。更に左へボールを出されて、ワルサーがパスを出し、グラウンダーのシュートもレンジングが抑えた。101分、メッツェルダーに替わってラウを投入し、流れを変えようとするマンシャフトはFKからポドルスキーにボールが渡ってシュートもシュマイゼンが弾いてDFにクリアされる。これで延長前半が終了して後半へ。今度はマンシャフトの攻勢で試合が進み、バウアーからのロングパスはポドルスキーに渡るが、これはオフサイド。更に攻めるマンシャフトだが、SCベルリンの守備は堅くて点を取るのも容易ではなかった。それでも諦めないマンシャフトはフライスがクロスを上げようとするも、相手選手にブロックされてしまう。アディショナルタイムに入り、スローインからフライスがボールをキープしていた。
「みんな、ここだ! 点を取ることだけに集中するんだ。PKまで持ち込ませずに120分で勝負を付けるぞ」
ゼルベルガー監督がベンチから声を張り上げる。それに応えるかのようにフライスが懸命にエリア内へボールを入れた。それに反応したシュマイゼンが前に出るのを見逃さなかったフライアーは満身創痍だが、最後の力を振り絞ってジャンプしてループヘッド。これが決まり、マンシャフトが土壇場で大きな決勝ゴールを上げた。この瞬間、GKレンジングが後ろにいるサポーターの方を向き、両腕を高々と上げて胸を叩く。その後、SCベルリンのキックオフで試合が再開され、少しパス回ししたところで試合終了のホイッスルがバイエルンスタジアムのピッチに鳴り響いた。
マンシャフト、ドイツプライムカップ初優勝
優勝の瞬間、喜びを分かち合うマンシャフトの選手たち。そして、スタジアムで観戦していたオーナーのヴァントは両腕を上げて喜びを爆発させている。
ヴァント(長かった。ようやく国内のタイトルを手にしたんだ)
思えば、今大会は順風満帆ではなかった。1回戦では2部のアーレンに同点に追い付かれても勝ち、2回戦では2部で下位のオッフェンバッハと延長を戦って勝ち、準々決勝のシュツットガルト、準決勝のドルトムントとの戦いはPK戦までもつれこんだ。そして、決勝でも延長を戦い、3戦連続PKかと思われたが、それを阻止しようとしたゼルベルガー監督の激で選手が目を覚まし、120分決着で勝利した。この大会8度目の出場でようやく手にした優勝。これから常勝クラブになれば、何度もその喜びを味わうことができるだろう。
ドイツプライムカップ決勝
SCベルリン 1-2 マンシャフト
(得点) 23分 ビョルン・ベック(SCベルリン)
68分 モリツ・フォルツ(マンシャフト)
120分 パウル・フライアー(マンシャフト)
(警告) 90分 アレクサンダー・クリズペラ(マンシャフト)
シュート数4-10、ボールポゼッション47-53だった。MOMは決勝ゴールを決めたパウル・フライアーが選ばれる。
【基本情報】 来場者数 109989人
【収入】 勝利ボーナス 2000万
【合計】 2000万
ドイツプライムカップ優勝賞金4億5000万円も手にする。
【資本金】 46億8795万1433円