(昨日の続きです)
以下は、ブログ主の思い出話です。ブログ主は1992年から2002年までの約十年間、東京にある某シンクタンクで研究員をしていました。主に科学技術政策や環境・エネルギー政策の調査研究に従事していました。現在のJAXA(日本宇宙航空研究開発機構)の前身のNASDA(宇宙開発事業団)からの委託で日本の宇宙開発政策の調査研究にも従事していました。ブログ主とは別の研究グループでは月面のヘリウム3の利用可能性についての調査研究が行われていたことを良く記憶しています。1992年(平成4年)から1993年(平成5年)頃でした。今から30年前です。この当時の日本の核融合研究は、日本原子力研究所(原研)が、JT-60というトカマク型核融合実験炉(上の写真です 注)で超高温プラズマの生成に挑戦していた頃でした。確かこの2年後くらいに炉心に封じ込めた重水素・トリチウム(DT)のイオン温度5.2億度(世界最高温度達成でギネスブックに登録されました)を一瞬達成できたことを覚えています。こういう様子でしたから、DT反応の更にその先のD-3He反応の実現可能性は、どれくらいなのかを担当者に聞いてみたのですが、全く目途が立っていないという回答でした。そのため、その後30年、D-3He反応のことは半分忘れていました。しかし今回のヘリオン・エナジー社のニュースを聞いて、改めてD-3He反応のことを思い出しました。長い間生きていると、いろいろ思いがけない経験ができるものですね。
(注)JT-60の写真はこちらから引用させていただきました。
⇒ https://ameblo.jp/keith18/entry-12711322149.html