
日経クロステックの記事「ニュートンも驚く超ローテクの“重力蓄電” 近く本格稼働へ」(注1)を読み、目からうろこが落ちる思いでした。簡単に記事内容を紹介しますと、錘の上げ下げによって途上電力を蓄電する大規模施設がイギリスなどで実用化されつつあるということです。余剰電力で数トンの錘をタワーに巻き上げて、電力が不足してくると錘を落として発電し電力を供給します。同記事には本ブログ記事標題の「街中蓄電所」という表現は使われていませんが、この表現がぴったりだと思って付けた標題です。要するに地球の重力・位置エネルギーを電気エネルギーの貯蔵に使うという発想です。この技術は、中世の13世紀に既に錘巻き上げ式機械式時計という形式で発明されていました。実に700年前です(上の写真です 注2)。2002年に歌手の平井堅さんが歌ってヒットした「大きな古時計」の時計です。
皆さんは「再エネ出力制御」という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか。私が住む九州電力管内では太陽光や風力などの再エネの発電量が豊富で春や秋などエアコンが使用されない晴れの日の昼間は、しばしば電力需要を上回る電力が生み出されます。電力供給には「同時同量」という絶対に守らなければならない原則があります。電力需要には供給量を必ず一致させないと電力供給ネットワークがパンクしてしまうのです。(続く)
(注1)記事のソースです。⇒https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05997/?P=2
(注2)写真出所⇒
https://museum.seiko.co.jp/collections/mechanical_clock/collect007/