博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

MHD発電の実用化?

2024年03月25日 | 環境・エネルギー
 3月22日の本ブログでご紹介したヘリオン・エナジー社のニュースの中に「・・・もう一つの特徴は核融合反応からエネルギー形態として熱を取り出すのではなく反応から出てくるα粒子を使って電磁誘導で直接発電を行う可能性があるということです。これも、もし本当ならかなり画期的なこと・・・」という箇所がありました。しれっと報道されておりますが、これってMHD発電のことではないかと思い興奮しました(もし本当ならですが)。
 MHD発電(Magneto-Hydro-Dynamicsの略称です。上記はその概念図です 注)とは超伝導磁石などを用いてパイプに垂直な方向に磁界をかけ、パイプにプラズマなどの流体を流すと、パイプ内に張った電極を通して横方向に電流を発生させるという発電方式です。火力発電や既存の核分裂型原子力発電のように熱を蒸気に変換してタービンを回すという迂回過程が不要で高効率に電気エネルギーを抽出できる方法として1970年代から旧通産省工業技術院のムーンライト計画で本格的な開発が始まりました。確かに画期的な方法なのですが超高温のプラズマを取り扱うため発電機器が直ぐに劣化してしまうという課題が壁となって、現在では東京工業大学の奥野喜裕教授が研究を継続している以外では研究開発は行われていないそうです。実はブログ主の1990年代のシンクタンク研究員時代にお世話になった方が、旧工業技術院・電子技術総合研究所(現 産総研)でMHD発電の研究開発に取り組んでおられたことを思い出しました。ヘリオン・エナジー社がプラズマの問題を解決できる見通しを付けたのだとすれば画期的なことだと思いました。
(注)上記の概念図は、こちらから引用させていただきました。
 ⇒ https://research.kosen-k.go.jp/file/956

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