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基地のなかの投票行動

2008年11月04日 | 雑記帳
 アメリカ大統領関連のニュースが喧しいが、今朝のNHKニュース内の小特集は興味深く思えた。
 日本にある米軍基地内にある中高一貫スクールでも投票が行われたという。18歳以上の選挙権なので不思議ではないが、学習内容の一部として「模擬投票」が行われていることに目を惹かれた。

 オバマ、マケインそれぞれを支持する学生、どちらも女子学生だったが、その二人が応援演説を行い、それを聞いた生徒たちが判断して、自分ならばどちらに入れるかを決定し投票する仕組みである。

 制度の違いといってしまえばそれまでだが、当然日本では考えられないことである。現実的な政策そのものを扱うこと自体がタブー視されているようにも思うし、まして議員や首長への投票など取り上げたら特定の政治勢力に与しているという見方をされることに違いない。

 むろん社会科やディベートなどで、そうした事柄を扱うことはあるだろうが、結果が曖昧なままで終わっている場合も多いのではないか。子どもたちの力を高めるという目標ばかりが大きくて、話し合いや活動が現実課題と必ずしも直面しなくてもよいという判断が働いているかもしれない。

 それで政治的関心は高まるのか。選挙に行こうという人は増えるのか。
 中高の政経や公民の授業の実態を知らないままに勝手を書いているが、少なくても若い世代の投票率が上がらない理由の一つに教育があることを、学校現場にいる者として考えねばならない。
 憲法や政治の仕組みを教えることと同時に、現実の問題と重ね合わせて投票行動に向う意識を持たせるために何ができるか…その実現のためには工夫もいるし決断もいる。

 そうは書きながら、Aさんの政策とOさんの政策のどちらを支持するか、と問われて答を出せるまでになるにはかなり長い道のりが必要なんだろうなこの国は、と思ってしまう。