上の写真は「 地球の出(英語名: Earthrise)」(注)と名付けられた「史上最も影響力のあった環境写真」として有名です。1968年12月24日のクリスマスイブに、史上初の有人月周回飛行を実現したアポロ8号のウィリアム・アンダース宇宙飛行士がハッセルブラッドカメラで撮影した写真です。
月の地平線(月平線)に浮かぶ青く小さく美しい地球の写真は、何よりも地球の有限性を人々に印象付けました。人類が好き勝手に環境を汚染し資源を枯渇させるならば、地球はやがて誰も住めない死の星になってしまうだろうーおそらく、この写真を見てそのように思った人は少なくなかったのかもしれません。実際に、アポロ計画以降、国連人間環境会議(ストックホルム会議 1972年)などの地球環境問題への国際的な取り組みが活発化しました。今日のSDGsに繋がる取り組みです。アポロ8号の飛行は、アポロ11号の有人月面着陸の約半年前に行われたミッションですが、ブログ主はアポロ計画の最大の功績は、この写真が人類の環境意識に大きな影響を及ぼしたことではないかと個人的には思っています。
さてブログ主は衝撃的なニュースを耳にしました。アンダース氏が自身が操縦する飛行機の事故で、6月7日に亡くなったということです(注)。本人の自宅がある米国西海岸ワシントン州サンファン諸島の沖で墜落したということです。アンダース氏は1933年生まれの90歳という高齢で操縦を行っていたことになります。氏はNASAの宇宙飛行士に採用される以前は6000時間の飛行時間を有する米空軍戦闘機パイロットだったそうですから、飛行機の操縦からは一生離れられなかったのかもしれませんが、本当に残念なことで氏のご冥福を祈りたいと思います。
(注)AP通信 https://apnews.com/article/plane-crash-san-juan-islands-washington-6d3800130ef4e67d761f96b328f7c263