ドイツプライムカップ1回戦vsドルトムントは、序盤にピンチを迎えるもポストに助けられ、カウンターからマンシャフトも応戦。しかし、ドルトムントの前にゴールを割らせてもらえず、互角の勝負へ。前半を0-0で終えて、後半に入る。マンシャフトはドルトムントを倒して2回戦に進むことができるのか。
50分、プレルが相手選手を倒してしまい、FKを与える。
ヴァント(やはり、経験不足なのかプレルも前シーズンまでは3部の選手。彼だと90分戦うのは心許ない。クルト、ここで選手交替だ)
ヴァントの心の中を読めたのか、それとも同じ考えだったのか。ここでクルト監督はプレルからマルティン・ベックに交替。ベックはMF登録だが、右サイドバックもこなせる。
51分、ロシツキーのFKは左に逸れる。
ヴァント(さすがに格下の我々に対して、少し焦りが出ているのか。僅かだが、蹴る足に力が入っている)
そして、69分のことだった。ベーエが左から前へパスを出し、トレコフがドリブルで突破する。クロスを入れると、フライスがDF2人と競りながらもシュート。ボールはGKに当たるが、こぼれ球をカイザーが押し込んで、マンシャフトが先制した。
意外な光景にどよめく者や驚く者。そして、ヴァントのように喜ぶ者もいた。
ヴァント「よし、みんな。このままいけば勝てるぞ」
1点リードされて本気で来るはずのドルトムントだが、マンシャフトの選手たちには余裕すら見えた。
ーーー 試合前ミーティング ーーー
クルト監督「みんな、オーナーから話があるそうだから、心して聞いてくれ」
監督の言葉に顔を見合わせる者や戸惑う者もいる。
ヴァント「よし、みんな、聞いてくれ。確かにドルトムントは素晴らしいクラブだ。だが、弱点がある」
ヴァントの言葉に選手だけでなく、クルト監督も驚いた。
ヴァント「ドルトムントは3トップで、1トップのコレルはポストプレイヤーだ。チェコ代表にも選ばれる程だが、彼がどんなに良いボールを落としても、これと言って決められるストライカーがドルトムントにはいない。それがリーグ低迷の原因だ。ウチのDF陣なら対応できる。むしろ怖いのは中盤のロシツキーだろう。それでも、相手が上だが、辛抱すれば必ずチャンスは訪れる。そのチャンスで決めれば、十分にウチにも勝機があるし、相手が本気で攻めてきても、絶対的なストライカーはいないんだ。落ち着いていけば必ず勝てる」
ヴァントの言う通りだった。コレルがボールを持ち込んでシュートを放っても、マンシャフトの選手たちは対応している。そして、アディショナルタイムが過ぎて、GKヴァイデンフェラーがボールを蹴り上げたところで試合終了のホイッスルが鳴った。
この瞬間、マンシャフトの選手は、まるで優勝したかのような喜びだった。
これを見たヴァントは喜びを含んだ苦笑をする。
「勝って喜ぶのはいいが、まだ1回戦を突破したばかりだぞ。あと4回勝たないと優勝ではないんだ。だが、今はこの勝利を喜ぶことにしよう」
ドイツプライムカップ1回戦
ドルトムント 0-1 マンシャフト
(得点) 69分 アンドレ・カイザー(マンシャフト)
(警告) 10分 ヌリ・サヒン(ドルトムント)
シュート数では4-7とドルトムントより上だった。ヴァントの言うように、ストライカー不足がドルトムントの弱点なのかもしれない。
【基本情報】 来場者数 102212人
【収入】 勝利ボーナス 2000万
【合計】 2000万
【資本金】 13億7380万 400円